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救助訓練
小堀 憲夫
山行日  2005年6月18日~19日
メンバー  (L)小堀、金子、鳥之海、福間、原口、川崎、田中(恵)、小幡、三澤
6/18のみ 内山、箭内、坪松、西尾
6/19のみ 紺野、佐藤、荻原

 今回の救助訓練は趣向を少し変えて実施してみた。救助訓練の枠を広げ、「山で遭難しないために」とのテーマで、山での遭難事故を防ぐためにできることをすべて一通りカバーしてみることにした。まず、初日はビデオとテキストを使い机上講習と実技、2日目は大倉尾根で読図の訓練と滑車を使った負傷者の引き上げの訓練などを実施した。
山岳スポーツセンター  初日、丹沢は大倉のスポーツセンターに集合し、宿泊者用の畳の部屋とテレビとビデオを借りて、ビデオの視聴から始めた。使用したビデオは山渓から出ているビデオ登山学校シリーズの第4巻「山で遭難しないために」。講師は元東京都山岳連盟山岳救助隊隊長の渡辺輝男氏で生徒は市毛良枝さん。使用したテキストも同氏らが岳人に掲載したシリーズ企画をまとめ本にした「山の遭難」を使用した。内容が同じトーンになっており解説資料として良いセレクションであった。ビデオを一通り見終わった後、テキストも利用しながら、ピンチパックの中身について、心肺蘇生法、テーピングの方法、スキーストックを利用した松葉杖の作り方、三角巾の使用法などを実際に確認した。また、山に入る前のトレーニングも大事な遭難対策の一環ということで、自宅でできる筋トレのメニューなども紹介した。参加者は皆熱心で、特に得意技を持つメンバーはそれを披露して他の参加者の指導に当たるなど、積極的な姿勢で訓練に参加していた。
編み物教室(ザイルバスケット)  その後滝沢園の対岸に移り、テントを張ったあと各自昼食を取り、午後のセッションに入った。午後はザイルバスケット、ツエルト担架の作り方と、それを利用しての搬送法の確認、負傷者を1人で背負う場合の各種方法の検証などを実施した。
 その夜は原口さんがシェフとして来てくれることになっていた。4時ころ訓練を終了し、お疲れ様の乾杯を始めると、やがて原口さんが到着し、次々に料理が出来上がり、美味い美味いと夜は更けて行った。夜中に明さんが到着したようだが筆者は夢の中だった。
 翌朝、紺野さん、荻原君の到着を待ち、皆で大倉尾根へ。暑い日で皆汗だくになりながら途中読図の訓練なども実施し、堀山の家まで登った。二俣への道を少し下った登山道脇で、滑車を使用した事故者の引き上げ、引き下ろしなどの訓練を実施した。さらに、三つ峠での事故の後、荻原くんらが検証し考案したジジによる引き下ろし方法なども確認することができた。
 その後大倉に戻り原口シェフのランチをご馳走になった後解散した。
 今回の訓練は、考えられる遭難対策メニューをすべて一通り実施し、遭難対策として各自がそれぞれ何をすべきかを考えることに主眼を置いた。参加者の多くから「非常に充実した訓練だった」との感想を聞き、主催者としては手ごたえのある訓練となった。


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