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集中山行 両神山
その2 日向大谷から尾根コース
内山 弥生

山行日 2007年10月14日
メンバー (L)服部、山沢、内山

 直前で決まった両神山集中参加。テント泊で9時間ぐっすり眠り、元気いっぱいでスタートしたものの、コースタイムをオーバーするゆっくりペースで登り、くだりもさらにゆっくり。それなのに、帰ってきてから参加者の間で飛び交ったメールは、「足がむくんできた」。「足が痛い。超、痛い」。「お腹すいた~」。「足は治ったけれど、腰が痛い」。
(どれが誰の発言かは、ないしょ、ですけど、だいたい、わかりますよ、ね?)
やっぱり、こういうのを、「シニア山行」っていうのでは? 三峰のシニア山行例会は、いつもバリバリの(ほぼ)バリエーションで、とても参加できず、「どこがシニア?」と、遠くからみているだけなので。

 この秋の集中山行が両神山と聞いたときは参加できるかな?と思ったものの、はじめに発表されたコースは全部沢や岩尾根。やっぱり・・・。最近の三峰山行の傾向そのままね。(「オールラウンド」は、今、いずこ?)それでは、ひとりで一般道を行こうか、とも、思っていたのだが、ひとりでなくてよかった...。
 山を歩きはじめて2、3年目に白井差から登ったときは、岩場をけっこう平気で登った記憶がある。それなのに、だんだん岩場が怖くなった。最近、ますます怖くなった。でも両神山はどこから登っても、岩場あり。一般道といえども、標高差千メートル以上。簡単には登らせてくれない。
 日向大谷の登山口から会所までの最初の30分ほどは、なかなかいい道で、気分よく歩く。でもそのあとすぐに大嫌いな丸木橋。丸太が3本並んでいるだけで、最初の一歩が滑りやすくて、どき。沢沿いの高巻きはずるっといきそうで、びく。沢を何回か渡り返すところは、水に落ちそうで、ひや。みっつそろって、はぁ~。ひとりだったら、この軟弱者は、泣きそうだったカモ。
 今回の尾根チームは、バードウォッチングメンバーなので、鳥見をしながらのんびり行くはずが、いろいろな鳥さんの声がしても見る余裕はあまりなし。でも、シジュウカラさんが、「ツーピー、ツーピー」、コゲラさんが、ドラミングでドドドドド。なかなか、よかです。服部さんはさすがに鳥の声を聞き逃さないし、山沢さんはキノコを見逃さない。休みをとれば、さわやかな風。みかんがおいしい。どら焼きもおいしい。雨も心配なさそうだし。(そういえば、真夜中に鹿の声を聞いたのもひさしぶりでいと、よろし。)
 と、いうところで、けっこうのんびり登り、ほとんど人のいない登山道を1時間35分のコースタイムに2時間近くかけて、清滝小屋。水場と、トイレあり。小屋の有名人(犬)のわんこがいた。素泊りのみ、ときいていたが、食事もお願いできるらしい。ブッポウソウの季節に泊まってみたい、と思う。
 ここからほぼ1時間の道はいよいよ岩場がでてくるということで、少々緊張。鎖場では先頭の山沢さんの足場の使い方を見ながら、慎重に行く。(でも、そのままマネできるくらいなら、苦労なんかしません・・・。)
 それでも心配した割には、鎖にたよるほどの岩場もなく、両神神社奥社に到着。ここからは気持のいい広い尾根道。両手広げて、深呼吸。紅葉は、まだ、わずか。雪が凍ったらいやだろうな、というトラバース道(一応鎖がついている)を抜け、最後の岩場を登ると山頂。10時50分着。
 集中はここから15分ほど北の前東岳に12時のはずが、山頂の剣ヶ峰にはもう沢の金子さんパーティが来ていた。まもなく大きなザックの章子さんパーティ。この大荷物で、赤岩尾根から、八丁尾根を登ってくるなんて、ほんとうにすごい。このまま、ここで集まってしまうのかな?と思うまもなく、楽しみにしていた無線交信を試すひまもなく、もうひとつの沢パーティ、小幡さん組も到着。うちおひとりはズボンの後ろが大きく切れて(私は見てませんよ)苦闘のあと?を物語っていた、とか。
山頂-全員集合  集中の場所は南へ500メートルほどずれてしまったけれど、ひさしぶりに山で皆さんに会えてうれしかった。狭くてだんだん混みあってきた山頂で集合写真を撮ったあと、他の3パーティはそれぞれのバリエーションコースを降りて行ったが、私たちは来た道をもどる。
 くだりながら見ると山頂付近は紅葉が始まっていて、のびやか。やっぱり、いい山だなぁ、と思う。でも、気をひきしめて岩場をまたおそるおそる降り、清滝小屋。その先のくだりも、落石を起こさないよう、気を使う。一箇所、すこしカーブのかかった、「いやらしい」急なくだりをなんとかクリアし、あとはひたすらくだる。会所を越えると、また道が広くなってこんどは元気にくだる。
 登山口、2時55分。お疲れ様でした。いつものことながら、遅いペースにあわせてくださったおふたりに、とっても感謝。
 ところで、途中で70歳くらいの人が、グループについていけずに一人で登っていた。清滝小屋で、その人が追いついたら、他の人たちは「ゆっくり慎重に来てね」と、いいおいて、先に行ってしまった。仲間なのに...。私たちでもくだりはけっこうきつかったので、私たちよりもっと遅かったあの人たちが、全員で明るいうちに降りてこられるといいけれど、と、皆で少々心配した。
 帰りは「当然」温泉、のはずが、一箇所はお客さんが多くて日帰り入浴はダメ。二つ目の候補は道がわからずダメ。三箇所めはお休みでダメ。地図をみると温泉だらけのような秩父でもこういうこともあるのですね。で、めずらしくそのまま高速へ。

〈コースタイム〉
両神山荘(6:30) → 会所(7:05) → 清滝小屋(9:05~15) → 両神神社(10:10~20) → 両神山頂(10:50~11:20) → 清滝小屋(12:50~13:00) → 会所(14:20~25) → 両神山荘(14:55)


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