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蓼科山
平 真里

山行日 2007年10月20日~21日
メンバー (L)平、森田(純)、大田

 八ヶ岳にはよく行くが、最北の蓼科山は、登らずに眺めるだけ。今回、紅葉の時期の森歩きを楽しもうと、例会にあるまじきスーパーメジャーコースを立案したところ、参加者2人に恵まれた。そろって食当に立候補してくれたので、私はホントの立案だけ(働いてない)。気兼ねなく行けそうな予感がしてありがたかった。
10月20日(土)晴れ:
 乗り合わせた列車が遅れ、茅野駅からの予定のバスに乗り損なった。白樺湖まわりのバスを乗り継いで、蓼科山の麓、竜源橋に着いたのは11時もまわったころ。こんな晴天なのに登山客は誰もいない。
 きょうは双子池の前まで。傾斜は緩いし、歩行時間は短いし、で喋りながらのんびり歩く。カラマツが色づいて、道も明るい。立ち止まって写真もたくさん撮った。
 天祥寺原に出て蓼科山を望み、水場を通りすぎて大河原峠との分岐まで来ると、珍しくグループの登山者に出会う。ここで、亀甲池に向かう道に折れる。
 池のほとりには誰もいなかった。静かな池の前に座り込んで一息。体が冷えてきたころに立ち上がる。双子池ももうすぐだ。
 双子池の前のテント場に辿りついてから、ぐるっとひとまわりして小屋まで行き、幕営料を支払う。水は、飲料用と洗濯用に雄池と雌池で使い分けているとか。水を汲み、途中で決めておいた幕営地に引き返す。見たところ、われわれ以外には2張り。日帰りでこられるところで、わざわざテント泊をする人も少ないのかもしれない。
 赤く色づいた森に穏やかな水面。ちょうど池を挟んで小屋の反対側にテントを張った。
 麻婆ナスの夕食をご馳走になると、ささやかな酒盛りをして床に就く。3人で、4、5人用のテントだから余裕の広さだったが、寒くて何度も目が覚めた。
10月21日(日)快晴:
 朝食はお雑煮。鰹節と海苔の香りがする。まだ夜が明けきらぬうちに、テントを撤収して出発。小屋を通って、双子山に登る。寒すぎて、デジカメが使えない。山頂からはすぐに大河原峠。駐車場があり、人でごった返していた。
 北八らしい森を抜けると、急な瓦礫登りになる。時々道に白いものが混じり、アイゼンの季節も近いと思われた。石の段差にあえいで高度をあげるとめざす蓼科山の山頂。見渡す限りの瓦礫で、彼方に鳥居が見える。

黄葉のなか静かな湖畔

 どちらを向いても雲ひとつない、これ以上は望めない展望。広々とした山頂には、標識の前だけ人だかりがしていた。いちおう広域図とコンパスで山の名前を探してみる。風が強い。
 各々気が済むまで写真を撮ると、名残惜しく下山にかかった。ピラミッド形だけあって、山頂直下は急である。蓼科山登山口に向かう道は、登ってくる人が絶え間ない。昨日の静かな森歩きが恋しい。遠方に下界がよく見えるものの、石の下山路が続くばかりでなかなか近づいてこない。
 登山口についたときは、ちょうどバスが出たところだった。茶店も閉まっていて、車が走っているばかり。温泉のあるところまで、1時間程度で行けそうなので、歩くことにした。信玄棒道、とある昔の軍用路は、樹木も立派で整地もされていて快適だったので、バスに間に合わなかったことにも慰めがついた。
 親湯ホテルの温泉に入る。ホテルの送迎バスを利用できたおかげで、時間的に良く帰路につくことができた。

山頂は瓦礫
〈コースタイム〉
10/19 竜源橋(11:45) → 大河原峠分岐(13:15) → 亀甲池(13:55) → 双子池(14:30)(泊)
10/20 双子池(05:50) → 双子山 → 大河原峠 → 蓼科山(09:30~09:50) → 蓼科山登山口(11:50)

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