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三ツ峠
坪松 聖幸

山行日 2007年11月17日~18日
メンバー (L)坪松、紺野、平、大田、竹内

 最近は、仕事の疲れがたまっていていまいち、モチベーションが上がらなかったが、やる気のある人達が集まってくれたので、自分も頑張ろうと思い、集合場所の八王子駅を出発する。今回の予定は、1日目に人工登攀、自己脱出、途中固定等の練習をして、2日目にフリーの練習をする計画を立てた。アイゼントレも考えたのだが、余り色々なことをやっても集中出来ないので、登り込むことに集中するつもりだ。八王子駅で、紺野さん、平さん、大田さんと合流し、三ツ峠へ向かう。途中で、手が凍えるだろうと携帯カイロと酒類を購入し、その日は、駐車場で少し飲んでから、仮眠を取る。11月なかばで、やっぱり寒い。
 翌日、6時に起きて、身支度を整えて出発。朝の寒さは堪えたが歩いているうちに身体がポカポカと暖まってくる。紺野さんは、一枚上着を脱いで歩いている。各人がそれぞれのペースで歩く。自分は、ここに電車で来たことがないのでわからないがボッカ訓練を兼ねて歩けば良い?トレーニングになるのではないかなと思った。岩場で竹内さんと合流し、東面フェイス近くの少し降りた場所にテントを張る。こんな所に良いテン場があるなんて知らなかった。紺野さんに感謝です。
 テントを設営し終わったら、早速今回の第一目的である人工登攀の練習を開始する。中央フェイスの下の所にトップロープを張って登り込んでもらおうと思い、2本リードしてロープを張る。最近人工の練習は、沢山やっていたので、特に問題なく登れた。支点もしっかりしているし、いっぱい練習出来るだろう。いよいよみんなで練習開始だ。
 ほとんどの人が、初のアブミということもあって、立ち込むのに苦労していたが、少しずつ感覚がわかってきたようでアブミの付け替えもスムーズに出来るようになってきて成果があったと思う。紺野さんは、自家製のアブミでバリバリと登る姿が凄くて、足の巻き込みや付け替えがとても早かったです。各人練習して少しずつ登れるようになったので、紺野、平、大田組、坪松、竹内組にわかれて練習することにし東面フェイスのハングしている所に移動する。自分は、ここで荻原さんに御指導頂いてコツをつかめるようになったので是非とも竹内さんにもコツをつかんでもらいたいと思う。ここではアブミへの足の巻き込みが大切になると思う。あとしっかりアブミに乗らないとひっくり返るので注意が必要だ。トップロープを張って竹内さんに練習してもらう。垂直の岩場については、大分登れるようになってきたが、ハングしている所は、まだまだ練習が必要かな?という感想です。
 この場所で何回か練習し、腕も張ってきたし、少し飽きてきたので人工の練習はお開きにし、フリーの練習を行うことにする。まだ登ったことの無い、亀ルートを登ることに決めて、取付まで行く。一般ルートには、トップロープが張られており沢山の人達が練習していた。紺野さん達は、何処を登っているのかなと思ったら、平さんが中央カンテをリードしているのが見える。自分たちも頑張らないと。
 亀ルートの取付までの最初の1P目を坪松がリードする。人工の練習ばかりやっていたせいか安定した岩場がないととても怖い。冷や汗を多量にかいた・・・。とてつもなくフリーがへたくそになったようである。こりゃ駄目だ・・・。2P目竹内さんリード、立木テラスまでの登りだ。ハングしている所を左に回り込んで、右にトラバース気味に行く。鮮やかな登りだ(セカンドで行ったのに坪松については、苦戦気味でした)。
 3P目坪松が最初に行くが、最初をどうしても登れない。思いきれば行けそうだが、どうも身体が動かない。絶対に行ける確信が持てなかったので、少しもがいた後にクライムダウンして竹内さんに代わってもらう。竹内さんもそこを頑張って思い切って行ったが、落ちたのでここを断念することにする。それにしても何でこんなに登れなくなってしまったのだろう。小さい足場に立ち込むことが出来なくなってしまった。
 その日は、そこで行動を終了し、テントに戻り夕食と酒宴の準備だ。こちらの方は、いつもの感じで盛り上がり、美味しい食事を食べ、お酒を飲んで話が弾む。余り自分は、お酒が飲めないが、この雰囲気は、大好きだ。外に出ると星と夜景がとても綺麗で外の寒さも忘れるくらいである。お腹も一杯になり、睡魔がおそってきたので、適当なところで就寝する。
 翌日、6時頃に起きて、朝食を取る。献立は、お雑煮で手早く調理して、手早く食べる。今日は、フリーで昨日と同様の組になって登る。まず始めに一般ルートから登ることにする。坪松リードするも、少し登った所で、またもや昨日と同様に越えられない所が出てきて、仕方なくクライムダウンする。朝だから身体が動かないのか、それとも下手くそなだけなのか突破できなかった。長く岩を触っていたので、両指が凍えるように冷たい。また、竹内さんに交代してもらいそこを登ってもらう。2P目は、坪松リード、さっきよりは、身体が動くが、どうもぎこちない。ホールド、スタンスをしっかり確認しながら登る。どうにかリード出来た感じだ。第3バンドに出てコンテの練習もやってみる。お互いにロープをまとめてバンドを歩く。権兵衛チムニーを登ろうと思っていたが、取付がわからず、バンドをうろうろとさまよった。仕方ないので、紅葉おろしを登ることにする。坪松が行くがほとんどA0でしか登れなかった。天狗の踊り場まで上がって少し休憩する。フリーになると、昨日と違ってうまくいかないようだ。懸垂下降で下に降りることにするが、ロープを下に投げたらまた途中でからまっていた。途中固定をしながらロープをほどいていく。ロープを投げるときも、もっと考えて投げないと駄目なようだ。下に降りて何処を登ろうか迷ったが、草溝ルートに取り付き登り始める。右にトラバースするのが怖かったが、ゆっくり足下を確認して登る。次のクラック沿いは、竹内さんがリード。カムを持ってきていたので、カムのセットも練習する。手や足をクラックにねじ込んで登るのは、なかなか面白い。足が決まった感覚は、わかるのだが、腕がしっかり決まったかどうかは、微妙だった。腕力主体で登ったがあまり力を使わずに技術で登ってみたい。今回の練習で得たことは、もっとフリーの練習をしなければいけないなと思った。これからも定期的に練習を積んでいきたいと思う。


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