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外秩父七峰縦走ハイキング
峯川 正行

山行日 2008年4月20日
メンバー (L)西尾、箭内、峯川

 4月になるといつも気になる大会がありました。東武鉄道による外秩父七峰縦走ハイキングなのです。普段は人影が少ない山域ばかり行っているのですが、このお祭りのような大会が非常に気になっていました。ハセツネカップは私なんぞ全く太刀打ちができないのですが、七峰縦走ならば・・・という気持ちがどこかにあったのかもしれません。でも、その甘い気持ちが後で仇となるのでした。
 リーダーの西尾さんは過去数回出場していて、攻略法をいくつか教えていただきました。まずはスタートの小川町駅にとにかく早く着くこと。これが一番重要なのです。私の自宅からでは池袋始発では、どう頑張っても小川町駅には6時半以降になってしまい、受付をするまでにかなりの渋滞にはまってしまうのです。当初は、寄居の安い宿に宿泊して始発で小川町駅に向かう予定でしたが、西尾さんのご自宅に泊めていただけるということになり、大変恐縮ではあったのですが、新築のご自宅に箭内さんとご厄介になることとなりました。その夜は早く就寝し、翌朝は4時起床で成増駅の始発に向かいます。
 始発の成増駅には数人の登山客がいて、この人達も七峰隊なのだなと。小川町駅についてもっとびっくりです。すでに受付を待つ長蛇の列ができているではないですか!噂には聞いていましたが、これほどの人が押し寄せているとは思いもしておりませんでした。東京マラソンなんぞはもっとすごいのだろうなあと。人混み恐怖症の私にはここがある意味の核心となりました。
恒例の?小川町の受付行列  受付をすませて、街中を進み、新年山行の帰りに通った官ノ倉山の登山口に到着です。見覚えのある場所でなんとも不思議な気分でした。北向不動あたりから人混みがひどくなり、渋滞の予感がしてまいりました。この先が今日の最初の渋滞ポイントとなる鎖場となります。渋滞になる理由はいくつかありますが、小仏トンネルを思い出せばわかります。上り小仏トンネルは微妙に下っていて、みんながブレーキをかけるのでその分どんどん遅れていく。この鎖場も同じで、登るスペースも少なくスピードが落ちるから詰まっていくのだと。そんな当たり前のことを自問自答しながら待っていたら結構イライラも少なく待つことができました!そして暫く進むと最初のチェックポイントである官ノ倉山CPに到着です。ちゃんと係の人がいてスタンプを押してもらいました。そしてまたここから渋滞がはじまりました。前日の雨でここからの下り坂が滑るようです。まさしくここが小仏トンネル状態です。
 渋滞が終わり、車道に出てしばらく歩くと和紙の里という休憩所で大休止をとることとなりました。まだまだ先が長いのですが、結構の休憩をとってしまいました。ここから笠山CPまでの単調な林道歩きが結構きつかったです。途中綺麗な田園風景とお花が唯一の救いとなりました。
唯一のお花見エリア  "抜き"ができるこの区間ではペースを上げることが秘訣のようです。萩平T字路から先が渋滞ポイントのようで、またここでしばしの休憩となりました。笠山CPの光景は空腹のためか全く覚えておりません。堂平山CPまでは、ほぼ空腹との戦いで、ここも夢中で歩いたのでしょう。あまり記憶がありません。堂平天文台を見てようやくほっといたしました。ちょうどそこで地元の子供が大好きなイチゴを売っていたので、思わず買ってしまいました。堂平山CPでスタンプを押して頂き、休憩所でしばし昼食です。ここでは、キュウリやイチゴなどの思わず根っこが生えて休憩してしまいたくなる商品をたくさん販売しておりますが、西尾リーダーからこれらに目をくらませてはいけないという助言を頂き、しばしの休憩で堂平山を出発です。
堂平山天文台が見えて昼食  剣ヶ峰CPはすぐに到着です。ここからは山道と峠が続きます。白石峠、定峰峠はリタイア、エスケープエリアなのですが、リーダーの想定しているタイムよりは少し遅れ気味のようですが、なんとかリタイアすることはなさそうです。定峰峠で時間は13時過ぎとなり、歩き始めて7時間ほどです。通常の登山ではそろそろ下山で温泉かなあ、もしくは、テントで一杯という感じですが、今日はここからが本番です。たぶん単独でこの大会に参加していたら、この定峰峠でリタイアしたかもしれません。体力もさることながら精神的に単独ではきついかもしれません。
 確かにここからがきつかったです。旧定峰峠、大霧山の部分は山道でアップダウンも多く結構足に堪えてきました。また下りでも前の人を抜きながら飛び石のようにポンポン下っていたのですが、これが後で起こす事象の原因となってしまったようです。大霧山では、行く先にのどかな秩父高原牧場が見え、ゴールも近いのか!と思い、元気な西尾さん、箭内さんと記念撮影です。
ヘロヘロ状態の大霧山にて  私はこの時はかなり疲れていたと思います。時刻は14時半くらいです。まだまだこれからが長いのです。秩父高原牧場では休憩所があり、牛乳を頂くことにしました。観光地で牛乳をよく飲みますが、ここでの牛乳の美味しさは今まで生きてきた中で一番美味しかったです!薬缶に入った牛乳がなんとも印象的でした。
薬缶牛乳は美味しかったです!
 そして、最後に締めくくりのCPに向かいます。二本杉峠で車道は終わり、ここから山道となります。皇鈴山へは最後の一踏ん張りと思い頑張って登り、一気に下りますが、その際に左膝になんとも身に覚えのある痛みが走り始めました。その直後に右膝にも・・・。左膝は4年前にも痛めた古傷で膝と言うより筋を痛めたような感じで、その際も完治するまで2ヶ月以上かかりました。参ったなあと思いながら両足をだまして引きずりながらなんとか車道に出て、本日最後のCPである登谷山への登りとなります。登りではなんとか痛みは軽減されますが、"爆弾"が破裂しないように慎重に登っていると、あっという間に、西尾さん、箭内さんは先に行ってしまいました。登谷山で最後のCPでスタンプを押してもらい、なんとか一安心。でもここからが最後の正念場でした。
後はゴールを目指すだけ  ここで成田さんからメールで連絡が入りました。実は今日は成田さんも単独で参加されていて、私たちより先を歩いていたのです。できれば追いつきたかったのですが、元気な成田さんはなかなか捕まらず・・・。成田さんの情報では、すでに最後の過酷な車道歩きに入っていて、もうすぐゴールとのこと。かなり車道歩きは飽きて苦しいようです。
 釜伏峠を通り、延々と車道歩きが続きますが、足はかなり厳しかったです。杖を突きながらなんとかゴールを目指します。途中地元のおばちゃんが車で通りかかり、とんでもない形相で怒っていました。話を一通り聞くと、この大人数での車道歩きが相当迷惑しているようで、「訴えてやる!!」とクラクションをならしながら疾走していきました。かなり回数を重ねている大会なのですが、地元の人からは全く歓迎されていないようです。東武鉄道もここまでケアしていないようです。この一件ですっかり後味が悪くなってしまいました。来年から七峰縦走が中止となったらこのおばちゃんが原因と思ってください。んー確かに言っていることも分からなくもないです。立場が逆だったら・・・。などと悶々と考えているとようやくゴール地点が近くなりました。他の人達は走ったりして急いでいます。元気だったら走るのですが、今日は無理です。時刻は18時前となりなんとかぎりぎりゴールできそうです。今年からゴール地点が変わったようで、最後のコースもそれに伴い変わったようです。最後は本当にヘロヘロとなり、18時過ぎにようやくゴール地点である鉢形城歴史館に到着です!歩き始めて約12時間!沢登りでも12時間歩行はありましたが、今日の12時間は本当にきつかったです~。でも西尾さんと箭内さんは元気一杯です。若い私がこんな形でへばってしまいなんとも悲しい限りでした。
 最後は、寄居駅でお疲れ会でビールで乾杯となりましたが、私はなんとも後味が悪い終わり方となりました。
 それにしても元気な西尾さん、箭内さん本当にご迷惑をお掛けいたしました。なんとかゴールできて良かったです!
 今日はとにかく準備不足に限ります。「なんとかなるでしょう~」という甘い考えで、膝の負担を減らす努力を怠った事が一番の誤算でした。靴もスニーカーのみで歩くというのも失策でした。西尾さんはスニーカーとハイカットの登山靴を2つ用意していました。沢登りでは沢靴とスニーカーを2足持参するのだからこれくらいしてもよかったのです!
 原稿を書いている現在もまだ膝痛が残り、今回は完治まで3ヶ月以上かかりそうです。この失態により、例会なども中止としてしまい、皆様には多大なご迷惑をおかけして申し訳ないと反省しております。

〈コースタイム〉
小川町駅(6:10) → 受付(6:16) → 北向不動(7:05) → 石尊山(7:39) → 官ノ倉山CP(7:47) → 和紙の里(8:38~8:55) → 萩平T字路(10:02) → 笠山CP(11:07) → 堂平山(11:41~12:10) → 剣ヶ峰(12:17) → 白石峠(12:27) → 定峰峠(13:12~13:22) → 旧定峰峠(13:45) → 大霧山(14:13~14:19) → 秩父高原牧場(14:45~14:55) → 二本杉峠(15:17) → 皇鈴山(15:34~15:40) → 登谷山(16:00) → 鉢形城歴史館(18:06)


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