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黒部川・上ノ廊下変じて針ノ木沢
小堀 憲夫

山行日 2005年8月14日~8月18日
メンバー (L)小堀、佐藤、天城

 黒部川・上ノ廊下は日本の沢登り発祥の地であるそうな。そうと聞いたからには行かねばなるまい!と、以前からチャンスをねらっていた。ただ、まとまった休みが取りづらくなかなか実現しないでいた。4年前に一度金子会長達と行けるはずだったのだが、仕事の関係で間際になって行けなくなり、私のビリーカンだけが参加するはめになった。今回は4年前のリベンジだ。いや、そのはずだった。
 結末から先に言うと、今回も目標未達。奥黒部ヒュッテまで入るには入ったが、雨が続き、黒部川は大岩がゴロゴロ押し流される濁流と化した。停滞してしばらく様子を見たが、雨が降り止む様子はなく、他のパーティーも皆あきらめて帰って行った。我々もヒュッテの親父さんに「来年また来るよ」と挨拶し、針ノ木谷をつめて船窪岳に上り七倉に下ることにした。
 それでも、奥黒部ヒュッテで停滞中、明さんが濁流から尺に近いのを釣りあげて刺身にしたり、翌日釣れたのはフライにしたり、針ノ木谷の途中、小南沢の出合付近で幕営した際にも私の竿に岩魚がかかったりして、量は少なくても毎日岩魚をいただくことができた。
 帰りは、明さんがスキーの時によく寄るという、穂高町の「ごほうでん」という蕎麦民宿に一泊し、汗と雨でビショ濡れの悪臭の塊と化した体を、きれいにしてから帰京した。
 上ノ廊下は体力も経験も要る沢なのだろうが、一番必要なのは天候だ。今度は天気の良い時に再チャレンジということで。


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