トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ322号目次

奥多摩・納涼宴会山行
その2 鷹ノ巣谷
峯川 正行

山行日 2006年9月2日
メンバー (L)高木(敦)、金子、紺野、深谷、天城、平、道祖土、楢原、峯川

 昨年は自身の三ツ峠の事故によりほとんど沢には入れない状況でありました。事故の影響もあるのか、どこを登るのにも慎重になっていて、今年は泊まりの沢は控えていくことを決めていたのでした。
 そして奥多摩の宴会山行の一環として鷹ノ巣谷があがっていたので、初級の沢ということもあり参加させて頂くことに。沢登りの後の深谷さん企画の鳩ノ巣バンガローでの宴会も楽しみだったのです。
 前夜発でもえぎの湯にテント泊をして、早朝、見慣れた山道を通り日原に向かう。昨年足繁く通った日原であるが、やはり心地いい所である。集落入口の無料駐車場に車を置いて荘厳な稲村岩を眺めながら、巳ノ戸橋まで総勢9名でわいわいがやがや歩いていきます。巳ノ戸橋を渡り、鷹ノ巣山への稲村岩尾根への道を右に分けて林道沿いに進むとすぐに鷹ノ巣谷の入渓ポイントです。その先になにかごそごそ黒い物体が動いているので、動物がヌタ場で砂浴びでもしているのかと思ったのですが、なんとイノシシが後ろ足に怪我をして動けない状況で、この団体がきたものだから驚いて必死に逃げようとしていたのでした。この状況ではしばらくして死んでしまうのかなあと思い、非常につらい気持ちになってしまいました。あのつらそうな目が印象的でした。
 入渓するとすぐに小滝が連続してきます。水量は昨日の雨の影響が少し多いようです。今日は天気もいいので出来るだけシャワークライミングをするつもりだったので、嬉しい限りです。苔むした沢筋が非常に綺麗で気持ちが和みます。
苔がなんとも綺麗  特に危険な箇所もなく、皆さん思い思いに登っています。先日入会された楢原さんも果敢にシャワークライムをされていて、沢登りを楽しんでいます。さすがに人数が多いので4人と5人でグループを分けて遡行していくこととなりました。そのお陰でペースがあがったのかわかりませんが、入渓から1時間ほどで鷹ノ巣谷核心の20m大滝に到着です。ガイドにはザイル必須など記載がありますが、高度感はありますが、実際は右壁にホールドが豊富で全く必要はありません。私は写真を撮ったりしてのんびりします。真ん中付近のテラスにランニング用のピンがありました。大滝上の水ノ戸沢二俣で一本とりましたが、皆さんまだ消化不良といった感じで、まだまだ登りたいといっています。まだ時間も11時過ぎで順調で仕事道に逃げることなく稜線まで詰めることとなりました。
核心?20m大滝にて  水ノ戸沢は鷹ノ巣山を忠実に詰める沢ですが上部の藪漕ぎが大変らしいので、この先の二俣において金左小屋窪へ進みます。ガイドでは「小滝がつづいて問題なく登れる」と記載されていて、遡行意欲もそがれるのかなあと思っていました。しかし、思いの外その先の二俣からいい感じの滝が連続してきます。かなり楽しくシャワークライムが楽しめます。今日は水量が多いのかもしれませんがガイドとは全く違う様相でした。苔むした中を暫く進むと、倒木がはさまった滝があったのですが。ホールドの取り方で嫌らしい所があり、ザイルを出しました。暫く暗い様相の細くなっていく沢を登っていき、伏流状態になったかなあと思っているといよいよ源頭部で、時刻は13時でした。いい時間だったと思います。ここから稜線までの詰めがどんなものかと思っていましたが、枯れた笹藪の中にちゃんと踏み跡は付いていて、みなさん思い思いにのんびり登っていきます。1時間程で石尾根に飛び出しました。この稜線に飛び出す瞬間が好きなのです。
 暫く休んで稲村岩尾根下降のために、鷹ノ巣山山頂を目指します。暑さもあったのかもしれませんが、ここが一番きつかったです。今年の5月以来の登頂ですが、総勢9名の楽しい沢登りをこなしての登頂はまた格別で、皆さんと記念撮影をしてそそくさと稲村岩尾根の下降に入ります。このあとに鳩ノ巣バンガローで楽しい宴会が控えているので自然と下降ペースが速いです。16時過ぎには巳ノ戸橋につきましたが、例の可哀想なイノシシを見に行くことはできませんでした。イノシシさんごめんなさい。
 駐車場までは今日の充実した山行の余韻にひたりながら日原集落の人達と挨拶を交わしながらとぼとぼ歩いていったのでした。

鷹ノ巣山山頂にて

〈コースタイム〉
9月2日
日原駐車場(9:00) → 鷹ノ巣谷入渓点(9:20) → 20m大滝(10:45) → 水ノ戸沢二俣(11:00~10) → 源頭部・沢装備解除(13:00~10) → 石尾根縦走路(14:00~10) → 鷹ノ巣山山頂(14:30) → 稲村岩尾根下降 → 巳ノ戸橋(16:00) → 日原駐車場(16:40)


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ322号目次