9月24日(土):5時前に起床。快晴。ロープウェイが混むというので、早々にテントを撤収。6時20分には乗場に到着するが始発は8時半。8月、10月とも朝早くからあるロープウェイが(夏季は6時から、10月でも7時から)、9月だけ遅い。待ちながら各自朝食をとり、足湯にまで浸かってすっかりくつろいでしまった。
8時に出発。ロープウェイを途中で乗り継いで、一気に標高2100mまで上がる。ロープウェイってすばらしい。降りたところから西穂山荘までの道は、整備されていてたいへん歩きやすく、傾斜も少ない。1時間ちょっとで西穂山荘に到着。山荘から少し下ったところにテントを張る。なお、テント泊では水を安く購入できる。2リットル100円。
荷物を軽くして30分後くらいに出発。山頂をめざす。晴天に展望は申し分なく、せっせとカメラのシャッターを押した。(でも、いま写真を見ても山の名前がわからない。)道はせりあがるような急坂になり、照りつける日差しのなか何度も独標を見上げた。彼方に思えた独標に1時間程度で着くと、休憩をする人で賑わっていた。ここから先は岩場になって、手も使って登る。足の置き場に迷いながら、スピードダウン。ガイドブックには13のピークとあったので、体力がもつか気がかりになる。そんなとき、前野さん、石川さんが引き返すと宣言。2人を見送って山頂めざして歩き出した。
さらにいくらも歩かないうちに、田原さんが腹痛を訴えて、ストップ。待つよりは下山、ということで、田原さんは前野さん、石川さんに合流。そして4人で歩き出してまもなく、今度は野口さんの足がつり、戻るというので3人に。果たして無事山頂にたどり着けるのだろうか。安直な気持ちで参加してしまったことが急に不安になる。
残ったのは小堀さん、西尾さん、私の3人。必ず山頂に行かなければ。使命感に燃える西尾さんの歩みが速すぎてついてゆけない。ピッチがあがって独標から1時間ちょっとで山頂に着いた。
記念撮影をして、休憩。時折ガスが晴れて、周囲の山々が見渡せた。反対側の瓦礫の山がジャンダルム。と、向こうから人の声がする。ガスの中に見え隠れしていた人影は次第にはっきりして、ヘルメットをかぶった別所さんが現れた。再会を喜び、また記念撮影をし、今度は4人で下山開始。振り返ると、登山道の脇は赤く色づいている。斜面一帯が、紅葉する日も近いだろう。足元に注意しながらついてゆくのに必死なので、写真撮影は我慢。荷物が軽くて助かった。途中、岳沢ヒュッテの赤い屋根が見える。次回はあそこを通って前穂、と目標を決めた。
2時間ちょっとで山荘下のテントに到着。脇には、脱落したはずの人々が宴会をしていた。具合はすっかり良くなったらしい。身なりをといて宴席に加わった。
9月25日(日):早朝、5時前に焼岳をめざす別所さんを見送り、6時半に出発。下る一方の道だが、木の根が邪魔して歩きにくい。森は八ヶ岳を思わせる、針葉樹の明るい樹林帯。日差しのおかげで森の匂い満喫。雪のときに登ったら楽しいかも。
2時間弱で、登山ポストのある門をくぐり車道に出た。見慣れた上高地の景色のなか、川沿いにバスターミナルまで歩く。バスの本数は多く、わずかな待ち時間で乗車。平湯で乗り継ぐためにいったん下車して、次の新穂高に向かうバスの時間まで、お土産を見ながらぶらぶらした。ここのタクシーは、上高地行きで、新穂高には行ってくれないとのこと。
新穂高へバスで行き、今度は車で平湯温泉に戻って入浴。温泉は露天風呂がいくつもあってかなり広い。汗を流してそばを食べ、13時過ぎ、帰京。たいした渋滞もなく、17時ごろ八王子に着いた。
参加されたみなさん、たいへんお世話になりました。ラクをしてしまいましたが、 "穂高"登頂という響きをかみしめつつ、満足感にひたっています。
