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鶏冠谷左俣
高橋 俊介

山行日 2006年7月2日
メンバー (L)荻原、高木(敦)、高橋(俊)

 成田便が満席で取れず、関空経由での帰国となったため、台北-東京間が通常の倍以上時間を要してしまい、出発が土曜日21:00となってしまった。
 時間があれば、土曜日のうちに西沢渓谷の河原で焚き火でもしてからと話していたので、残念である。いつもどおり八王子に集合し、小生の格安「エブリーワゴン」で一路、西沢渓谷に向かう。時折、小雨がぱらつく程度であるので、明日の水量には影響はないだろうと思うが、帰ってからテント干すのが面倒くさいので、あまり濡らしたくはない。どこかにいい幕場ないかな、と雁坂トンネルを目指し北上していくと、西沢渓谷手前に道の駅があったため、覗いてみることにした。これが大当たり! 体育館のような屋根が幾十にも重なっており、またきれいなトイレも併設されている。すでに、何パーティーか幕を張っており、ここは常宿になりそうだ。
 翌日、薄曇ではあるがなんとか持ちそうである。すぐに準備を整え、5時には西沢渓谷駐車場を出発した。30分ほどで鶏冠谷出合手前につき、足回りを沢靴に履き替え、6時に入渓。本流と鶏冠谷出合に、1パーティーテントがあった。さらに30分ほど進むと、突然、単独の釣り師がすでに釣りをしていた。こんなところで?!と思ったが、すでに2、3匹釣れているようだ。
 早速、荻原リーダーが釣り師のもとに行くも、「先に行くとは非常識だ!」とかなんとか言っているらしい。「そんなこと言ったって、こんな人気の沢で、しかもあと30分もすればどんどん人が入ってきますよ。」 ということで、申し訳なしと言って先に行かせてもらう。特段、難しい箇所もなく、巻き道もはっきりしており、また上部のナメは秩父らしさが凝縮しており、初心者にもおすすめの沢である。「今回、初心者向けに設定したのに、なんでベテラン3人なんだろうねぇ。」「楽勝だね、こりゃ14:00には下りちゃうかな。」なんて話していたが、核心は下降だった。
 急登のぼろぼろの壁をつめると、藪漕ぎもほとんどなく鶏冠尾根に出た。最初、鶏冠尾根を登り戸渡尾根を下降しようとしていたが、若干、鶏冠尾根のほうが時間的に早いため、こちらを下降路にとった。一定間隔で赤テープがついており、また枝尾根が派生しているわけでもないので迷うことはないだろう。ところが、リッジ上の尾根が続いており、またUp-Downが予想以上にある。加えて、下降し始めてすぐに雨が降り始めた。本降りではなく、降ったりやんだりだが、思ったように進まない。第3岩峰に向け、巻き道とリッジラインに別れ、巻き道にラインを取った。すぐに合流するが、リッジラインは結構いやらしいと思われる。この先で、5mほどだが懸垂下降あり。支点はしっかりしている。この岩峰群を抜け、200mほど岩峰に沿って高度を下げるとようやく、傾斜も落ち、格段に歩きやすくなった。鶏冠谷との合流直前に、頭上の倒木からびっしりとヒラタケが群生しており、遠慮なく頂戴した。(これが、翌日、ぼくのお弁当のおかずになる。なんて贅沢!) へろへろで西沢本流の河原についたが、このころになると日が射してくる。きのこもあるし、流木も豊富だし、「泊まりてぇー、焚き火してー」と名残を惜しみつつ帰路についた。

〈コースタイム〉
西沢渓谷駐車場(5:00) → 鶏冠谷入渓(6:00) → 鶏冠尾根稜線(10:30) → 西沢出合(15:30) → 駐車場(16:00)


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