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宝川ナルミズ沢
森田 温

山行日 2007年6月30日~7月1日
メンバー (L)小幡、橋岡、金子、箭内、小堀、成田、前野、石川、山崎、大田、森田(温)

 初めての一泊沢登りであり、また入会後初の一泊山行である。期待と不安が半ばする中、東所沢を29日23時に出発。小雨が降っていたため屋根のあるところで寝ようということになり、土合駅で仮眠することになった。ホーム側に数名仮眠者がいたが、待合室には誰も居らず軽く一杯。リーダーの「そろそろ」という一言で2時過ぎに就寝となる。

6月30日
 雨も上がり、宝川林道は順調にゲートまで入ることができ、ほぼコースタイム通りに入渓点に到着。ここで沢装備に変更したが、予想を上回る水量でいきなり腰までつかる渡渉となる。この後も緊張する渡渉の連続であったが、会随一の身長と体重のおかげでなんとかのりきれた。ウツボギ沢出合をすぎ小滝やゴルジュの連続となり、水量と水温のため巻きが多くなる。グズグズの土壁とズルズルの笹のために、これまた緊張の連続となる。「増水のため難易度が上がりちょうどよい」というベテランもいたがとてもそのような余裕は無い。
渡渉の連続  14時ごろ幕場の大石沢出合に到着。テントをはり、焚き火を起こしてやっと一息つくことができた。ちびりちびり飲っていると釣り師3名が帰還してくる。「この沢で釣れなかったことは無い」と自信満々の釣り師:小堀氏と「たぶんだめだよ」と言っていた控えめな釣り師:小幡氏がみごとに岩魚をゲットしてきた。内心期待していなかった面々はおすそ分けに預かろうと盛大に称えるのであった。
 夕食担当の橋岡氏が用意した大量の肉を焚き火で焼きながら宴会へ突入。箭内氏のアニメソングをかわきりに次々に歌と踊りが続く中、岩魚の骨酒と塩焼きを一口ずついただく。居酒屋でのそれとは違い、まことに結構な味でありました。次回はぜひ会長の釣果にも期待したい。酒が尽きてきたころ、明日4時起床6時出発との予定が告げられ、お開きとなる。
大石沢出合で焼肉宴会 7月1日
 4時過ぎに目を覚ますと、すでに焚き火がたかれ山崎さん・大田さんを中心に朝食の準備が進められていた。きのこのスープスパをありがたくいただき、昨夜中にこれも山崎さんがつくってくれた行動食のおにぎりをもらって6時に出発する。体力面で不安があるという石川さんは登山道で朝日岳を往復するといい、前野氏も同行することになった。
 滝登りや微妙なへつりはあまり出てこなかったが、昨日同様不安定な巻きと膝上までつかる渡渉の連続であった。右岸を行くか左岸を行くか、ゴルジュを突破するか巻くか、巻きはどのルートをとりどこで沢に下りるか、どの地点が渡渉しやすいか等々経験をつんで覚えていくことばかりである。
 魚止めの滝でガイドの高桑氏の一行に先を譲り、進んでいく。二股前後から空洞のある雪渓がでてきてその上を恐る恐る歩く。奥の二股もすぎ、なだらかなナメを快適に歩いていくと草原のツメとなり、稜線に9時に到達。橋岡氏がビールを取り出し、皆で一口ずついただき天国気分を味わった。
魚止めの滝は右から巻いた  ここで登山靴に履き替え、ジャンクションピークへの登りでへとへとになったが、そこから朝日岳手前までは、イワカガミ、チングルマ、タテヤマリンドウなどのお花畑であった。成田氏から「朝日岳はすぐそこだからいってきたら」といわれたが余力は無い。大石沢に降りる分岐標識に前野氏のメモがあり「10時半に通過」とある。10分遅れで下り始めた我々は急下降の途中で追いつくことができた。大石沢出合で残置荷物を回収し、16時に林道ゲートに到着。湯の小屋温泉「洞元荘」でさっぱりし、帰路についた。
 初めてのことだらけで、幕場では焚き火や料理の手伝いもできませんでした。次回以降皆さんのさまざまな技術を吸収したいと思いますので、これからもよろしくお願いします。

この雪渓が増水の源

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