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山スキー・鳥海山
小山 重彦

山行日 2006年5月26日~28日
メンバー (L)佐藤、山沢、飯塚、箭内、成田、別所、小山

 昔から、道の奥と呼ばれてきた東北、日本の奥地と称された地域に入るのは、明さんの田沢湖乳頭源泉巡り以来3年ぶりである。田植えしたばかりの田園風景の向こうに裾野を大きく広げ白く輝く出羽富士鳥海山の美しさに驚き、七高山ピークからの大斜面スキーの豪快さ、採りたての岩蛎に舌鼓みを打ち、三崎公園キャンプ場では象潟の夕日に魅了されながら魚介類バーべキューの食い倒れ、日本国山での山菜取り、出羽街道小俣宿のちまきの美味さなどの魅力を堪能した旅であった。これもすばらしい仲間のお陰であると感謝する。

三崎公園の看板です

5/26(金) 吹浦口→山スキー鍋森の北西1640mピーク→鳥海温泉あぽん西浜→象潟三崎公園

象潟町 秋田県南端
 私はZougataと読んだが、飯塚さんはKisakataと呼んでいた。以前は無数の島々が浮かぶ入り江(潟)であったが、地震で海の底が隆起して生まれたロマンの町である。

 奥の細道最北端の地であり、芭蕉の「象潟や雨に西施がねぶの花」(西施とは中国の絶世の美女、その悲しい人生を雨のねぶの花にみたのか)ねぶの花ではないが、ピンクの美しい花「たにうつぎ」がたくさん咲いていた。

5/27(土) 祓川登山口→七ツ釜非難小屋→鳥海山→祓川登山口→象潟三崎公園→温海温泉→鼠ヶ関

鳥海山(七高山2230m)山形県
 登山口の祓川の駐車場は既に20台程の車があり、準備している時に八戸から山沢さんのお友達グループも到着し、しばしの再開を祝う。箭内さん、山沢さんはのんびり散策するとのことで居残り、5人で出発する。竜ヶ原湿原は雪の下で黒く帯状のブッシュがところどころ見え、遠く頂上まで続く広大な斜面が見える。つぼ足、スキーの人が相前後して頂上を目指すが、スキーのほうが登る時も早いようだ。飯塚さんはシールを忘れてつぼ足で、別所さんはシールはあるがつぼ足で、私は3年ぶりのスキーで自信がなくつぼ足隊と行動する。きつい、暑い、板が重い、で早速バテ始める。七ツ釜避難小屋からは強風となり、背負っている板が煽られ何度もよろける。成田さんは軽やかに遥か先をスキーで登っている。やはりスキーが楽なのか・・・ずっと迷いながらつぼ足で登り続け、やっとこさ強風とガスの中を七高山ピークに這うように登り着く。雲が目の前を猛スピードで流れて行く。ガスで10m先も見えなくなることもあり、新山から七五三掛・鍋森ルートは中止となる。岩陰で20分程休む。下り斜面は広く方向が定めにくく、ガスの切れ目に展望が開けた瞬間を狙い一気に大斜面を豪快に滑降する。私だけは尻餅をつきながら休み休み皆のあとを追いかける。別所さんはイラクでスキーをしていたのか、この日のために買った靴と板であったが、ゆっくりとした滑りでうまい。七ツ釜避難小屋からの斜面に長いクレバスが数箇所あり、危うく突っ込むところであった。ガスっているのは山頂のみで、麓は快晴であった。祓川駐車場で居残り組と合流したが、山菜採りに精を出していたようだ。一気に南下して温海温泉で汗を流す。
 新潟県山北町にて、三角屋根の塩焚き小屋にて天然塩製法を見学する。あまい塩とのことであったが、やはりショッパイ。

鼠ヶ関泊り 山形県南端
 白河関、菊多関とともに奥羽の三関の一つであった。源義経が奥州に逃れる際この関所を通ったとのことである。この由緒あるところのマリンパークねずみがせきでテントを張る。芝生広場、人工海水浴場、トイレ・シャワー棟があり、よく整備されたレクレーション基地である。スキー疲れもあったが、鍋料理を腹いっぱい食べ、よく語らい、よくねむる。漁村の朝は早く、漁は休みであるが4時頃から住民が散歩し始め、さらに6時頃から地元中学生のごみ拾いが始まる。我々も塵一つ残さないよう清掃して早々に鼠が関を後にする。綺麗な町であった。

5/28(日) 堀切峠~日本国登山555m~出羽街道小俣宿~出羽三山湯殿山温泉~武兵エそば~山形自動車道西川I.C.

湯殿山温泉 大雨になる
 山形県の中心にある出羽三山の一つ湯殿山の西麓、湯殿山神社入り口にある温泉である。
 明さんの話では、湯殿山の御神体である岩山は立てひざで出産する女性の姿に見え、その岩山から湧き出る湯に入るので、子宝の湯と呼ばれているとのこと。
 私の足は軟弱なためスキー靴擦れで皮がむけたが、この温泉の効能は婦人病であり、靴擦れの効能はなく熱過ぎた湯であった。湯殿山神社詣でや月山スキー客で賑わう。

武兵エの板そば 山形県西川町
 箭内さんが話していた江戸っ子はそばを喉越しで楽しむ、なんて粋なものでありません。噛んでもぐもぐ、噛んでもぐもぐ、口の中に太いそばがいっぱいになりました。
 楽しい贅沢三昧な道の奥でした。

割り箸より太い板そばでした

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