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会津駒ヶ岳
田中 恵美子

山行日 2006年3月11日~12日
メンバー (L)三澤、田中 3月11日 + 高木、深谷 3月12日

 最初の予定では南会津の三つ岩岳・窓明山だったが今年は雪が多く雪崩も多発していて、そこも危なそうなので取りやめとなった。そこでわりと一般的で安全な会津駒ケ岳に急遽変更となった。私は山スキーでも2回行ったことがあるし、秋のハイキングでも行ったことがあるので気が楽だった。ところが申し込みをしていた人のうち一人が行けなくなり、さらに日曜のみ参加の人が多くなり1日目はリーダーと二人だけになってしまった。それでも良いのだが、山スキーの場合は転倒したらすぐに怪我に結びつくので、ある程度の人数がいないと不安である。まあ、登る人も多い山なのでなんとかなるだろうと参加した。10日の夜に東京を出発し途中のサービスエリアでクロカンスキーの小堀チームと合流する。新人二人を含む小堀チームも同じ「まるみ山荘」で一緒なのでにぎやかで楽しかった。

 11日朝7時40分に「まるみ山荘」を出て檜枝岐の登山口近くの除雪してある駐車場に着く。隣の車もテレマークの人で単独者である。ほとんど同時くらいに出発した。8時45分登山口発。ここからは除雪されていないのですぐにシールを着けて林道を少し行ってから近道の樹林帯を登って行く。9時20分に階段の所に到着。そこからの尾根は雪のないところもありスキーをザックに付け急登を登る。一段落するとシールで登りやすくなりお天気も最高でのんびりと登っていく。
 10時20分にアンテナの所に着く。ここでまた別の方から登ってきたグループに会う。しばらくは同じようなペースで一緒に進んで行く。先はまた少し急登になった。ここら辺までは順調だったのだが、森林限界にだいぶ近づいてきたなと思う頃から足の調子が悪くなってきた。じつは今回ブーツの中敷を忘れてしまい三澤さんの長靴の中敷を譲ってもらった。いつものより厚みがあるのでだんだんと靴擦れはできるし、足がむくんできてきつくなり、あげくには靴下を脱いで登ることになった。何回も靴を脱いでテープを張ったりしたのでかなり時間がかかってしまった。やっと山頂が見えてきて、ずっとトラバースして登って行くのだが山頂まであと少しという所で今度はどうにも猛烈に眠くなってきてしまった。体力不足もあるが昨夜の睡眠不足のせいもあるのだろう。「5分だけ寝かせて」と雪の上にザックを置いて引っくり返る。2~3分間目をつむったらスッキリしたので大福を食べて残りを頑張る。
 13時45分山頂に到着。天気が良くて周りの山がぐるりと見渡せる。他の2グループもまだ山頂で休んでいた。計画では会津駒ヶ岳から大戸沢岳を回りそこから滑って国道へでて1時間くらい歩いて駐車場まで戻ってくる予定だった。リーダーが「時間切れだな」と言って登って来た所を降りることになった。私は残念ではあるが、気分的にはホッとしていた。地図読みをしながら滑って降りてさらに国道を1時間歩いて駐車場に戻るのは今の足の状況ではかなりキツイ。せっかく面白そうなコースを計画し、天気にも恵まれたのにリーダーにはたいへん申し訳なかった。靴もだいぶ古いので最近は靴擦れが毎回できることだし「よーし、新しい靴を買うぞ!!」と山頂で決意をする。
山頂にてリーダー  14時に下山開始。山頂からはまずはトラバースの斜滑降で滑る。あまり滑りやすいとはいえないが一気に森林限界まで行く。ここからは雪質が悪くなり突っかかるような状況で樹林が出てきてターンがやりにくい。1回ごとに「よいしょ」「よいしょ」と自分に掛け声をかけて下っていく。時々ちょっと休むがほとんど順調に滑っていった。テレマークの人も同じようなペースで下っていてたまに姿をみかけた。中間あたりからは少し滑りやすい雪質になってくる。アンテナの少し上で大きなザックを背負った5~6人位のグループに出会う。こちらは下りなので気楽に滑っていくがあちらは一番きつい所だ。気のせいかうらやましそうな視線を感じる。アンテナの所で小休止をしてからまた樹林帯を下る。林道に出たのでのんびりそちらを下ろうとしばらく行ったら雪崩のあとがあり道がふさがれていた。やめてまた樹林帯へ戻り滑って行く。
 15時15分登山口に到着。ゆっくりと降りたがスキーでの下りは順調であれば機動力があり早いなぁーと感じる。今日は天気が良いのでまだまだ日は高い。駐車場では他の2グループも靴を履き替えていたりしてほとんど同じくらいの行程だったようだ。
 「燧の湯」で一汗流して今夜の食事の買出しにスーパーに寄る。「まるみ山荘」に戻ったら小堀チームも帰っていてお互いに今日の成果を披露し合う。さらに20時近くに日曜日参加組が到着して一段と盛り上がった。

 12日はブナ沢山にクロカンスキー組も一緒にみんなで雪崩の跡を見に行こうと決まった。先週ブナ沢山へ登ろうと行ったが堰堤の雪崩の跡を越えられずに撤退した。山スキー組は条件が良ければもう少し上まで登りたいと話す。
 9時40分に駐車した場所より出発。今日は7人なので隊列が長くなる。わりと平らな道なのでみんな思い思いにマイペースで雪の林道を進んでいく。40分くらい登ると橋があり渡って急な斜面を沢沿いに少し登る。堰堤の周りの斜面が先週見たときよりももっと雪崩の跡が広がり、そこを越えて先に進む気にはとてもはなれない状況だった。雪もちらちら降ってきており戻ろうとなった。あとは林道を一気に直滑降で滑っていった。
 そのあとはまた「燧の湯」へ行く。のんびりとお風呂に入り露天風呂で大きなボタン雪の雪見を楽しんだ。最近は山スキー・温泉・蕎麦がおきまりのコースなので檜枝岐の蕎麦屋へいく。今回は打ち立ての蕎麦だったようで以前に食べたときよりずっと美味しく、満足して山行を終えた。


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