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甲斐駒ヶ岳
小幡 信義

山行日 2008年3月29日~30日
メンバー (L)小幡、紺野、道祖土、大田

 新宿23時54分発ムーンライト信州で出発、全車指定席であり、3日前に切符を買いに行ったが、4人同席の切符が取れず、バラバラになってしまった。意外に混んでいると、少し驚く。
 いつものように軽く一杯やり、寝ようとするが、電車内の座席で眠るのは難しく、うつらうつらするだけだ!
 小淵沢駅3時09分着。ホーム内の待合所のログハウスは今回も私達だけで占有出来、それぞれ自分の寝床を確保し早々に寝袋に入る。もう少し照明を暗くしていただければ大変ありがたいのだが・・・。

3月29日 天気くもり時々晴れ
 2時間の仮眠であるが熟睡出来、改札を出る。ここからタクシーで竹宇駒ヶ岳神社まで行く。着いてみると1パーティー4人組が出発準備をしているところだ。私達と似たような顔ぶれだ! 軽く会釈して、6時45分に出発する。尾白川に架かる吊橋を渡り、だらだらした登りを黙々と登る。登山道に枯れ葉が積もり少々歩きづらいが、1時間もすれば雪道となるだろう。白須と横手の分岐でアイゼンを取り付ける。駐車場で会った4人組パーティーが我々を追い抜いて行く。
 笹ノ平から先は八丁坂と呼ばれ急登が続く。K氏が少し遅れぎみであるが「ゆっくり行くから!」のコールで心配することなく先に行く。刃渡りを通り梯子を何回か登り、樹林帯の長い平坦路から下りになると五合目小屋である。13時00分着。しかし小屋は撤去され、跡形もなかった。1年前に来た時も危険な為使用禁止の貼り紙がしてあった。何回か無人小屋の時にテントを張らせていただいたので「とうとう無くなってしまったんだ・・・」と思うと淋しさを感じた。
 本日の幕営予定地まで、1時間強の為、ゆっくり休憩とする。この先は屏風岩の登りとなり、黒戸尾根の難所だ。急な梯子と岩場の鎖を使っての通行は、下が切れているので少々緊張する場所である。今回甲斐駒初めてのMさん、一寸心配し上で見ていたが安定した登りで来る。最近岩登りにも熱中し練習の成果がでているのかと安心する。
 七丈小屋に14時30分着。小屋脇にテントが1張りあり、先行4人パーティーは上に張ったようだ。これからテント場まで少々歩かなくてはいけないのだか、Mさんは岩場の緊張から解放され疲れきってしまったのか、座り込んでなかなか登って来ない。私達2人はテン場の整地を行う。今年は雪が多いようだ。明日は雪が腐らないうち早めの行動がよさそうだ。テントを張り終え、くつろいでいるとK氏が笑顔で登ってくる。これで4人そろい、明日の頂上アタックに備え、早々とシュラフに潜り込む。

3月30日 天気晴れのちくもり午後小雪
 テン場を5時35分に出発する。天気はまずまずである。他の2パーティーはまだ出発してないようだ。メンバーの中で一番体力のあるS氏を先頭に進んだが、膝上までのつぼ足でかなり時間がかかってしまった。ここは我慢して稜線まで黙々登るしかない・・・。
 8合目御来迎場からは甲斐駒ヶ岳頂上が間近に見えるが、先は長い。ここから先は雪が少なくなり歩き易いようだ。1本とり、行動食で腹を満たす。花崗岩の岩場を縫うように登っていくのであるが、1ヶ所鎖場が雪でうまり、急雪壁になっており、S氏が躊躇している為、ここはリーダーとして交替、ピックとつま先を蹴り込んで突破する。下りはロープを出した方が良いかな?などと考えながら先を急ぐ。
右前方、石祠がある山頂間近!  この少し先辺りで後続パーティーが「ラッセルご苦労様!」と言って猛スピードで追い抜いていく。我々は今までずーっとトレースをつけてきたので、ここは素直に先頭を譲る。
 右前方には石祠が据えられた甲斐駒の山頂がもう間近だ!斜面のクラストした雪面にアイゼンを効かせ、慎重に登ると稜線に出る。あとは小さな登りで山頂だ。8時05分到着。他の2パーティーはすでに到着しており、我々は最後となってしまった。山頂はお互いに写真を取り合ってにぎやかだ。今年も山頂に立ち、北岳、仙丈ヶ岳の展望を望め、感謝の気持ちだ。メンバーは変わるが、この時季は甲斐駒の残雪登山を続けていきたいと思う。まだまだ帰りも長いので早々に下山する。心配していた雪壁も階段状となり、ロープを出す事なく通過する。
山頂にて、山男三人衆!!  テント場9時45分着。4人パーティーはすでに撤収して居なかった。我々も追うように下山にかかる。この先鎖場に梯子に、まだまだ油断出来ない。黒戸山を過ぎた頃より、天気は小雪となり、下り気味だ。下界は雨になっているのだろう!横手・白須の分岐でアイゼンを取り一気に下る。駒ヶ岳神社15時00分着。駐車場の売店でタクシー待ちの間、ゆっくりアルコールを飲みながら、おばちゃんのたわいのない話を楽しみにしていたのだか、今回は閉店となっていた。天気が雨なので来なかったのか?・・・
 7合目から先、雪の多さに心配したが、他のパーティーとのラッセルの協力で長い黒戸尾根も無事に下山出来、また来年も計画したいと思います。参加していただいた、K氏、S氏、Mさん3名には感謝致します。

〈コースタイム〉
3/29 小淵沢(6:10)(タクシー15分3950円) → 竹宇神社(6:45) → 五合目(13:00) → 七丈小屋(14:30)幕営
3/30 幕場(5:35) → 甲斐駒山頂(8:05~8:40) → テント場(9:45~10:30) → 竹宇神社(15:00)(タクシー4470円) → 小淵沢

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