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広河原沢3ルンゼ
高橋 俊介

山行日 2007年1月6日~7日
メンバー (L)荻原、坪松、高橋(俊)

 新婚3ヶ月のホヤホヤであるため、さすがに、今年は正月合宿に参加できなったが、正月に入れなかった三峰YCC3人衆で3ルンゼに行くことにした。
 出発の金曜日夜、残業で追われていたため、荻原Lとつぼっちに先に行ってもらい車で追いかけることにしたが、帰社前に天気図を見たら、典型的な2つ玉の気圧配置になっており、本当に行くの?と思ったがそれでも行っちゃうYCCなのでありました。
 4時過ぎにいつもの仮眠場所「延命の湯」に到着し車中泊で仮眠。7時くらいに荻原Lに起こされたが、予想通り大雪になっており顔を見合わせたとたん「やめよう」との無言の相槌をうち二度寝を決め込んだ。9時半ごろ、ごそごそと起き出し、さぁ、今日は何をするかね?とダラダラしながらiモードしているとGoogleのリンクで赤岳鉱泉がヒット。すげー!とみんなで言っていると、アイスキャンディーくらいなら登れるんじゃないの?ということになり、早速電話で確認すると宿泊者のみ使用可ということなので小屋泊まりでいくことにした。天気図みれば悪くなるのは分かっているのだから、きっと空いているだろうとの大方の予想に反して、なんのなんのそこは八ヶ岳。美濃戸口に到着すると40台以上は駐車しているし、ちょうど到着したバスからもぞろぞろと人が降りてきて入山準備している。我々も早々に準備をし、12:00すぎに出発。北沢経由で行き途中、南沢大滝・小滝を偵察してから行くことにした。小生は昨日の晩飯を取っていないからか?加えて睡眠不足からかシャリばて気味でかなり遅れてしまった。
 夕方5時くらいに赤岳鉱泉着。小屋に入ってびっくり、最高に快適なのである。外は大雪だが、小屋は乾燥室付きでカチコチに固まったヤッケ・手袋はこれで乾くだろう。テレビ見たりだらだらと酒を飲み9時消灯。あまりに快適すぎて熟睡できなかった。かなしい。
 翌朝、5時半に起床すると、予想通り大雪が舞っておりまた風も出てきている。昨日のキムチ鍋の残りにうどんをぶち込み朝食を取ったが、小屋内があまりにも快適なため外に出る気がしない。しかし、ガイド山行らしい一行はこの吹雪の中一体どこに登りにいくの?というぐあいに次々にバイルを持って外に出て行く。昨晩で50cmは積もっているのでうかつに沢沿いにも入れないし、まったくどこに行ってるんだろう。しばらく様子をみたがますます悪くなってきたが、意を決してアイスキャンディーに向かった。トップロープをセットし俊介、荻原、坪松の順で登ったが1本登っただけリューシュも凍って手首から外せなくなってしまうくらいであり、「もういいよね。」との結論にいたり、YCCはYCCでも根性なしYCC@三峰なので、早々に帰路についた。


坪松 聖幸

 二つ玉の低気圧により、天候不良の為、予定を変更して赤岳鉱泉に作られている、アイスキャンディーを登ることになる。いつもの仮眠場所になる延命の湯駐車場にも雪が積もり、除雪する重機の音で目が覚めて、テントの外に出てみると雪が降り続いており、荻原さんが携帯で天気を確認されるが、良くなる気配も無く、10時ぐらいまで、再びシュラフに潜り込んで寝ておりました。二股まで行って酒でも飲むか、それとも湯に浸かるか。そんな感じでだらだら過ごすが、赤岳鉱泉に泊まるとアイスキャンディーが使用できると言うことで、テントを撤収して愛車ジムニーで、美濃戸まで向かう。途中、上の方では、除雪がされておらず、男3人とザック3つを乗せたジムニーは、苦しそうに坂を登っていく。(何台かの車に追い抜かれた。)駐車場に到着すると、何組かの登山者がおり、自分たちも早速ヤッケを着てスパッツを着けて準備をする。
 林道を歩き始め、雪を踏む感覚を楽しみながら、美濃戸山荘まで歩く。相変わらず雪が降り続いているが、そんなに寒さは、感じない。山荘で、ザックを降ろし、しばしの休憩。南沢の偵察の為、行者小屋経由の道を行くが、小屋までの道のりがとても遠く感じられ、ひどく疲れてしまった。このまま行者小屋に泊まりたくもなったが、アイスキャンディーを登るために赤岳鉱泉に向かう。
 途中、中山乗越を確認して赤岳鉱泉に到着。天場には、何張りかテントが張ってあったが、自分達は、小屋泊まりと決めていたので小屋で受付を済ませる。自分は、まだ一度も山小屋に泊まったことがなかったのだが、とても快適な所で暖かくて綺麗で実家の家よりも過ごしやすかったです。(こんなことを書くと家のお母さんに怒られるが、ほんとにウチの家は、寒い。でも飯は、とてもうまいです。)今夜の食事は、SHOP99で全て揃えてきたもので、キムチ鍋を作る。自炊場所だけは、何故だか隔離されていてとても寒かった。ニュースの天気予報では、爆弾低気圧の話をしており、明日は外出を控えましょうと言っていた。相当ひどい天候のようだ。しかし、小屋の中は暖かくて、そんなことを全然感じさせない。ふと思ったのだがいつも小屋泊まりだと、余りにも快適なことが当たり前になってしまって、自然の怖さを忘れてしまうのでは無いかと考えた。小屋泊まりが悪いことではないが、体力の続く限りは、テントや食料を担いで山を登りたいと思う。午後10時頃に布団入り、就寝。
 翌朝、午前6時に起き、食事を作る。外は、ずっと雪が降っていたようで、誰も何処かに向かう気配は、無い。我々も誰かがアイスキャンディーで練習をするのを待っていたが、仕方なしにという感じで、外に出て、アイスキャンディーに取り付いて練習する。しかし、ロープも凍り付き、風も少し出てきたので結局一人一回登っただけでやめてしまった。こういうときは、モチベーションが上がらない。再び小屋に戻り暖を取って美濃戸までくだり、延命の湯に入って山行終了となる。
 今回は、あいにくの天候となってしまったが、山小屋でのんびり過ごすことができてお大臣様の気分が味わえました。いつも贅沢ばかりしていると人間が腐ってしまうが、たまには、贅沢もいいと思いました。


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