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二子山中央稜
坪松 聖幸

山行日 2005年11月13日
メンバー (L)荻原、小幡、坪松

 前日の22時30分に飯能駅集合であり、現地に向かう。今回の山行は、自分にとって初めての本格的なロングルートで、越沢バットレスでの練習の成果が出せれば良いと思う。集合時間より早く駅に着いたので、駐車場に車を停めて駅前周辺をぶらぶらしていると、飲み屋のお兄さんに「1時間5千円でどうですか?」と笑顔で声をかけられるが、待ち合わせをしていると言って丁重にお断りをする。その後、荻原さん、小幡さんと合流しコンビニで簡単な買物をしてから出発する。途中、武甲の湯駐車場に停車し仮眠を取るが、夏用のシュラフしかもってこなかったので、あまり眠れなかった・・・。寒い!
 翌日朝6時に起床して食事を取り、出発の準備を整えていると、車の窓が霜で凍り付いていた。どおりで寒いわけだと一人で納得する。国道299号線を快調に飛ばし、林道を抜けていくと駐車場に何台かの車が停まっており、自分達も車を停めて登るための準備を整える。サブザックに水筒、行動食、防寒着、雨衣を詰め、ハーネス、ヘルメットを身に着ける。ザックを背負って登るのは初めてなのでいささか緊張する。ローソク岩の方から行くと岩壁が見渡せるそうなのでそちらから取り付きに向かう。途中でキジを撃ち、準備はオッケーだ。(登っている最中に、もよおしたら大変だ。)
 ローソク岩より50mくらい右に行くと広場のような所があり、そこが中央稜の取り付きのようである。上の方を見てもまだ誰も取り付いておらず、どうやら自分達の組が本日の一番乗りのようだ。トップが荻原さん、2番手に坪松、3番手に小幡さんの順番で1P目を登り始める。ベテランのお二人の登り方を拝見させてもらっていていつも思うのだが、二人ともルートをよく見ながら登っているなと感じる。難なく荻原さんが登りきり、忠実に荻原さんが登ったルートをたどる。岩もごつごつしてつかみ易く、あまり緊張せずに登ることが出来た。これも練習の成果だろうか。2P目は、右の方にぺツルのボルトが打ってあったが、左のルートを登っていった。ビレイをしていると、小幡さんが寒そうに震えており、気の毒に思えてきた。確かに風は吹いてないけど日陰に入ると寒い。自分が登る番になるとここもガバが多く、自分の得意分野だったのでがんがん登り、次第に体も暖まってくる。3P目が核心であり、トップを行く荻原さんもクラックの所で苦戦している様子だ。自分も核心の所では、ヌンチャクをつかみ、A0で登ってしまった。レイバックをそこで使うらしいが、技術の無い自分は、これで精一杯だった。
 3P終了後、横断バンドで休憩を取る。ジャムとかマーガリンをつけないでいつもの食パンを食べるが、山で食べるモノは、何だってうまいもんだ。下を見てみると1パーティが登ってきているのが見えた。
 軽い食事終了後に4P目にとりかかる。下に落石を落とさないように注意しながらビレイをする。トップに確保をしてもらい登り始めるが、岩がぐらぐらしている所があり、緊張する。1P、2Pより岩がもろい気がする。5P目も難しくはないが岩がしっかりしてない。いよいよ最後の6P目に自分がトップで登らせてもらうことになる。最初に少し右に移動し、ゆっくり慎重に登る。ロープがなんとなく重たく感じるが、落ち着いて登ることができてホットする。セルフビレイを取って後続を確保する準備を整えるが、ここで大失敗。ロープアップをするのを忘れており、あわてて、ロープを上げてセットしなおす。ここで大分時間を消費してしまった・・・。長い時間お二人を待たせてしまい大変申し訳ありませんでした。6P終了後、稜線に出て登攀を終了し西岳山頂に向かう。この登った後の充実感が何とも言えない。西岳では他のハイカーの人達がお弁当を広げ、のどかに奥秩父の山の景色を楽しんでおり、自分もその余韻にひたる。短い休憩の後、登山道を下って股峠に向かう。股峠から駐車場までは約5分であり、あっという間に着いてしまう。今回は、中央稜のみを登ったが、祠エリアにはフリーのルートが多数あって、そちらも機会があったらチャレンジしてみたい。もっと練習しようと思い駐車場を後にし、帰途についた。

〈コースタイム〉
駐車場(8:32) → ローソク岩(8:45) → 中央稜取付(9:05) → 西岳山頂(12:45) → 駐車場(14:05)


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