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那須茶臼岳
田中 恵美子

山行日 2006年9月9日~10日
メンバー (L)佐藤、西尾、田中(恵)

 「十五夜に合わせてナイトハイクを楽しみます」という文句に誘われて、ウサギなど出てきそうな月光のあたる山道を歩くイメージを思い描いて申し込んでみた。
 リーダーはもっと新人の若い人に参加してもらえると思い計画したようだが、残念ながらいつものメンバーのみだった。
 通常は前夜発が多いのだが、水道橋に土曜日のなんと朝9時集合。朝の集合もゆっくりだが夜までには時間がたっぷりとある。まずは那須茶臼岳に行く途中の殺生石を見学する。このころからは天気が悪くなりモヤが一面に湧いてきて視界が悪い。ここも昔は噴煙のガスをかなり噴出していたらしいが、今はほとんど見られなくなっている。それでも観光名所なので引っ切り無しに見物の人がくる。
 時間があるのでここの無料休憩所でお昼のソーメンを茹でて食べながら、新しいテントを張ってみて縫い目の補修をする。乾くまで男性2人はすぐ側の元湯鹿の湯温泉へ・・・。
 戻ってきて「モヤが濃くなると夜道の登山は難しいから出発しましょう。」ということでとりあえず那須茶臼岳のロープウェイの駐車場へ行くことにした。
 高度が上がっていくとモヤが薄くなり、晴れてきた。山の中腹に雲が付いていてその上は晴れていたようで、駐車場へ着いたら暑いくらいに太陽が照っていた。ゆっくりと支度をしたがあとはすることもないので、早いけどのんびり登ろうかと15時前には出発となった。ナイトハイクの予定だったがガスに巻かれてはたいへんとの気持ちになり、夜まで待てなかったのである。
 峠の茶屋跡を目指してゆっくりと登る。土曜日のせいか降りてくる人の多いこと・・・。途中で休憩時にGPSの使い方の講習をしてもらう。こういう道具は使っていないとすぐに忘れてしまい対応できなくなる。また、登りながら現在地の確認をするのも面白い。
 16時頃峠の茶屋跡に到着。以前来たときよりも風は穏やかだった。そこから茶臼岳山頂を往復する。
茶臼岳山頂の手前  16時40分山頂に到着。夕方になったので人の姿は見えない。この時間に山の上に居て行動している時は通常は不安になりつつある状況だが、今回は夜に歩くという目的があるのでほとんど心配がない。やはり気持ちの持ち方が大事なのがよくわかる。しかし、だんだん暗くなってきてガスがまた出てくると多少不安な気持ちになってくる。17時には元にもどり牛ヶ首を通り過ぎ日の出平に向かって行く。ちょっとスペースが在りそこでテントを設営。夜中はガスも晴れて月の光も明るく茶臼岳がはっきり見えた。これなら夜も歩けたかなと思う。
 翌日はのんびりで良かったが、みんな早く目が覚めてしまったので7時には出発。牛ヶ首まで戻り那須湯本方面へと下っていく。リーダーの次の目的地の「野湯 膳棚の湯」を目指す。
 かなり下ってまだかなぁーと思う頃に「飯盛温泉跡」との看板がでてくるが、とても入浴できそうな状況ではない。さらに下っていくと急なガケの下にたしかに温泉らしいものが見えてきた。登山道からそこまではザラザラしたかなりの急斜面で注意して降りていく。
「膳棚の湯」に入ってご満悦  開放的な眺めの良い場所でこんな所によく作ったなと感心してしまう。2人も入れば一杯で、深さも腰がやっと浸かるくらいの浅めでかなりぬるいお湯だった。しかし、のんびり温泉に浸かり山々を眺めているととても気分が良い。これも温泉の効用なのか?
 元の道にもどりスキー場の下に着いて荷物を置き、男性軍は車を回収しに向かう。時間がちょうど良くてうまくバスに乗れたとのことでかなり早く戻ってきた。
 それから締めくくりの温泉として北温泉に行くことになった。
 北温泉は以前、三本槍岳の下山のときに寄ったがあまりに人が多くて入らずに帰ってしまった。山奥にもかかわらず結構人気があり若い人達も車でやってくる。今回はまだ時間も早いせいかわりとすいていて、女性の内風呂が一時なんと貸し切り状態だったのである。日常の雑事を忘れてのんびりお湯に浸かる。こういう時間もいいねぇー。
 温泉は何箇所かあり、リーダーは温泉のはしごをして入れるところはみんな入ったようだった。こうして今回もナイトハイクならぬ温泉三昧ハイクといったいつものパターンになって帰途に就いたのであった。


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