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白馬岳~清水岳
小幡 信義

山行日 2007年10月6日~8日
メンバー (L)飯塚、鈴木(章)、深谷、三澤、小幡

10月6日(土) 天気 くもり後晴れ
 仕事を辞めてしまってから早10カ月過ぎてしまった。行き場もなく、やる気も起こらず、毎日アパートに引き込もりの生活状態...。これではダメになってしまう...と思いながらもズルズル時間ばかり過ぎてしまった。人間って弱い動物なのか?それとも私だけなのか?気も弱くなり、また体力もすっかり落ちてしまった。週末だけでも山へ行こうと決め、今回もリーダーに申し込むと、丁度1名欠員が出たとのことで参加させていただきました。
 新宿都庁大型バス駐車場22時00分集合。終点の栂池高原まで約7時間強バスの中の生活だ。時間調整のためか、高速に乗ったり、一般道を走行したりと狭い座席で寝つけない私にとっては、長い苦しい時間となる。それでも予定より2時間も早く5時10分に高原に到着となる。これからゴンドラ、ロープウェイと乗り継ぎ、栂池自然園に7時30分に着きました。いよいよ、これから本日の幕営地清水平までの歩きとなります。階段状の急な斜面を登り、水はけの悪いドロ道をひたすら歩くと視界も開け、後を振り向くと、一部分ではあるが紅葉に染まった景色は、気持を落ち着かせてくれます。天狗原は湿原になっており、平坦な木道歩きです。ハイキング気分もここまでで乗鞍岳は安山岩のゴロゴロした急登をもくもくと登ります。山頂は大きなケルンのある場所で広い台地となっており、眼下に広がる青く澄みきった白馬大池を眺めながらの下降であるが、ここ数年ヒザを痛めてしまい下りは苦手になってしまった。ゴロゴロした岩の階段はヒザに響き泣きが出てしまう。白馬大池で休憩。三澤氏が小屋から出て来て先行パーティーの天城氏と山沢さんが宿泊名簿に記入されていたと言っている。同コースを1日早く先行しているのである。今頃は白馬岳を下っている頃かな?ベンチではバーナーを焚きくつろいだハイカー達が目に付く。ゆっくりしたいところだが、予定地はまだまだ先である。そういえば、道祖土氏も栂池から入山し本日は三国境から雪倉避難小屋迄の予定で計画書が出ていたが今頃どの辺を歩いているのか?そんなことを考えながらもくもくと小登降を繰り返し小蓮華に三国境、そして白馬岳への縦走路を歩くことが出来ました。山頂14時20分。取り敢えずは記念写真となりました。多数のハイカーが360度の大展望を楽しんでおります。指示盤のある前で休憩していたSさんには写真の依頼があり「ヨロコンデー!!」の愛嬌の返答に皆に受けていたようです...。白馬岳から見る旭岳もかなり大きな山である。これからあの山を越えていくのか......。等、考えているとリーダーが、これから2L以上の水を確保し、コースタイム1時間30分歩くのは厳しいと判断し、本日の幕営地は白馬岳頂上宿舎下のキャンプ場に決定となりました。私は、ヨレヨレ状態であったため、とても助かりました。15時00分到着。テント場は25張り位あっただろうか?私たちは小屋から遠くなるけれど、一番外れにテントを建てる。まずはビールで今日の疲れをいやす。本当に疲れました。夕飯を喰った後はおのずとシュラフが恋しくなり、19時00分には就寝となりました。早く寝てしまうのが勿体ないくらいの満天の星でありました。明日の天気も大丈夫のようです...。
10月7日(日) 天気 晴れ
 起床3時20分。朝食のおかゆを喰った後、5時15分にはヘッドランプを点けて出発しました。2パーティーが先行しているだけで、昨日とは違いめっきり登山者が減ってしまったようです。小さな登り下りを繰り返しながら旭岳・小旭岳を通過、清水岳には7時30分に着く。山頂は登山道より外れているようだ。1年前の同時期には清水尾根を歩いていた中高年パーティーが吹雪に合い、幾人か命を落としているが、どの辺で力尽きてしまったのか?たいそう寒かっただろうに...。
 清水岳からは展望が良く、前には剱岳、後方には白馬三山から不帰、五竜に鹿島槍、そしてはるか遠方には槍ヶ岳の穂先も見え、最高の登山日和でありました。不帰避難小屋に9時30分着。水を補充し、今回のメインである温泉が待っている祖母谷温泉まで、4時間の行程です。途中、山ぶどうを食べたり、ブナハリダケを袋一杯に採ることもできたり、宴会の準備が少しずつ整っていきます。最後の百貫の大下り1時間はヒザがガクガクとなりましたが、夕方はゆっくり温泉だと思うと、元気が出てきます。14時30分、やっとのことで祖母谷温泉に到着。佐藤パーティー・山沢パーティーとも合流出来、ミニ集中大成功となりました。三峰総勢10名の大宴会となり、私もかなり気持よく酔わせていただき、ありがとうございました。
 寝静まってからの河原の露天風呂はまたまた最高でした・・・。
10月8日(月) 天気 雨
 昨日の夜半より降った雨は止むことなく、朝も降り続く。行動が億劫になりがちになるが、トロッコ電車の始発に合わせ、出発7時30分とする。林道と平行に流れる祖母谷は、濁流となり、すさまじい自然の恐さを感じた。
 欅平よりのトロッコ電車は悪天候にもかかわらず、ほぼ満席の状態で上がってくる。殆ど観光客のようだ。寒い中、御苦労様ですと言いたくなってしまう。
 最後の締めは魚津で「新鮮な魚だ!」ということで、刺身定食を喰って帰路につきました。体力、気力共に落ちてしまった私をメンバーに加えていただき感謝しております。また、色々と迷惑を掛けてしまい、申し訳なく思っております。


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