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甲斐駒ヶ岳
小幡 信義

山行日 2007年3月24日~25日
メンバー (L)小幡、道祖土

 いつまで行けるのか、雪山登山の原点としている甲斐駒、前夜発1泊2日でこの黒戸尾根コースを登りきるのは、比較的雪の安定した3月の後半の日が良い。今年も例会を組んだものの、週末の天気が芳しくない。少し迷っていたが、道祖土氏に電話してみると「行きます」とのことで私の気持ちは決まった。
 3月23日、高尾22:26発、小淵沢行きに乗車、仕事帰りの人で車内はかなりの混雑であり、ゆっくりとビールでも飲みながらと思っていたが、当てが外れてがっかり、少々がまんする。小淵沢駅に0:35着、ザックを持った人は私達2人だけのようだ。今晩のねぐらとするログハウス(ホームにある待合所)は、今年も私達を静かに迎え入れてくれた。寝るには少し幅が狭いが両足をゆっくり伸ばせ、丸太の匂いをかぎながら寝るのは安らぎを覚え、私は好きだ。
 3月24日 天気くもり午後小雪、夕方雨
 6:30まで仮眠しタクシー乗場へ、竹宇駒ヶ岳神社まで行ってもらう。駐車場では1パーティーが出発準備をしているところだ。神社で水2Lを確保し8:15出発、尾白川に架かる吊橋を渡り、しばらくはだらだらした登りが続く。2006年は暖冬で降雪量が少なかったせいか、雪はしばらくなさそうだ。笹ノ平あたりよりボチボチ出てくる。しかし凍っているため歩きにくい。刃渡りで単独の年輩の人を追い抜き、刀利天狗に着いたところでアイゼンを着ける。天気予報通り小雪がちらつき始める。黒戸山の巻道より雪山らしくなるが、雪が締まっているため歩きやすい。しばらく下れば五合目小屋だ。無人小屋になってから何回かテントを張らせてもらった。今は荒廃して使用されていないようだ。ハーネスの装着準備をしている3人のパーティーを横目に私達は七丈小屋を目指す。約1時間の行程である。途中で休憩していると先程のパーティーがアンザイレンして通り過ぎる。中年の女性を真ん中に前後でフォローしながら登っている。見たところガイド山行のようだ。屏風岩でのハシゴと鎖場の通過に時間がかかっている。すぐ後ろに付いて登るのも悪いと思い、ここはしばらく間隔をあけ、ゆっくり行くことにする。七丈小屋に15:00到着。小雪ではあるが、今晩もずーっと降りそうな空模様だ。キャンプサイトは、第二小屋前を右手に登り10分位で着く。何パーティー小屋の中に居るのか分からないが、結局幕営は私達一張のみとなる。
 深夜になり雪から雨と変わり一晩中降り続く。明け方になっても更に激しく降る雨を見て、道祖土氏に山頂は「断念する」旨を伝える。小屋泊まりの連中も誰一人登って来ない。やはりこの雨で諦めてしまったようだ。あとは下山するだけなので8:00出発と決め、またシュラフの中へ潜り込んでしまう。
 3月25日 天気朝大雨午後よりくもり
 外は明るくなったが一向に止む気配なし。朝食(ラーメン)を済ませた後、思い切って撤収にかかる。8:00下山開始、小屋の前を通るものの登山者は見受けられず、中でくすぶっているのだろうか?
 雨の中の下りは景色を見ることなく、ただもくもくと、やや足早に降りるのみ。急な岩場も、ハシゴに鎖にフィックスロープと親切に整備されている。もう少し自然の状態が私は良いと思うが、いかがなものか・・・!
 八丁登り辺りから昨晩からの大雨により表面の雪が解け、ツルツルの氷が剥きだしになり2~3回滑って尻餅をついたがとくに怪我もなく、竹宇神社に13:00着く。駐車場前の尾白川売店が開いていたらビールでも飲もうと決めていたので迷うことなくテーブルを陣取る。店のおばさんは、以前来たときに私の顔を覚えていてくれ、色々と話し掛けてくれる。お新香やせんべいもサービスで出してくれる。今回は、キノコ酒が旨いからと進められたが・・・。まあまあかな・・・?!
 そうこうしている間にタクシーが来たため、14:15、2人乗り込み小淵沢駅へ向かう。
 来年も懲りずにまた甲斐駒を計画しているのだろうか?

〈コースタイム〉
3/23~24 高尾(22:26) → 小淵沢(0:35~7:00) → タクシー30分4,010円 → 竹宇神社(8:15) → 七丈小屋・幕営(15:15)
3/25 幕場(8:00) → 竹宇神社(13:10)

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