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山スキー講習会・根子岳・湯ノ丸山
アルプス別所
山行日 2007年2月3日~4日
メンバー (L)三澤、小堀、飯塚、福間、田中(恵)、山崎、渡辺、金指、別所:先発組9名、齋藤(吉)、天城、鶴田:後発組(3日)3名

 今回の山スキー例会は、本格山スキーシーズンに入る前の足慣らしと、山スキーを始めたいという人を対象に組まれました。積雪量が例年より極端に少ない今年は、リーダーが講習会場の選定に苦慮され、最終的に菅平奥ダボススキー場~根子岳(2月2日)と湯ノ丸山(2月3日)に決定になりました。
 私としては、昨年5月の鳥海山打ち上げスキー山行と今年の始めの神楽ヶ峰スキー山行の次で、3回目の山スキー行きで、目的地の様子、スキー靴やビーコンの操作、買ったばかりのストックやゴーグルへの信頼性など、心の隅に不安を抱えてのエントリーである。
 10時25分 9名全員揃っていよいよリフトにのる段になって、シールをザックに入れた覚えがなかったことに気が付く、駐車場に戻り、探すが見つからない。リフト前で待っててくれた三澤、小堀両氏に無かったことを伝え、とりあえずリフトに乗った。リフトを降りたら、シールが出てきた。仲間のザックに混入していたのである。そのシールをつけて、いよいよ根子岳に向って出発の際、踵をフリーにせず歩き始め、リーダーから指摘を受ける。慣れてないのである。
 緩斜面を1時間ほど登って、休憩になった。振り返ると凄い景色があった。ドピーカンの青空に槍の穂先もクッキリ、大好きな北アルプスが白衣をまとい連なっていた。
根子岳への緩いが長い登り 北アルプスを縦走している中で見る迫力の雪稜群と大糸線から途切れ途切れに見る北アと違い、乗鞍から白馬北方稜線まで一度に全部、シネマスコープ(古い)の様に見えたのである。

根子岳山頂から北アルプス南部と菅平  麓から根子岳の肩へ、ツアーヘリコプター(1回8千円とのこと)が幾度も往復していて、その飛行音を聞きつつ、一汗も二汗も掻いて山頂に着く。山頂直下でクラストした斜面があり緊張する。山頂にはヘリから降りて登ってきた人や、我々と同じ様にシールやスノーシューで登ってくる人が後から後からやって来た。山頂から東南に目を移すと、真っ白な浅間山が手前の黒斑山の木々による黒い斜面を従え特異であった。また、北東には登っておきたい草津白根山がスキーゲレンデを何本も擁しているのが望まれた。
根子岳頂上にて  さて頂上で一段落してから、シールを外し、靴をスキーモードにセット(バックルをもう一段きつく締めなおし、ノブを下げる)して、ストックを10cmほど伸ばす等の準備をした後、記念写真を撮って下りに入る。(14:00時)
 今回は転ばないことに気を付け、そろそろと斜面を滑り行く。頂上直下以外は緩斜面のダウンヒルなので何とか転ばず、ちょっと楽しんでリフト場まで降りた。しかし途中新雪に入ってみると、スピードをコントーロールできず転んだので、主にコース上を選んで滑った。上手な人は、新雪の深雪をこなして滑降することが楽しいらしい。そうなるのはどの位練習が必要なのだろう? 約1時間かけて滑降は終了し、スキーを外したのが15時であった。
 今日は1日中天気が良かったからか、のどが渇いている、そこをぐっと我慢して、スキー装備を車に押し込み、買い物をして~休暇村鹿沢高原の温泉に入り~幕営地調査と移動して、湯ノ丸駐車場の一番奥に7,8人用テントを2張り設置した。(18:00時)
晩餐のメインの豪華鍋に箸が殺到する  さあ晩餐の開始である。9名による宴会は、言葉とつまみと諸酒が飛び交い、活気に満ちていた。後発組の到着が遅れるとの連絡により酒宴は長引き、22時頃の後発組参画で再盛し、午前様まで続いたのであった。テントの外は雪がチラついてきた、山スキー講習会の1日目は終了になりました。


金指 伸一

 昨日は、初めての山スキーだった。シールで登るのは初めてで、登ることが想像以上に楽だったのは驚きだった。靴、ビンディングもゲレンデ用とは異なり、踵が上がるせいか歩くことが楽しくも感じられた。しかし、頂上に着く頃には、シールでの慣れない登りのため、足がガクガクで、おまけに7年ぶりのスキーで、新雪の中を思うように滑ることができない。楽しいはずの下りも滑っては止まりの繰り返しで、途中からは新雪部分から外れ、圧雪バーンに逃げてスキー練習モードに入ってしまいました(スミマセン)。その夜は疲労困憊だったので、夕食後の宴会を途中で抜けて先に寝ることにした。夜中3時頃、風が強く、カサカサと音がするので目が覚めると雪だった。新雪に期待しつつ、悪天候になるのはいやだなと思いながら再び寝入る。
 朝目覚めると快晴で、昨日に続いて天気の良さに感謝。朝食は具たっぷりのうどん入りラーメンだが、味はよし。
 ゲレンデに移動し、山組とゲレンデ組に別れ、行動開始する。リフトを降り、シールを貼り、ビーコンチェックも終え、準備完了である。
 9:50出発。登り始めたところ、予想に反し、足の疲労感もなくなっていたので、ひと安心、今日も楽しめそうである。
 先に歩いていった若い女子2名のボーダーが、片足ブーツ、片足ボードという状態で新雪の中ではまっていた。この先にコースありますかと聞かれ、唖然としながら、この先は登山だよと答えると、驚いた様子で引き返していった。
 この後は、先行のパーティも少なく、順調なペースで登った。今日はシールでの登りにも慣れ始めたせいか、無駄な力をかけることもなく、登ることができた。進みながら、キックターンのやり方の指導もしていただき、やはり講習会とはありがたいものです。途中でトレースを外してラッセル訓練も行ったが、スキーのおかげか、雪が深くなかったせいなのか、辛さはなくホッとした。
湯ノ丸山頂上にて  11:00に休憩をとり、11:30に湯ノ丸山頂に到着した。山頂は風が強く、岩肌も出ていた。全員で記念撮影。ここからの景色は絶景で、紺碧の空に雪をかぶった北アルプスから富士山までのパノラマを堪能でき、ずっと見ていたくなる。立ち去るのは惜しいが、風と寒さで長居は厳しく、11:50頃下る。

湯ノ丸山からの北アルプス展望  下りは、まず北北東に進路をとってトラバース気味に進み、北東にある旧鹿沢のスキー場を目指す。そこで三澤さんが車で待機し、山組のドライバー2名を拾う手はずだ。アマチュア無線も用意し、連絡体制も万全だ。
 滑り出しは雪もサラサラで軽く、木もなく、快適に滑ることができた。そのうち、ブッシュや木が増え出し、雪が重くなりはじめた。しかし、そんなことは大した問題ではなかった。ゲレンデスキーしかしていなかった私にとっては、滑る先に木というより林があるということはあり得ないことだった。1メートルあるかないかの間隔の林の中を縫うように滑るメンバーの後をなんとかついて行く。木と木の間でバランスを崩し、深雪にはまって、スキーが数回はずれる。ザックと深雪のせいで、起き上がるのも大変である。しかし、騒がしい人工的なゲレンデとは違い、ルートを探しながら、静かな雪山の中を進むのは格別な愉しみだと感じた。そうこうするうちに斜面の滑りが終わり、林道に出る。ここからは緩い上り下りが続き、最後には車道のある場所に出る。
湯ノ丸山を下る  13:40下山完了。どうやら予定した合流地点ではないようである。予定地点はここから北へ1km弱の地点だ。無線で三澤さんを呼んでみると、応答があった。やはり予定の場所とは違うとのことだったが、こちらに向かうとの返事あり。こちらのドライバー2名は当初の合流点に向かって車道を歩きかけていたが、呼び戻して待機してもらい、三澤さんの車に拾ってもらう。この後、車2台に拾ってもらい、帰途につく。


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