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二子山西岳中央稜
天内 基樹

山行日 2005年7月24日
メンバー (L)高橋(俊)、小幡、天内、深谷

 去年の初めから膝が不調で、時には病院や整骨医に通いながら、だましだまし山へ行っていた。
 その時気づいたのは、例えば沢登りでは、沢(滝)を登っている時はなんともないのだけれど、一般登山道の下りの方が大変だった事。それでこのさい長い下りのないクライミングをやってみようかなと思った。去年勘七の沢で、1人だけへつりで行き詰って以来、岩トレの必要性を感じていたので。
 実際やってみると、ある意味山登りより体力的にも精神的にも楽。せっかくだから、少し続けてみようかな、と。しかし今はもうハイキングにも行きたくなっていますが。
 さて、本題に入ります。

 23日(土)飯能駅22:30集合だったが、夕方に起こった震度5強の地震でJRが止まってしまい、萬徳さんは来られず、小幡さんは、俊介君が車で迎えに行くはめになってしまい、そろったのは23時すぎ。それから一路武甲温泉をめざす。隣のキャンプ場には車は入れなかったので、駐車場にテントをはり軽く飲み就寝。

 24日(日)朝食後出発。6:30頃か。民宿"登人"先を右に曲がる。左に二子山登山口の道標がある反対側に車5台位止められるスペースがある。先着2台。ここから少しの歩きで股峠。初め道標に従い右の道を行くが、このまま行くと山頂に行ってしまいそうだ、というので引き返し、反対側に下っている道の右に入る。少しでローソク岩への表示あり、正しいことを確認。ローソク岩直前で右に上がる道をいくと少しで中央稜基部へ。先行する3人パーティーのセカンドが登り出すところだった。ここで、俊介君、深谷さんと小幡さん、私の2パーティーに別れて登ることにする。
 林の中にそそりたつ岩壁は垂直に近く、濡れていて威圧的だ。トポと現実の岩は違う。トップで行くつもりでいたけれど、ウーン・・・。
 先行者も苦労している。
 しかし下部では1番やさしいピッチのはずだし、それなりに練習してきたのだから、と自分に言い聞かせ、小幡さんは自分が行くよ、と言ってくれたけれど、私がリードさせてもらうことにする。
 直上後右上する出だしがポイント。ホールドがガッチリしているので思い切っていける。
 少しでテラスへ。
 ここでビレーしている時、何の前触れも無くガツンとヘルメットに小石。ずっと上から空中を飛んできたらしい。もし上を見上げていたらメガネに当たっていたかも、と思うと怖ろしい。
 ここからは林も抜け明るく開放的になる。岩も乾いていて快適だ。
 つるべで登るというので、2P目は小幡さんがリード。左上ぎみに登り、最後右からまわりこんでビレー点へ。
 3P目、クラックが真っ直ぐ立ち上がっている。核心のピッチだ。私のリード。今はいているシューズはくつしたをはいて普通に歩きまわれるほどの大きなシューズで細かいスタンスに立つには不安なので、カメラを持つ代わりに持ってきたもう1足の小さなシューズに履き替える。
 短いレイバックのあと、核心部へ。クラックはハンドより広い。両側はのっぺりしている。どうやって登るのか?よくわからず。しかしクラックの右には新しいボルトが2本、左側には、どうぞ、とばかりにシュリンゲがたれさがっている。それで、あっさりと利用させてもらう。後で聞くと、俊介君達もA0で登ったとのこと。そこから上はやさしくなるが深く打ち込まれた古いハーケンが多く、細いシュリンゲがあれば便利。しばしの登りでビバークもできそうな広いテラスへ。
 結果としてそういう細かいスタンスはなく、シューズをはきかえる必要はなかった。
 足が痛く、裸足になってビレー。再び履き替える。4P目から上は岩稜も広がり、易しくも難しくも、色々ルートがとれる。俊介君がビレーしていた。1~3ピッチを俊介君が、4~6ピッチを深谷さんがリードしたとのこと。
 快調にロープ伸ばし、6Pからはそのままロープをひきずっていくと、少しで稜線。少し先に西岳山頂の道標が見える。
 予報より天気がよく青空も見える明るい空、時おり静かに風が吹き抜ける。私たち以外誰もいない。軽い昼食後下山開始。少し先で右から上がってくる登山道を下る。上級者コースというだけあり岩場の急降下が続く。ただ歩くだけでは物足りないというハイカーにはいいコースかも。
 再び股峠。時間がはやいので、東岳右壁に行く。
 長い前傾壁に圧倒される。誰もいない。
 徒然草5・10Cにとりつく。まず俊介君が核心部手前まで、それを引き継いで深谷さんが核心部、ヌンチャクを左手でしっかりつかみながらも完登。さすが週2回クライミングジムに通っているだけある。トップロープにして1回ずつチャレンジし終了。
 帰り、飯能で軽く飲んだ後、解散。
 充実した1日でした。
 この山行を企画してくれた俊介君に感謝。

 二子山中央稜は、それ程難しくなく、爽快感味わえる好ルートで、初級者にお勧めのルートです。

〈コースタイム〉
中央稜取り付き8:30頃 → 終了11:15頃
徒然草終了12:30頃


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