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春山合宿
その2 八甲田・高田大岳
三澤 邦夫

山行日 2007年5月4日
メンバー (L)三澤、福間、小堀、高木、田中(恵)、齋藤(吉)

 今年の雪不足は異常事態と毎回書いているような気がする。そんな年でも八甲田ならば絶対に滑れるということで参加者の募集をした。集まった顔ぶれを見れば温泉グルメの予感。とりあえず八甲田2本と岩木山と鳥海というタイトルを掲げて出発。
 東北道は黒石ICで降りた方が八甲田に近いが、とにかく青森の市場へ買出しに行く。あちこち物色して蝦蛄とホタテを買い込んで山へ向かった。テント予定場所の笠松峠には駐車スペースがなく酸ケ湯のテント場に変更。風が強く轟々と木が鳴っている。今日の予定の南八甲田は諦めてテントに潜り込む。早速買出しした食材を広げて宴会は始まる。茂吉が外でホタテを焼く醤油の匂いがたまらない。なんか予想どおりの展開になっているが幸せである。
 5/4 風は強いが晴間が見える。小堀氏は体調不良とのことだが今日行かねば後悔すると脅して山に拉致する。車を谷地温泉にデポしてからロープウェイの駅に行くと長い行列ができている。1時間20分待ちとの由。まあこんなモンでしょ。山上駅の出発は11時近くなった。強烈な風で立っているのもつらい。それでも意を決して踏み出せば山屋は強い。二日酔いではないがヨロヨロと確実に進む。今回の北八甲田横断は滑り主体でコースを検討した。大岳・小岳をポコポコと越えて行くのも楽しいが、箒場平コースと高田大岳大斜面の美味しいトコどりで、快感度は高い。八甲田は滑降コースが多く開かれているので斜面の誘惑に負けない気構えも必要である。
 最初のピークは赤倉岳だ。風を避けるため井戸岳方面に行かず左手の樹林帯を行く。頂稜は一時雪が消えるが、赤倉岳山頂から東に八甲田随一の大斜面が広がる。他パーティの殆どが箒場平に下るので、我々は大岳溶岩台地の末端を水平に移動して小岳と高田大岳のコルに続く沢の源頭を目指す。視界は良く面倒な沢越えもなく目的地に出た。振り返れば夢のような大斜面が広がり、メンバー一同「良かったねえ」の合唱。
 次は高田大岳の大斜面だ。雲行きが怪しいけどなんとか持ちそうだ。高田大岳は典型的なコニーデ型火山で、端正な三角錐の山だが登るにつれて斜度もキツくなる。足がつりそうな状態で山頂の一角に立つと周囲はガスに包まれて視界が悪い。大斜面の入口が判りにくいのでメンバーが揃うまでの間に偵察する。見覚えのある祠から夏道が現れたので一安心。時刻は15時30分。タイムリミットだろう。夏道を少し下って愕然とする。滑降予定の大斜面はハイ松の遥か向こうにある。雪不足のことを忘れていた。西斜面は樹林があるが、雪は繋がっている。100mほどハイ松を漕いで雪面に立つと安堵した。猿倉温泉方向に降り北にトラバースして谷地温泉に行く。そうと決まれば「ヒャッホー」とガンガン滑る。予定の斜面は片流れだが、こちらはフラットなバーンで雪質も良い。あっと言う間に緩傾斜斜面に降り立つ。後は上手にトラバースすれば谷地温泉に着く筈だ。しかし、地図にない浅い小沢が頻繁に現れて、なかなか横に進めない。環状道路が近づいて来たので手頃な沢筋を滑って道路に出た。着いた場所は猿倉温泉のすぐ近くだった。谷地温泉までは1.5kmくらいあるので、皆を待たせておいて徒歩で車の回収に行く。道すがら道路沿いの斜面を見ると、なんとか滑って降りられそうだが、スキーを取りに戻るのも面倒なので先へ進む。
 時刻は17:30。結構充実した一日だった。  5/5 今日は岩木山の予定だ。天気は良いが根性が萎えているので、短い百沢コースを予定したものの・・・・「雪がないっ!」。スキー場の最上部まで草が繁っている。こりゃダメだ。ということで、岳コースに回るが、こちらもまったく雪がない。ということで、後は当初予定どおりの温泉グルメツアーとなった次第である。(コゴミ美味しゅうございました)

地図

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