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惣岳山
さとう あきら

山行日 2007年7月1日
メンバー (L)佐藤、鈴木(章)、内山、道祖土、(三村)

 前回のルームの豆講座にて読図法の机上講習を担当した。では次は山に入り読図の実践だ、ということでこの山行を企画した。場所はマイナーなヤブ尾根が良いということで、青梅線川井駅を起点に馬仏山沼沢尾根を登り、惣岳山経由で神塚尾根を下り同駅に戻るという周遊コースに設定した。今回は章子さんの協力を取り付け、ヤブ山登山の極意も一緒に教えてもらう手はずである。
 川井駅集合は9時。お試しで参加の三村さんを始め、時間前に全員集合となり、山行の企画担当者としてもモチベーションが上がる。まずは駅のホームにて、シルバーコンパスによる山座同定やGPSの使い方を学習し、9時20分出発。暗い杉林を登行すると、送電線新秩父線34号鉄塔に10時着。改めてコンパス使用法の復習をし、地図と眼前の景色とが一致していることを確認する。
 再び展望の効かない尾根を登るが、傾斜はゆるく道形も案外明瞭なため、あまりヤブ山という感じはしない。時々立ち止まっては地図を確認すべきポイントを章子さんに説明してもらうが、予想と違う高度計の表示に一喜一憂し、つい時間が経つのを忘れてしまう。正しい現在地の把握のためには、予め地図上でチェックすべき点、つまり傾斜や尾根の向きが変わる場所や、大石などのランドマークを調べておき、その点が出現するのを探しながら歩く。さらに高度計の指示と一致していることで現在地が間違いないことを確認するという攻めの登山が重要である。
 馬仏山到着11時半。ここから一般登山道をたどり惣岳山頂上12時。大国主命(おおくにぬしのみこと)を祭る青渭(あおい)神社前の広場で大休止とするが、皆はここから下降する尾根がとても気になるようだ。パンをかじりながらも、地図を小脇にかかえコンパスで方角を確認し、と落ち着かない様子だが、それだけ一生懸命に読図をしてくれるとこの山行を企画した甲斐があり、うれしい。お試し参加の三村さんもなかなか勘が良く、ポイントの飲み込みも素早い。
真剣に学習中  頂上から杉の急斜面を西に50mほど下ると、目的の尾根にぴたりと出た。ここから踏み跡が薄く続いており、624mの神塚山経由で33号鉄塔まで50分。なかなかヤブ尾根らしい静寂なコースで気持ちがよい。
鉄塔からは巡視路を下ると良かったのだが、下り始めの方角がかなり違っていた。地形図に従い最短尾根ルートを下るが、あまり快適ではなく、靴を泥だらけにして14時過ぎに駅に帰還となった。


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