トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ320号目次

南八ヶ岳縦走(地蔵尾根~横岳~硫黄岳)
天内 基樹

山行日 2006年1月14日~15日
メンバー (L)小幡、天内

 2月25日夜 小幡さんから電話。
明日あいてますか? ええ、まあ・・・。
(明日山を予定していたのが、メンバーがいなくなったのかな?)
すると突然、原稿書いてくれない? えっ!!あいているといっても山へ行かないというだけで、それなりに用あるんですけど。
いやぁ、原稿3本あって1本は書いたんだけど、もう2本は大変だから1本書いてくれないかなぁ、八ヶ岳。
うーん、まあしかたないですけど・・・、もう少し早く言ってくださいよ。締め切りまで後3日じゃないですか。
というわけで、準備なしで突然指名されたピンチヒッターの心境です。幸か不幸か今日(26日)は1日雨。もうほとんど忘れ、思い出し思い出ししながら書いているので、勘違いあるかも。

 小幡さんは仕事の都合でAM9時の特急で行くというので、私は早朝の鈍行で行き、茅野で落ち合う。
 12:25(だったと思う)のバスで美濃戸へ。
 歩き始めると、雨。次第に激しくなる。
 美濃戸山荘で休憩。どこにいっても見かける元気なおばさん主体の中高年グループがここにもいてにぎやか。山荘の人が野沢菜を出してくれる。昔と同じだ。
 私にとって八ヶ岳は20何年ぶりだ。
 雨のなか(雪に変わっていたかな)赤岳鉱泉着。数張のテント。小屋の前にはアイスキャンディがあり何人か練習している。
 幕営料1人1,000円。
 小屋のトイレとてもりっぱ。それができてから高くなったとか。

 15日 心配していた天気は回復。
 6時出発。
 コースは地蔵尾根~横岳~硫黄岳~赤岳鉱泉。
 行者小屋まではしっかりしたトレールがあったが、地蔵尾根に入ると、か細くなった。
 小屋のわきにテントが2,3張張られていた。
 小屋は閉鎖されシンとしている。
 遠く槍穂高の山々がはっきり見える。上空には満月のような月。

地蔵尾根から見た槍穂高地蔵尾根から阿弥陀岳

 稜線近くで3人の先行パーティ。トレールは彼らがつけたものらしい。
 稜線に出る。3人組は赤岳をめざしている。
 横岳方面にはトレールない。
 積雪は多い所で膝少し上くらいか。鎖はどうにか露出。
 小幡さんによると、いつもより多いとか。
 天候は穏やか。来る前、大変だよ、きびしいよと言われてきたので、一安心。
 おかげで思ったより順調に、問題なく横岳まで縦走できた。
 横岳山頂からの展望は、正月の甲斐駒からの展望に勝るとも劣らないくらいはるか遠くまで山々が見えた。

横岳からの富士山横岳直下のトラバース

 昨日の雨で空気がクリアになったからだろう。
 横岳に着いて一安心したが、ここからが長かった。横岳直下、巻く所は短いけれどけっこう雪深く、上からも崩れ落ちてきそうで、少しいやらしかった。
 やっとたどり着いた広々とした硫黄岳にも誰もいなかった。横岳にいた時何人か見えたが。早々に下る。
硫黄岳山頂から  ところで、2.11赤岩の頭付近で雪崩が発生し死傷者が出たが、そういえばあの時も硫黄岳からの下り、稜線から左側に入った時、積雪が多かった。
 鉱泉まではとても長く感じた。
 小幡さんより大分遅れて鉱泉着。
 14時台のバスに間に合いそうというので、すぐ撤収開始。
 その間、鉱泉からも、えっ、こんなにいたのというくらい多数の下山者。アイスクライミングの講習会だろうか。山にはほとんど人の気配なかった。
 どんどん下り、美濃戸発14:46のバスに間に合うことができた。次はたしか16時台だったので良かった。
 バスの乗客は私達2人の他は、途中から乗りそして途中で降りたおばあさん1人だけ、広い車内2人の貸切状態。窓から山々がとてもよく見えた。

 茅野駅に着くとわずかの時間で特急が出ているが、2人とも乗らず、1時間近く待って鈍行で帰る。その間、駅にぞくぞくと登山者が入ってきて驚く。皆さんタクシーだったのだろう。

 私にとって20何年ぶりかの八ヶ岳は、入山日こそ雨だったものの、2日目は穏やかな天候と、正月の甲斐駒にも勝るとも劣らないクリアな展望に恵まれ、とても良かった。
 山々に感謝。

〈コースタイム〉
14日茅野駅(12:25頃) バス 美濃戸口(13:15) → 赤岳鉱泉(16:05)
15日赤岳鉱泉(6:00) → 稜線(8:20) → 横岳(10:30) → 硫黄岳(11:30) → 赤岳鉱泉(12:30~13:10) → 美濃口(14:35~14:46) バス 茅野駅

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ320号目次