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神室山
渡辺 守

山行日 2008年5月17日~18日
メンバー (L)高木、飯塚、石川、勝部、小堀、山崎、渡辺

 連休空けの慌しい仕事を終えて、5月9日夜に東川口に集合したメンバー7名は、全く予想をしていなかった小雨の中、東北道を北へと向かった。国見SA到着は26時前で、宴会の後27時就寝。翌10日は登山口までまだかなりの距離を残していたことから、4時起床となった。
 明け方の空はどんよりとしていたが、新庄に到着するころにはすっかり春のすがすがしい青空が広がった。のどかな田園風景と格調高くしかも新築ばかりのお屋敷を抜け、8時半ころには土内登山口に到着。計画では明日、天狗森、小又山、火打岳を縦走して下山、東北の山についてほとんど知識がなかった私だが、高木リーダーのコメントどおり確かに欲張りなルートであると理解するとともに「運動不足+睡眠不足」に不安がよぎる。しかし、ブナの輝く新緑と新鮮な空気、青空に迎えられ心地よい気持ちで、9時には神室山頂下の幕営地を目指し出発することができた。
ブナ新緑の中を気持ちよく歩きました  しばらくは土内川沿いの平坦な道が続き、新緑と清流、時々現れる滝を見ながら快適に進む。しかし1時間半ほど過ぎた雷滝から始まる急登では、前半戦こそ猛禽類の勇姿、火打岳から神室山への稜線を楽しむ余裕があったものの、途中からはやはり睡眠不足の影響かペースダウン、コシアブラの収穫を兼ねながら休み休みの前進となる。それでも権八小屋跡に到着は12時、コースタイムどおりであった。しかも、山崎山菜リーダー、飯塚さんを中心にウド、ウルイ、ゼンマイ、カタクリなど、カツジイとコボジイはコシアブラを専門に採取し、この時点で宴会素材がかなり集まってきた。この後、飯塚さんが特に執心するユキザサが加わり、後の宴会は否が応でも盛り上がることになる。
カンゾウ、ユキザサ、ウド・・・宴会のごちそうです  権八小屋跡以降は、残雪の中のなだらかなアップダウンとなる。左に雄大な鳥海山と眼下には緑の水田が広がる庄内平野を眺めながら台山尾根を進み、神室山が前方に見え始めると一面にお花畑が出現。しばしなごみの時間を過ごす。コース時間どおり15時くらいには到着するかと軽く考えていたが、最後の壁のような登りに苦しめられ、到着は16時であった。
 皆かなりの疲労で、目の前の山頂にはとても行く気になれず、すばやく幕営と宴会準備。宴会は天然の料亭で山菜づくしの至極の時となる。目の前に夕焼けの鳥海山と後ろは火打岳への山並みとその向こうにうっすらと月山・・・、素晴らしい景色。でもやはり何と言っても、新鮮な山菜天ぷら、ユキザサ炒め、生ウド、その他一杯の美味しさはその日の疲れを忘れさせ、新たな感動を与えてくれました。天ぷらをご用意いただいたことに感謝!天ぷら初心者の私も、皆さんが山菜と聞いただけで目の色が変わることを良く理解できました。
快晴の神室山頂です 天狗森、小又山、その向こうにはうっすら月山も見えました  翌朝、5分ほどの神室山頂から、快晴の360度の絶景を眺め、次の東北への山行と山菜を胸に抱く。下山は、水の確保に時間を要したこともあり、予定を変更して昨日と同じルートを戻った。青空の中再びお花畑を通過、個人用の山菜も採取しながら12時半には登山口に到着。鮎串刺しの巨大オブジェのある温泉につかり、大石田の手打ち蕎麦を食べて、最後まで贅沢な山行であった。


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