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雪上訓練・谷川岳
平林 学
山行日2006年1月28日~29日
メンバー(L)高橋(俊)、高木(敦)、平、斉藤(篤)、三澤、小堀、金子、紺野、土肥、山崎、小幡、深谷、鈴木(章)、平林

 それにしても今年の冬は寒い。上越地方は大雪に見舞われているようだ。水上も平年の3倍の積雪量とのこと。谷川岳へは何回も訪れたが、1月に行くのは初めてだ。まして雪山泊が初めてなので、不安と緊張ぎみ。しかし沼田までは快晴。月夜野から先の雪による通行止めも解除されて、スキーの渋滞も何とかおさまるかと思いきや、高木さんの車が故障して、沼田のICでおりることになってしまった。幸いICのすぐ前にトヨタの販売店があり、そこに車を預け、先に現地に着いた小堀さんを呼び戻すことになった。再び分乗して、再出発。しかし案の定水上のICをおりたとたん、白魔の襲来だ。冬型のため薄日がさして、雪がじゃかじゃか降っている。土合の駅も3メートル位の雪の壁ができていてとても駐車できそうにない。白毛門の入口も雪の壁でふさがれている。と前を見ると先に行ったはずのリーダーの車をみんなが押しているではないか。除雪が間に合わないらしく坂道を登っていかないようだ。10人近くで押そうが、引こうが、すべって車が登っていかない。仕方がないので、その場でチェーンを巻くことに。やっとロープウェイの駅に着いたが大雪でロープウェイは運休。そんなこんなでもう1時を過ぎている。これでは訓練どころではない。指導センターの裏の斜面に幕営することになり、みんなで荷上げだ。途中、鈴木さんが転倒して手をケガしてしまい、土肥さんと三澤さんが、病院へ運ぶことに。幸い軽い骨折で大事には至らなかったとのこと。
 整地してドームテントを3張設営した。それにしても雪がじゃんじゃん降っていて、10分前に荷上げで作ったトレースがもう埋まってしまっている。冬山ビギナーの私は、見るものすべてが珍しいが、先輩方は実に手際よく幕営の準備をしている。大きなビニールに大量の雪を詰め、MSRに点火して、夕餉のしたくをしている。初めて知ったこと、その(1)外張りのペグはピッケルを雪面に打ち込む。(翌朝、スコップで掘り出すのが面倒だった。) その(2)靴をテントの中に入れる。(寒さで凍りつくのを防ぐ。) その(3)スコップは何かにつけて非常に便利である。暖かい食事を頂き、酒も入り、眠くなってしまったので早めにシュラフにもぐり込んだ。

第2日
 翌日は、昨日とうって変わって快晴でオーバーズボンでは暑いくらいだ。西黒の入口付近では雪が多すぎて訓練にならないので、ロープウェイの下の斜面へ移動して、ようやく訓練開始。ビギナーの私は、歩行訓練から始め、滑落停止、耐風姿勢、埋没体験などをマンツーマンで指導してもらった。その中でアイゼンの幅が少し大きいと指摘を受け、それは非常に危険だということがわかった。最後になだれビーコンの取扱方法を教わり、実際に探索を行ったが、なかなかビーコンの発信する電波に乗れず、発見まで相当時間がかかってしまい、捜索の難しさを実感した。弱層テストでも、簡単に弱層がはがれるので雪崩の恐ろしさが実感できた。

弱層テスト&埋没体験ツェルトを使用した搬送訓練

 今回は大変な大雪の中での訓練で、初心者の私は大変勉強になり、リーダーをはじめ諸先輩の方々には大変お世話になりました。今後の山行の糧になると思います。


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