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駒ヶ岳・鬼ガ面山から海谷渓谷
高木 敦子

山行日 2006年10月28日~29日
メンバー (L)高木、三澤、山崎、飯塚、紺野、成田、天内

 雨飾山から北に延びる山域に憧れて、糸魚川から南下して縦走したのはもう15年以上前になる。そして二度目は4年前。その度に稜線から見える海谷渓谷が気になり、ぜひ下から大岩壁を見上げてみたいと思っていた。もちろん季節は秋、紅葉のシーズンにである。少々遠いのが難点だが、海川第一発電所から周回できると分かり、はるばる車での山行を計画した。思ったより参加者も集まり、車2台で行くことが出来た。
 三澤さんは都内で、私は東所沢でメンバーを乗せ、横川SAで集合となった。場所が遠いので少し早めの集合にしたが、乗車メンバーの連絡ミスで多少手間取ったが、関越から北陸道を経て糸魚川ICで降り、3時頃に海川第一発電所の先の三境峠に着いた。ここはキャンプ場もある公園風になっていて、トイレもありすっかり変わってしまっていたので驚いてしまった。
 朝7時に駐車場を出発、最初に駒ヶ岳を目指す。最初はなだらかな登りだが、30分もすると大岩壁が現れ、その右にある樹林の中の道を行くがかなりの急登である。この山は大糸線側の大神堂からの登山道の方が、よく登られているのも頷ける。急な登りを喘ぎながら進み傾斜が楽になると、そこは見事なブナ林が広がっていた。ふと見るとナメコの子供を発見、今回はこちらも期待していたので心が弾む。が、どうも今年はあまり宜しくないようである。ブナハリは結構採れたが、この時期だとナメコなのにあまり見かけない。
 ブナ林を抜けると駒ヶ岳山頂に到着。ここからはヤセ尾根になり登山者もぐっと減る。急な下りを降り、鬼ガ面山との中間峰に行くと、「一般登山者は行かないように」との注意書きがある。我々は一般登山者じゃないね、と言いながら進むと、本日の核心部が現れた。この稜線全体がヤセていて急だが、そこは右側が垂直に切れ落ちた岩場のルンゼになり、鎖もあるが最後の1m程が足りず、かなり難儀した。

鬼ガ面山から鋸岳、焼山海谷渓谷を見下ろす

 鬼ガ面山から海谷の分岐までの稜線漫歩は、絶景あり、スリルありで楽しく進む。今年は暖かいせいか、以前来たときには大量に採れたナメコがまったく無い。それでも邦ちゃんや陽子ちゃんのおかげで、クリタケやチャナメツムタケなどが採れちょっとにっこり。今回は陽子ちゃんの活躍が目覚しかった。
 海谷への分岐は鞍部かと思いきや、小ピークにあり休憩の後下り始める。道が不明瞭とあるが、結構踏み跡が付いていて迷う事は無い。途中で今回クリタケ娘になった陽子ちゃんがりっぱなナメコをゲット、皆の歓声が上がる。対岸の岩壁が高くなり、いい加減うんざりした頃やっと河原に到着。そのまま5分ほど下流に向かって本日のテン場とした。

くつろぎのひと時いわゆる七三二高地

 もっとも各自好きな数字で呼んでいて、七三二とは出てこない。ま、ともあれゆっくり景色を堪能したくなる所ではある。これが見たくて来たんだよね。この先は取水口に出ると登山道も現れ、岩壁はさらに険しくそそり立ち言葉を失う。このあたりは駐車場から往復でくる人が増え、人気の程が伺える。
 10時駐車場着、展望台から千丈ガ岳南西壁を眺め帰路に着く。山の幸の次は温泉、そして日本海の海の幸、堪りませんね。道の駅能生で刺身定食を食べ、小布施で栗菓子を買い、買い物まで楽しんで欲張り山行となりました。こんな遠くまで付き合ってくれた皆、ありがとね。
千丈ヶ岳南西壁


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