トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ323号目次

集中山行・和名倉山
その1 市ノ沢
金子 隆雄

山行日 2006年10月14日~15日
メンバー (L)金子、成田、渡辺、野口(愛)

 14日朝に西武秩父駅に集合し車で目的地へと向う。近づくにつれ小雨模様となってきて今年の沢は雨に始まり雨で締めくくるのかとちょっと憂鬱気分。大洞林道分岐付近に和名倉沢パーティの車があったので予定通り入溪しているようだ。初めての沢なので出合いがどの辺かわからなかったが林道をだいぶ進んだところでダムが見えてきたのでここだろうと当りをつける。西武秩父駅から1時間強の道のりだった。
 モノレール沿いの急な道を下って大洞ダムを対岸に渡る。ダムから先の踏み跡は上の方にも続いているが、そちらへ進むと沢から離れてしまうので水平に進んで堰堤を越えて沢へ降り立つ。崩れ易い踏み跡で良くない。沢は直ぐに小規模なゴルジュとなり水量もそこそこあって良い感じなのだが、そこらじゅうにワイヤーが放置されていて雰囲気を台無しにしている。約1時間半で岩穴沢出合いに着く。対岸から滝をかけた支沢が入っているので判り易い。この先は滝が続くようになる。
入溪点の大洞ダム  真夏の暑いときならシャワークライムを楽しめそうだが今はもう10月、なるべく濡れたくないので濡れそうな滝は捲いていく。捲き道はしっかりついているので捲くのに苦労することはない。左岸から出合う船小屋沢を見送り岩穴沢から1時間で芝沢出合いに着く。ここまでで行程の約半分だ。出発時は小雨だった天気も回復の兆しを見せてきている。
 ナメが出てくるようになるとやがて二俣となり更に30分ほどで奥の二俣になる。左沢に入り水が涸れた所で早々に右の尾根に上ったのだがこれはちょっと早過ぎたようだった。それほど濃くはないのだが踏み跡を探しながらヤブを漕いでいくと沢の源頭に出てしっかり赤テープがあったので水が涸れても最後まで沢を詰めるべきだったようだ。
 しばらく登ると急に傾斜が緩み平坦になる。和名倉山はもうすぐのようなので平らな場所を探して幕営とする。地面はふかふかで寝心地は良さそうだ。天気はすっかり回復しており、暗くなるまで外で宴会、寒さが見にしみてくる頃にテントに潜り込む。
 15日、天気はまあまあ、集合時間は10時で余裕があるのでのんびり出発。下山は溯行した市ノ沢を下降するのでザックは置いて行こうかと思ったが万一を考えて背負って行くことにする。薄いが踏み跡もあり赤テープも付いているので迷うこともなく結構早く山頂に到着した。樹林の中の和名倉山山頂は看板がなければ誰もここが山頂だなんて思わないような山頂らしからぬ所だ。我々が一番乗りかなと思っていたが、樹に三峰のバンダナが巻き付けてあったので別パーティが来ていたことを知る。和名倉沢パーティがこんなに早いはずはないので三澤パーティだなとは判ったが既に下山してしまったのだろうか。
皆の到着を待つ三峰特製バンダナ  まもなくツアーの団体が押し寄せ賑やかになる。少し下にテントを張っている人達がいると話していたのでもしかしたらと思い様子を見に行ってみる。2~3分下った開けた場所にテントを撤収中の三澤さん、田中さんがいた。この場所は開けて日当りもいいのでまだ山頂にいる3人を呼びに行って和名倉沢パーティを待つことにする。
 ツアーの団体も去り、静かになって程なく下からワイワイガヤガヤ話し声とともに和名倉沢の大部隊がやってきた。それにしても1パーティで8人とは多すぎないかい、ルートは他にもあるんだから分散させた方が集中山行の趣旨に沿うように思えるんだがねぇ。
 無事の再会を喜び合いしばし朝の宴会となる。時間も迫ってきたので短い宴会を切り上げ全員で山頂へと向う。記念写真を撮り、解散・下山となるが三澤パーティは往路を、和名倉沢パーティと我々は市ノ沢を下降路にとる。和名倉沢パーティの荻原リーダーを先頭に下降を始める。昨日我々は奥の二俣から左沢に入ったが下降は右沢になった。意図したものではなく適当に下ったらそうなったということだ。奥の二俣から我々パーティが先になる。
 芝沢辺りから左岸の踏み跡をずっと辿る。ほとんど沢床に降りることなく続いている。先頭を歩いていた私は途中で休憩しようと一旦沢床へ降りたが、上を見ると最後尾にいた渡辺さんが来たので目を離した隙に成田さん、野口さんは先に行ってしまったと思い休憩は止めにして、また踏み跡に戻る。しかし、行っても行っても2人に追いつかない、随分と足が速いなと思いながら渡辺さんとどんどん進む。遂に追いつくことができず待たせてしまったなと思いながら林道に上ると誰もいない。あれ??おかしいな、どうなってるんだ。
 随分待ってから和名倉沢パーティの一部が到着してようやく事情が判明した。成田さんと野口さんは渡辺さんと順番が入れ代わって後にいたのだった。私がメンバーを置き去りにして先に行ってしまったということになっていて非難轟々雨嵐。渡辺さんに確認すればよかったのだがそれをしなかった私のミスである、反省。
 和名倉沢パーティの車の回収に往復してから大滝温泉で汗を流し解散となった。


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ323号目次