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ジョーゴ沢・裏同心ルンゼ
竹内 豊

山行日 2007年12月8日~9日
メンバー (L)高橋(俊)、荻原、竹内

 「タケちゃん」笑い過ぎ! 山行中、私はあまりの楽しさについ口元がほころびぱっなしで高橋さんにそう言われ続けた。今期は委員という大役を仰せつかったので、自分なりに考えて、今まで教わった技術を皆に伝える山行を多くした。そんなこともあって自分の山行成果としては、今期は物足りなかったように思えた。その中で、今回の山は本当に待ちこがれたものであり、前季は事務所引越やら暖冬やらで実現出来なかった山で、おまけに天気は快晴ときている。これが笑わずにいられようか。
 当初は高橋さんと2人で行く予定だったのだが、丁度タイミング良く荻原さんもHPの掲示板にアイスクライミング山行同行者を募集かけていた。高橋さんは長岡引越でネット環境が整っておらず、その件を私が知らせて3人で行くことに相成った。
MYCC! 3APトリオ?  前夜発で荻原さんと水道橋に待ち合わせて出発。首都高に乗る際、タクシーに気を取られて分岐を間違えてしまい、東京を半周するというハプニングがあったものの小淵沢道の駅で長岡から来た高橋さんと無事合流。いつものように軽く飲んで就寝。星がきれいで明日の天候は良さそうだ。美濃戸まで私のジムニーで入り、いつものように赤岳鉱泉に幕を張る。道中、荻原さんはお子さんの野球大会でハッスルして足首を故障しているために違和感があって歩くのがつらいそうだ。けれどもシーズン初めだからこそ、ちょっと無理をしてでも山に来たい気持ちは良く分かる。私と違い子持ちクライマーはつらいのだ。
ACE Shun 二刀流  BCからハーネス・ガチャ類をザックに詰めジョーゴ沢に向かう。途中の沢では踏み抜きに注意して慎重に足を置くように歩く。踏み抜いてアプローチ敗退だけは絶対に避けたい。ジョーゴ沢はいくつかの枝沢に分かれる。F1~F3越えて右俣。その先に左方ルンゼ。それから2段ほど越えると右ルンゼ乙女、大滝、ナイアガラといった具合だ。前季に安売りを狙って高橋さんにも買い出しにつきあってもらって買ったDMM REBELアックスを初めて振るう機会が来た! 途中のF3には取り付いているパーティがいたので巻いた。残念だ。三俣の手前の小滝で私は初めてアックスを振るう。ヒュッ、ガシッ。私のアイゼンはミックス縦走用なので歯が他のアイゼンに比べて短い。足を蹴り込む。ザッ。怖々ながらも乗り越える。気持ちいい~。その後、私たちはとりあえずナイアガラでトップロープを張って練習しようということに相成る。しかしナイアガラは好天すぎて氷結がすごく甘い。シーズン初めに怪我してもつまらないので大滝前の小滝のコンデションが良さそうなので取り付く。荻原さんがサルケンリコールにより、新たに入手した縦爪のM10を試したいとのことなのでリードをお願いしてトップロープを張ってもらう。それぞれ順番に練習する。私は、アックスはなんとか決まるのだが足がなかなか決まらない。その時、もう私の中では縦爪アイゼンを購入する決意を新たに決めた(妻にはナイショ)! 各自練習を終えBCに戻り、その日は私の作ったキムチ鍋を食べながらシーズン初めに気持ちよく乾杯した。
CAPTAIN Ogi 快晴の中のクライミング  翌日は早朝行動ということもあり、天候は曇天だったが皆の気分は乗っていた。その証拠に登攀意欲が高く、みんなリードをしてみたいという雰囲気をかもしだしていた。この記録を書いている時点ではうろ覚えで申し訳ないのだが、F1は荻原さん(だったけ?)。F2は竹内初リード。F3は高橋さん。F4は埋もれてたのでフリー。F5荻原さん。といった具合にアイスクライミングを楽しんだ。前日に比べると曇りだったために気温が下がり、氷の状態はすごく良くて氷河などで見られるブルーアイスのような色をしていた。それでもアックスを振るうとカシッとすぐ決まり、ものすごく爽快感がある。おまけにルートなので充実感もあり、ものすごく楽しめる登攀だったことには間違いない。もう笑ってるのは、私だけじゃなくて高橋さんも「楽しい~」を連発。荻原さんも笑ってる。大同心正面壁前で一本取って大同心稜を下降した。けれども登攀中は大丈夫ということらしいのだが、下降となると荻原さんの故障部分が痛むらしく私たちは心配しながらゆっくりと下山し、東京、長岡への帰路に幸福感に包まれながら帰宅した。


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