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大蔵高丸
鈴木 章子

山行日 2007年6月30日
メンバー (L)鈴木(章)、渡部、田中(恵)、川崎、(河野)

 以前、山の帰りに甲斐大和駅前の食堂で「下山祝い」をしていた所、4~5人の酔っ払いが、「姉ちゃん、花山に行ってきたのか?」と、尋ねて来た。「花山?何?それ?」と尋ねた所、地元では、『湯ノ沢峠~大蔵高丸』一帯を、『花山』と呼んでいるとのこと。
 大菩薩~滝子山までの、小金連山を歩いたのは、数年前の早春。残雪の多い年で、単独の私はかなり苦労した。しかし、大蔵高丸~ハマイバ丸周辺は、『禿山』の思い出しかなかった。
 それでは、出かけて見るかと「例会」に出してはみたものの、当日、集合予定の列車に、何人来るか全く把握していなかった。タクシーの予定も有るので当日は、ハラハラドキドキ。列車内の中、一人、二人と見慣れた顔。「ホッ」全員で5人。
 大月駅から大峠までタクシー。私と川崎さんは、今回で3回目。しかし、下りるたびに、車酔い一歩手前。なかなか、ハードコースだ。
 大蔵高丸に行くには湯ノ沢峠から行くのが一般的。この場合は、甲斐大和駅からタクシーとなる。大峠からより500円位安くなる。静かさを求めるのだったら、大峠からのコースを勧めたい。
 身支度もほどほどに、笹原についた登山道をゆっくり登る。直に、『赤岩ノ丸』に着く。山頂はうっそうとしいて、わざわざ来る山では無い気がした。それよりも、黒岳~白谷丸までの苔むした樹林帯は美しかった。『山梨百選』の立て看板も目にした。
 白谷丸~ハマイバ丸まで草原が続く。しかし、春花から夏花への過渡期なのだろうか、期待したほどのお花畑ではなかった。それでも、目を凝らしてみると、スズラン、ハハコグサ、オダマキなどが見られた。地味で小さいため気が付かなかっただけでした。
 時折差す日差しの中、ロープで区切られた登山道を歩く。気分は半減だが保護の為には仕方が無い事かもしれない。途中、大蔵高丸山頂で、地物のスモモをくれたおじさんに、敦盛草が咲いているのか尋ねた。彼が言うには、「この山には5株有るけれど、絶対教えない。もう少したつと、花だけ取ってしまうんだ。」
 20年ほど前なら、何処でも見られた花なのに。目立ち過ぎる花の運命だろうか。ふと寂しい気持ちにさせられる。そんな折、マウンテンバイクが3台通過。タイヤで草の根を切らねばいいがと心配がよぎる。
 ハマイバ丸山頂で戴いた『スモモ』を食べた。食べながら遠くを見ればツツジが咲いている。この時期はツツジの赤が緑によく映える。そんな中、アヤメが1本、二人静の群生と、足を進めるたびに何かに出会える時期。
 曇りのせいか、辛い暑さは感じなかった。花を充分楽しみながら、大谷ヶ丸~コンドウ丸~曲り沢峠へと歩き、曲り沢コースを歩いて林道に。エアリアマップに記されているほど荒れてはいなかったが、相変わらず暗くて湿っぽい。林道に着くと同時に大粒の雨。なんと恵まれた一日だったでしょうか。
 林道から一般車道までの道程、たわわに熟した木イチゴを摘みながら、今日見た花の名前を並べながら歩いた。
 今回気付いたことは、山中で10パーティーほどであったが、我々が一番若かったこと?この山域は、アプローチも良くない所に、歩行時間が長いのが、不人気なのだろうか。私は毎年数回この山域にはいる、お気に入りの所だが・・・。
 本日参加の皆さん、特に、お試し山行の河野さん、七夕(年1回)のような渡部さん。お疲れ様でした。次回は入浴ありルートを考えます。
 『花山』を教えてくれた酔っ払いのおじさんたちも有難う御座いました。


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