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曲沢遡行、大谷ヶ丸西尾根下降
天城 敞彦

山行日 2005年10月22日~23日
メンバー (L)鈴木(章)、川崎、三澤、峯川、天城

 9:00甲斐大和駅集合だが、みんな8:36着の電車に乗っていたため早めの集合となる。駅からは歩きの予定だったが、10,11月の紅葉シーズンの土、日は臨時のバスが出るという。ほかに乗客もなく私たちの準備が整うまで待ってくれるし、林道の入り口で降ろしてくれるしと大変親切だった。
 林道歩き30分程で駐車場のある入渓点。二俣になっていて左の沢を渡ると「→曲沢峠」という道標があり何の疑いもなく右の沢に沿ってついている踏み跡をたどる。しかしいつまでたっても堰堤が続き遡行図にある「美しいナメ滝」は現れないし道も沢から離れない。ここで峯川君のGPSが威力を発揮し沢を間違えていることが判明して、出発点に戻る。
ナメ滝  改めて左の沢へ。今度はすぐにナメ滝も現れた。水量も少なく穏やかな沢歩きだ。キノコもぼちぼち。三澤さんが「チャナメツムタケ」だという。そんな気もするが私が知っているそれより色が薄い。もしかしたら「キナメツムタケ」かもしれない。まあどっちも上等な食茸だ。そのほかナラタケとクリタケが少々。クリタケについてどうやら私が思っているものと章子さんと三澤さんが思っているのもが違っているようだ。2対1で少数派になると自信が揺らいでくる。
 当初の予定では大谷ヶ丸の北峰を越えたところにテントを張る予定だったが、源頭近くの上部の二俣をすぎた辺りの左岸に幕営。ここなら水も取れるし薪もたくさんありなかなか快適だ。章子さんが大根とおろし金をもってきていて、キノコのおろし和えを作る。さっぱりしていて美味しい。
美味キノコクリーム煮  続けてキノコ汁とクリーム煮を作る。このクリーム煮は昨年茂来山で偶然にできたものなのだが好評だったので今回は始めからメニューに入れてあった。みんなが「美味しい」と言って食べてくれる。料理人としては嬉しい限り。

10月23日(日)
 昨日は時々雨も降ったしあまりいい天気ではなかったが、今日は抜けるような青空。右岸の小尾根をめざしていきなり泥付きの急登から始まり、峯川君がトップで登っていく。4か月前に大けがをしたというのが嘘のように力強い。尾根に出るといくらか傾斜も緩まり、藪といっても漕ぐほどのこともなく、1時間ほどで大谷ヶ丸北峰に到着。ここには赤布が付いていた。縦走路が通る南峰へは20分くらい。一昨年の4月に福間リーダーのもとで縦走したときにも立った穏やかで落ち着いた山頂で展望も良い。
大谷ヶ丸南峰にて  帰路は北峰まで戻り、先ほど登った小尾根のもう1本北の顕著な尾根を下る。結構な傾斜なところもあるが藪は薄く快適。ヌメリスギタケが大発生している樹が何本もあり、大喜びで収穫。三澤さんは去年よりかなりキノコに詳しくなっている。何事もまじめに学習する人なのだと感心する。幾つかピークを越えていくとやがてかつての林業作業に使ったと思われるワイヤー等の残骸があり、そこからはしっかりした踏み跡が付いている。鉄塔の脇を通り最後の急坂を転がるようにして下ると目指す温泉の前に出た。今日の収穫はヌメリスギタケ(多量)とクリタケ、ムキタケ、ムラサキシメジ(少々)。
 田野鉱泉は、かつて(30年くらい昔)は何軒かの旅館があり、泊まったこともある懐かしいところなのだが、今は旅館は廃業となり大和村[11月から甲州市]の福祉施設が1軒だけ日帰り温泉として開いている。気持ちのいい風呂にゆっくり浸かって、近くの手打ち蕎麦屋で打上げをして帰路へ。
 今回の山は紅葉にこそ少し早かったが、登りは静かな沢、下りは未知の藪尾根、しかもキノコ付きと盛りだくさんの充実したものだった。計画してくださった鈴木章子さんありがとうございました。

〈コースタイム〉
10月22日甲斐大和駅(8:50) (バス)→ 曲沢林道入口(9:05) → 入渓(9:40) → 沢を間違えて入渓点へ(11:50) → 上部二俣(幕)(14:50)
10月23日発(7:35) → 北峰(8:45) → 南峰往復(9:40) → 1342mピーク(11:20) → 鉄塔(13:50) → 田野鉱泉(14:20)

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