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笠無~比志ノ塒
平林 学

山行日 2007年12月1日~2日
メンバー (L)鈴木(章)、前野、石川、平林

 今、原稿を書こうと思って、改めて地形図を見ていますが、結果的に約3分の2の行程で下山することになりました。最初は尾根を忠実にたどればいいのだろう位の気持ちでいましたが、なかなかどうしてこれはかなり熟練しないと、相当に難しいということがわかりました。
 さて、鈴木リーダー以下4名は朝、佐久平駅に集合し、そこから小海線に乗り換えて信濃川上へ向かいました。タクシーで出発点となる信州峠に降り立ちましたが、峠と言っても車道が通り抜けているだけの殺風景な所で、そこで共同装備を分配して出発。久々のしっかり歩く登山、しかもちょっと長丁場、ちょっと不安。最初のピークである横尾山をめざして出発しました。天気は快晴。佐久は雪が少ないと聞いていましたが、この日も雪は全くなく、無雪期と同じように快適に登ることが出来、まずは一安心。1時間ちょっとの登りで横尾山に到着。
横尾山  ここまでは一般のハイキングコースとしてよく整備されており、何人かのハイカーが訪れていました。しかし、ここからが難渋しました。西に向かって下っていくと笹ヤブが深くなり、踏み跡も乱れて、赤布を頼りにいくつかのピークを越えると、豆腐岩という大きな岩に到着。そこでピッチを切りましたが、この時点ですでに13時を回っており、この先がちょっと不安。さらにその先の木賊ノ頭で、尾根が直角に曲がるのを見過ごして少しロスタイム。ここから木賊ノ大ダルに下って、小ピークをいくつか越えると展望の良い槍という山頂に到着。
 そろそろ幕場の話が出る。ここからススキの美しい斜面を下り、カラマツの林の中を丸山に向かって登るが、背丈の低い笹ヤブで完全に踏み跡が乱れ、ヤブコギとなりました。いったん丸山の頂上付近まで登りましたが、めざす県境尾根は少し手前で通り過ぎてしまったことに気づきスイッチバック。ここで前野さんが持参してくれたGPS内蔵携帯電話で、なんとか県境尾根を発見していただきました。非常にわかりにくい場所で300m下の尾根となると、とても低く見えてふもとに降りてしまうのではと錯覚してしまうほど高低差を感じました。どうやら、手前の丸山の鞍部から踏み跡が続いているらしいのですが、それもあまりはっきりしません。しかし、いったん県境尾根に乗ってしまうと、かすかな踏み跡があり、県境を示すプレートが所々にあり、なんとか進むが、イバラとクヌギの低木で非常に歩きづらく、そろそろ疲労を感じはじめる。
 日も西に傾き、1508mのピークでタイムアップ。ピーク手前に程良い小平地があり、そこでテントをはることに。ヤブコギとは関係ありませんが、ここからは少しテント生活について記述させていただきます。こうしたちょっとした縦走でもテント泊をするのは、三峰のいいところだ(もっともこんな藪尾根ではテントでしか泊まれません)。三峰に入ってはじめての食当でしたがちょっと量が少なかったのが反省点。朝食担当と連絡をとらなかったため、メニューが一緒になったのが幸いして、トッピングに成功。前野さん持参のビリカン山盛りの夕食となりました。【テント生活基本その1】寒冷時は靴の凍結防止のため靴は、テントの中にいれる。この日は前野さんが持参してくれたツエルトにくるんでいただきました。【テント生活基本その2】外ばき用のサンダルを持ってくると便利(無雪期)。初歩的な話ですが、今回ちょっと気づいたので、記しておく。
笠無山  さて、2日目は1508mのピークから主尾根を離れて南へ左折(こういう、尾根の屈曲点がわかりづらい)。背丈の低い笹ヤブの気持ちのいい尾根道を、2、3のピークを越えて進むと、なんと地形図には載っていない無線中継塔とそれに続く広い道路が現れ、いと興ざめ。おそらくここが1516mのピークだと思われますが、そこからが、今回の山行の敗退の大きな要因となりました。赤いペンキ印に誘われて道路と反対側の尾根に取りついたのですが、そこから南東方向に尾根をはずしてしまい、いったん引き返したものの、今度はまたペンキ印(正確にはおそらく伐採用もしくは林業関係者の目印でコースサインとは全く関係ない)に誘われて尾根を離れて、どんどん下っていってしまいました。リーダーは上のほうで、違う、こっちだと怒っていました。その時はリーダーの判断が正しかったようで、境界プレートや赤布は全く信用できません。やはり自分でコンパスを用いて方向を定めて行くべきだったと反省。結果的にこれが大幅なロスタイムとなり、なんとか車道を登り返して樫山峠にたどりつきました。時間が押していましたが、リーダーがなんとか比志ノ塒(ねぐら)までは行こうということで、気を取り直して出発。
比志ノ塒の三角点  今日も快晴で終始八ヶ岳を見ながらの、快適な尾根を笠無~比志ノ塒へと縦走し、そこで、帰りのバス等の時間を考慮して、比志の集落へ下りるのが良いというリーダーの判断で尾根伝いに、かすかな踏み跡をたどり最後は盲目下降で集落にたどりつきました。
 今回の反省点として、藪山では目印はあてにしてはいけないということ、自分で地形図とコンパスで方向を定めていかなければならないと感じました。

〈コースタイム〉
1日目 信州峠(10:10) → 横尾山(11:40) → 木賊ノ頭(13:00) → 槍(14:00) → 丸山(15:25) → 1508mピーク(16:10)
2日目 幕場(06:55) → 1516mピーク(07:34) → 車道を横切る(09:45) → 樫山峠(10:30) → 笠無(11:50) → 比志ノ塒(13:10) → バス停(15:10)

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