トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ323号目次

雪上訓練・谷川岳天神平
さとう あきら
山行日2006年12月16日~17日
メンバー (L)佐藤、氏家、坪松、平、渡辺、内山、小山、三澤、深谷、野口(愛)、金指、紺野、竹内、斎藤(吉)、高木(敦)、山崎

いよいよ出発。モチベーションが高まる 化粧の載りもますます良好  12.15、午後10時、駒込、水道橋、国立駅にそれぞれ集合し深谷車、佐藤車、斉藤車にて出発。
 昨年とは大違いの少雪で終始乾燥路を走行し、天神平ロープウエイに12時過ぎ到着。その後定番となった駐車場ビル6Fのロビーに銀マットを敷く。周囲は他の登山者で既に一杯なのは例年通りで、小宴会はひっそりと、しかししっかりと行う。
 12.16、5時過ぎから周囲が騒がしくなり、結局5時半頃に各自が起き出し朝食を取る。動き始めたばかりの7時過ぎのゴンドラで天神平に上がると好天で、陽光がまぶしい。積雪は40cm位で、天神峠側のスキー場ゲレンデは未オープンである。田尻尾根をラッセルしながら詰め、無風快晴の稜線に大型テント3張を設営する。眼前の谷川岳も銀色に輝き、今日は登山日和・訓練日和だ。
天神平は無風快晴 マナイタグラをバックに  まずは紺野さん指導による雪上歩行の基礎コース。キックステップやアイゼン歩行で体を慣らす。そして樹林の中をひざ上の積雪のラッセル。
雪上搬送訓練にて  軽く汗をかいた後はピッケルを使った滑落停止を練習するが、雪が軟く何となく止まってしまうという状態で、調子は今ひとつ。
 そして訓練カリキュラムに沿ってロープワークへ。最初は腰がらみによる確保。ロープを強く握ると急激に制動がかかり自分も引き込まれるため、手の中でロープの経路をねじるように弱い制動で徐々に止める方法を全員で練習。ロープには触れるのも初めてという人もいたが、皆要領が良く、スムーズに習得出来た。ところが次のスタンディングアックスビレーは積雪量が少なく、ピッケルのシャフトを首まで突き刺す事が出来ない。それでも何とか短いピッケルを叩き込み、全員で形だけでも経験。こちらは復習が必要なようです。
1/3での引き上げのひとこま  次は三澤さん指導によるツエルトによる搬送訓練。セットアップは少し複雑だが、負傷者の負担が少ない長時間の雪上搬送方法として習得する必要がありそうだ。最後は固定ロープの支点の通過方法をおさらいして、4時頃にテント宴会に突入となった。
訓練は無事終了、宴会準備も完了だ  翌日17日、夜間の風や降雪もほとんどなく、快適な朝を迎えた。起床6時半。8時半にテントを撤収し、天神平ロープウエイ駅近くの雪原にてビーコン捜索訓練を行う。ビーコン近傍まではすぐにたどり着くのだが、やはり雪不足でゾンデの感触がよくわからず発見に時間がかかる。最後に建物わきの吹き溜まりで埋没訓練などを行い、11時終了。その後月夜野町の源泉かけ流し温泉である三峰の湯にのんびりつかり、帰京となった。
 皆さんお疲れ様でした。


氏家 政博

 この雪上訓練が三峰に入会して最初の例会山行です。入会する前は日帰り専門の私にとっては、初めて尽くしの山行となりました。
 12/15(金)仕事を終え、佐藤(明)車にて谷川岳に向かいました。
 今夜はロープウェイ乗り場ロビーにて宿泊との事で、数組のパーティが先に到着していて場所がなく、乗り場受付横を確保。ちょっとした酒盛りの後、シュラフ(新品)に包まって就寝・・しようと思ったのですが、前日徹夜明けで生活リズムが狂っていたせいか、それとも緊張のせいか、全く寝つけませんでした。真夜中にバーナーをたいてラーメンを作る人がいたのには驚きです。
 翌日、ロープウェイに乗って天神平に向かいました。積雪は少なく、晴れていて見通しが良い状態でした。初めての雪山に感激しながらリフト下を歩き出し、20分ぐらい経った時でしょうか、突然気分が悪くなってきました。あーこれは寝不足が祟ったな、と思い皆さんには先に進んで頂いて休憩をとりました。坪松さんに荷物を半分持って頂き、休憩後なんとか尾根に辿りついた頃にはテントの設営がほぼ終了していました。
 行動食をとり、アイゼンを装備。2パーティに分かれて雪上訓練が始まりました。キックステップによる移動、ロープ訓練は無難にこなしましたが、滑落停止がうまくできません。どうしても変な姿勢(斜め)になってしまうし、その為なかなか止まらない。山崎さんなどに停止姿勢を確認して頂き、何とか姿勢は良くなりました。何度も滑っているうちに雪が削れて草土が見えてきましたので、本当に積雪が少なかった様です。
 ラッセル訓練時にはかなり体調も回復していて、短い距離(荷物なし)ではありますが、先頭と2番目でラッセルを体験しました。もし重い荷物を持っていたらすごく大変だな、と感じました。
 本日分の訓練が終了し、日が出ているうちから宴会開始です。小山さん持参の焼酎(すごく高いらしい)が非常に美味しく、お湯割りでどんどん飲む。19時頃にはすっかり酔いどれ状態に・・。私も持参の日本酒を進呈し、楽しく過ごしました。テントの中は意外にも非常に暖かく、その夜は前日と異なりぐっすりと眠る事ができました。
 翌朝、高木さんに足の運び方を教わりながら尾根を下りた後、ビーコン操作・ゾンデ探索などを行いました。ゾンデ探索は雪が少ない為に土を突いてしまい、なかなか感触が掴めなくて苦労しました。
 その後、ロープウェイで下り、日帰り温泉に立ち寄ったのち帰京しました。温泉はリラックスできて良いです(次回の雪上訓練もぜひ温泉とセットでお願いしたいぐらいに)。
 初めての雪山で、途中気分悪くなったりして大変でしたが、雪景色と朝日はとても奇麗で、楽しみながら訓練できました。フォローして頂いた皆様、ありがとうございました。


渡辺 守

 入会して2度目の山行が今回の雪訓でした。私はこれまでは夏場の個人山行が中心でしたので、訓練に限らずテントでの過ごし方など全てが新鮮な内容でした。特に雪山について知識そのものが皆無に等しかったのでなおさらです。
 水はどうするのか?トイレは大変だろうなぁ?女性はとくに。大勢でテントの中で何時間酒盛りするのかなぁ?それからビーコンとは何ぞや?なんという感じで参加いたしました。
 1日目は特に天気に恵まれて快適に訓練できました。雪が少なくて、リーダーさん他の皆さまにはメニュー消化に御苦労いただきましたが、私には十分に濃い内容でした。
 アイゼンの使用経験はありましたがピッケルはしまったままの未使用でした。私では実際すべったらピッケルなど使えるわけがなく、持たずに慎重に歩くほうがベターと、持たないことを正当化していたので、今回使い方だけでも分かったことは大変な収穫です。それでも、滑ったらザックを素早く放すことやとにかく頭を山側にするなんて話を聞くと、ピッケル以前にあらためて滑落の危険を認識すべしと痛感した次第です。
 短い距離でしたがラッセルの苦労も体験。無風・空身でこの状態ですので、実際の大変さは容易に想像できます。この時は日々の鍛錬を誓ったのですが・・・
 水は雪を溶かすのだとは思っていましたが、ポリ袋で集めて保管するとは知りませんでした。私はポリ袋担当で有色という指定の意味が??でした。まあ青か黒色がどこでも売っていると思ったら、いまは無色透明か半透明がほとんどなのですね。当日調達だったこともあり、結局半透明しか買えませんでした。(反省)
 おトイレは見事なものが完成して感心!テントシューズでそのまま外にでるのはもっと感心しました。私は今回テントシューズ初購入で、結構あこがれのアイテムでしたので嬉しかったです。
 酒盛りは4時くらいから結局10時位までしていましたっけ?今回は開始時間が早かったと思いますが、トータル時間と量において三峰水準が分かりました。(甘いでしょうか?)
 2日目には、お陰さまでビーコンについてよく分かりました。それまでは穴でも掘る道具かな、なんてお恥ずかしながら思っていました。使い方はわかったのですが、実際に探すことは容易ではありませんでした。
 埋没体験では、本当にこんな事態になったらとても冷静にはなれないです。急に外に出したらいけないなんて、理由を聞けば納得するのですが、普通は想像つきません。事前学習、訓練は本当に大切だと痛感です。
 帰りは比較的早く、ゆっくり温泉にはいることができました。地元の人しかいかない趣のある温泉で、湯質も抜群。帰宅して夜寝るときもまだぽかぽかでした。


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ323号目次