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尾白川・黄蓮谷右俣
福間 孝子

山行日 2006年9月9日~11日
メンバー (L)小堀、安齋、中澤(道)、飯塚、竹内、福間

第1日
 竹宇駒ケ岳神社駐車場に車をデポし、もう1台で尾白川林道の日向山登山口に向かう。
 6:40 ゲートより林道を歩き出す。ガスがかかって景色がよく見えない。朝方小雨も降っていてなんだか滅入ってしまう。3日間こんな感じだったらいやだなと腰引け気味を知ってか知らずかリーダーは決然として歩いていく。林道は何箇所か崩壊している。林道のどんづまりより急な斜面を沢へと降りる。
 8:15 入渓地着。
 8:50 いよいよ出発。あいかわらずガスがかかりちょっと寒い。最初の滝を踏み跡どおりに右から捲く。と、N氏は足慣らしにか真ん中あたりを手と足のフリクションをきかせてよじ登ってきた。その後をこんなもんへっちゃらさといった顔でT君が続く。ドッボン、いきなりやっちゃいました。あ~そしてめがねは沢の中へと。そのときおもむろにN氏がとりだしたのは水中ゴーグル。なぜこんなところに、という疑問をよそに無事潜水作業の後、めがね回収に成功。この山行第二の事件となった。
 その後は快調にとばしていく。というか必死についていく感じ。さすがにアルプスと名のつく山の沢は大きい。滝はとても登れないので素直に捲き道を登っていく。途中に噴水滝というのが滝マークとして地図に載っているけれど、後で考えるとあれだったのかとわかるけれど、あの程度の滝がいくつもあったのであえて載せるほどでもないような気がする。それとも水量がすくないせいで今回は噴水になってなかったのかな。とにかくこのとき噴水滝が確認できなかったため本谷との二俣を間違える羽目になってしまった。
 11:30 二俣着。やっとお日様がでてきた。気持ちが明るくなるし沢の表情も明るくなる。大休憩の後気持ちよく右の本谷のほうへ入ってしまった。おっきなスラブの岩をのっこしたりしてしばらくいくが、高度とコンパスからみておかしいことに気づき引き返すことになった。
 13:15 二俣再度着。黄蓮谷へ入るとすぐにそれとわかるふみ跡がある。もう少し先まで見とけばよかったとは後の祭りだ。
 13:55 千丈ノ滝下。さすがにデカイ。見上げたそのむこうにもまだ続いているらしい。空から流れ出しているようだ。しばし感動。今日最後の登り右岸の道を行く。右に滝を見ながら急登に息があがってしまう。一旦滝の上にでて8mの滝を登ると今日のお宿のテン場です。
 14:30 幕場着。すぐに薪拾いをはじめる。それぞれ木にメットやシュリンゲを掛けた様子がなかなかいい。戦いの中のしばしの休息って感じがする。今夜は星も見えて気持ちのいい夜だ。A氏のテノールが沢にこだましていった。

第2日
 7:00 出発。すぐに坊主滝が現れる。なるほど、ツルリンとした二段の滝だ。右のガレ沢をあがり途中から左に捲き気味に行きザイルで3mほど降りる。次の滝は右端のクラックをあがるとすぐに二俣になる。
坊主ノ滝で、ハイ、ボーズ!  8:15 黄蓮谷左俣出合 左股は大きな岩の壁に水が流れているような滝だ。右股に入ると次から次に休む暇なく滝がでてくる。奥千丈ノ滝はどこからが始まりでどこが終わりなのか未だ以てわからない。とにかく行けども行けども滝というより岩壁が立ちふさがる。核心部といわれる逆くの字もいつの間にか通過してしまう。広いスラブの方が恐怖心がつのるようだ。途中のインゼルは現在地確認のいい目印になる。これがインゼルかなあと思ったそれがインゼルだ。右側から登る。
 14:10 2500m地点 岩をつたって水が流れている。ここで水を汲む。岩の上にテントが1張はれるスペース有り。高度感がものすごい。水がずっしりとこたえる。この先も何度かザイルをだしてもらいながら少しづつ高度をかせぐ。そのうちガレから少ししっかりしたふみ跡になりどんどんつめていくとお花畑がでてきた。稜線は近いぞ。
 17:30 稜線。駒ヶ岳山頂直下にでる。おもわず皆で固い握手をかわす。よくがんばりました。足はすでにパンパンです。頂上でT君が持ってきたビールで乾杯する。T君えらい!!
 山頂の岩陰になんとかテント2張を張る。その夜は寝るのがなんだか惜しくて、みんなで山頂から白州や甲府の明かりをずっとながめていました。テントから抜け出しビバークしたつわものもいたっけ。

第3日
 6:00 出発。なんとか今日も天気がよさそうだ。黒戸尾根を黙々と下る。途中でおこじょの子供が遊びにやってきた。しばらく一緒に遊んでから帰っていった。知らないおじさん達について行くなと言われていたに違いない。
 12:30 竹宇駒ケ岳神社着。いや~疲れた~。売店のおばちゃんが漬物やすいかをだしてくれた。おいしかった~。


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