トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ321号目次

鉄山西尾根
さとう あきら

山行日 2006年2月18日~19日
メンバー (L)佐藤、箭内、福間、田中(恵)、成田、菅原、山沢、土肥

 セレブ向けでちょっぴりおしゃれな、みのわスキー場。床の傾いた客室に湿ったふとんでおもてなしの安宿、横向温泉・中の湯旅館。今回は参加8名の大パーティだが、各人の志向はどうも後者にあるようだ。というのは、この温泉のぬるいお湯は開湯1000年とも云われる天下一品のぼけ防止の湯。薄暗い浴室でちろちろと流れ入る水音を耳に、一人ひっそりとくつろぐまったり感はかなりマニアックである。そしてその効能への淡い期待感も。
 2月18日、10時半。みのわスキー場のリフトのトップ発。厳冬期の激しい吹雪の中、視界は10m程度だが福間さんの正確なルート取りで30分程で箕輪山頂上着。
今日の箕輪山頂は風雪模様  吹きすさぶ風雪で休む事もままならず、シール装着のまま笹平に下る。悲しいかな、この鞍部も風の通り道で、休息を取れない。仕方なく急斜面にエッジを滑らせながらも鉄山への尾根にはい上がる。しかし天気予報とは違って好天の兆しは全く現われないため、残念ながら13時半敗退を決意する。その後箕輪山の山腹を巻いてスキー場に戻り、ゲレンデのすぐ南側の尾根を滑降するが、開けた雪質の良い斜面もあり、こちらはそこそこに楽しめた。
箕輪山直下のシュカブラ帯を下る  一方土肥さんは山沢コーチの下、ゲレンデ練習に勤しむ。あと数回の練習で山で滑れるようになりそうとの評価で、皆も楽しみだ。
 さあ次のお楽しみは温泉だ。まずは中の湯旅館宿泊者の特典である無料入浴券(600円相当)を握りしめ、同じ横向温泉にあるマウント磐梯へ。さすがにこちらはホテルだけあり、施設全体が明るく、清潔感が漂う。浴室は男女別浴が守られ、ばあさんの男湯への不意の侵入におびえることはない。洗い場には湯の出るカランが並び、シャンプーも置かれている。我らの今宵の宿とはだいぶ違うようだ。
 その後我らが自炊宿に戻り、銘酒と豪華牛鍋料理、さらには名湯温泉を堪能するも、じきにストーブの灯油は切れ、氷のように冷たい布団に潜り込んだ。
 翌2月19日、昨日と打って変わって今日は無風快晴だ。同じルートを9時半発し、昨日同様30分程で箕輪山頂上に到着する。周囲360度の大展望に加え、本日の第1パーティという事もありメンバーのモチベーションも高揚ぎみだ。頂上からは登山道をシールのまま下り、昨日とほとんど同じコース取りで鉄山避難小屋到着11時。小屋は清潔に使用されており、宿泊も快適そうに見受けられる。
稜線上に建つ鉄山避難小屋はよく目立つ  30分の大休息後シールを外し、いよいよ鉄山西尾根に滑り出す。プロペラの塔のわきを通過するとまたもや大シュカブラ帯でコース取りが難しい。しかも表面クラストで転倒者が続出する。磐梯山の右側の猫魔スキー場を正面に見据えて進み、12時過ぎに1500m標高点を通過すると快適な雪質に変わってきた。樹林はそう濃くないため、木々の間を縫って滑るのが楽しい。しかも全くのノートラックで、コースの独占感が心地よい。
 当初1192m点の尾根を滑るつもりでいたが、その1本北側の1303m点尾根が白く、つまり樹林が少なく快適そうに見えたため、こちらを下る。尾根は細いものの、潅木の間を快適に下り、1100m付近で予定の1192m点のある尾根に乗り直した。
1303m点尾根へ滑り込む  その後1030m付近の急斜面は細い杉の木の樹間が狭くちょっと難儀したが、この直ぐ下で仕事道を発見でき、それに従い930mの水平登山道へ。小休止後国道115号線の駐車スペースに到着13時半。優しい山沢さんに迎えに来てもらい、苦労なくみのわスキー場に帰還。再び横向温泉で汗を流し、帰途についた。

地図

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ321号目次