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羽賀場山~川化山
森田 温

山行日 2008年3月2日
メンバー (L)鈴木(章)、箭内、川崎、峯川、前野、森田(純)、森田(温)

 昨年9月「紫雲山」のリベンジ山行をリーダーが計画してくれた。これは参加するしかない、と計画表をよく見ると前半はまったく異なるルート。さっそくネットで検索するが記録がでてこない。前回より数段マイナーなコースのようだ。もらった山行記録を基に地形図に赤線を入れていくが、尾根の分岐だらけで難解この上ない。こういったコースに挑戦できるのも山岳会なればこそと、ひそかにエスケープルートも考えて、参加することにした。
 新鹿沼からのバスを天王橋で降り(記録に書かれていた売店は休業中でした)、長安寺に向かう。この寺を通らずに尾根に上がる道もあったが、一見の価値ありとのリーダーのお言葉で参道を通ることにした。イワヒバがびっしりと生えそろった石段を登り、山行の無事をお願いして山道に入る。ここから羽賀場山までの道はしっかりしており、地形図にある送電線を確認しながら順調に進んでいく。
長安寺イワヒバの石段にびっくり  羽賀場山で小休止の後、分岐に戻ると高齢の男性(以下、じいさん)が前を歩いている。このコースに単独で入るからには読図・藪山の達人なのであろう。我々は読図の楽しみのために少し間を空けて進むことにした。が、10分ほど先でじいさんが地図を見ながら座り込んでいた。なるほど、踏み跡が消えており直進すると急下降となるが、地形図どおりやや南向きに斜面を降りていくと尾根が明確になりルートが確認できた。じいさんは単に休憩をしていただけなのだろう。所々には階段状に整備された箇所もあり、この分では計画通りに踏破できそうだ、と考えていると突然送電鉄塔が目の前にでてきた。送電線をくぐるのはもっと先のはず。間違えてしまった。はっきりとした山道は送電線の巡視路だったのだ。
地形図を前に作戦会議  1本とって引き返すことにする。そこへ、三度じいさんが現れた。我々と同じように巡視路に引き込まれたらしい。聞けば80歳近いご年齢だそうで『生涯登山』の鑑といえよう。GPSを持っていて、ディスプレィに地形図が表示され、現在地を確認できるスグレモノである(十数万円するそうです)。今回が初使用で使い方をマスターしていないらしい。達人では無さそうなじいさんをひとり残していくのは若干心配だが、まだまだ先は長く出発することにした。
 10分ほどで間違えた分岐に戻った。あらためて見ても、巡視路はよく踏まれており尾根もすっきりと見通せる。対して我々の行く方向は藪がかかり尾根がはっきりしない。以後は地形図とコンパスを絶えずにらみながら進むことになる。皆であっちだ、こっちだと言いながらようやく510mのコブまでたどりついた。ここからカマドクラまでは岩稜らしい。要注意箇所はリーダーが先頭に立ち、後続にアドバイスしてくれる。

神経を使うカマドクラ手前の岩稜帯の下降カマドクラにてご褒美のゼリー

 ここからの尾根は問題になる箇所も無くスタスタ進む。川化山で集合写真を撮り、自分が先頭になって下っていく。そして、間違えた。集中力の欠如だろう。幸いすぐに気がついたからよかったものの、やはり下りは難しい。採石場を見下ろす絶壁の脇を急下降して、無事下山。板荷駅までの道筋に酒屋はありませんでした。
 じいさんのことはちょっぴり気がかりだったけれど、途中の尾根からちゃんと降りたことでしょう。

川化山にて記念撮影

〈コースタイム〉
新鹿沼駅(9:15) → 天王橋(9:40) → 長安寺(9:55) → 羽賀場山(11:15) → 分岐(11:45) → 間違えた鉄塔(12:15) → 486.2ピーク(13:00) → カマドクラ(15:00) → 川化山(16:00) → 板荷駅(17:00)


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