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南天山
河野 恵

山行日 2008年4月27日
メンバー (L)土肥、高木、深谷、山崎、平、平林、河野

 岩稜ハイクに惹かれた事と昭文社の地図(2003年版雲取・両神山)で点線コースとなっていたので、面白そうだなと思って参加してみることにした。しかし、一つ疑問点があった。点線コースなのに何故懸垂下降が必要なのかと。ホームページで事前に情報収集したがよくわからなかった。後にわかるのだが...。
 26日の18時30分に東所沢駅を車2台に分乗して出発、登山口に近い国道140号沿いの駐車場で仮眠。リーダー土肥さん持参のおでんと各自持ち寄ったつまみ、酒で軽く宴会をした。
 27日は6時前に駐車場を出発、登山口に着いて身支度を整えた後に、下山口に車1台をデポ。7時20分に入山。
 登山口は比較的わかりやすかったが、時折赤テープがあるだけ、踏み跡もないことはないが、点線ルートとは思えないのである。厳しくはないがヤブこぎ、そして岩がもろく気をつけないとすぐ落石を起こしてしまう。おまけに落ち葉がたっぷりで滑りやすい。地形は比較的わかりやすかったが、ポイントではコンパスで方向チェックしないと間違った尾根に入り兼ねない。その時点でかなり楽しくなって来たんだが・・・。山頂をはじめいくつかのピークを経て1348ピークまでこんな調子でした。点線コースだからと思って何も持たずに来てしまったら危ないよなぁ...。
 そんな中、鎌倉沢からのコース(一般登山道)と合流し、南天山山頂に至る数百メートルの道はこの日、唯一の歩きやすかった道。単独行のおじさんとも会いました。(この日に会った方はこの人だけです)
 心配された天気も良くなり、山頂から県界尾根や赤岩尾根など西上州の激しく、でも渋い山々の景色を楽しみました。
南天山頂  ここから1348ピークまでは順調に行ったので早く下山出来ると思ったのですが、北の尾根を少し下ったところから始まる懸垂下降に時間がかかってしまいました。ホームページによる事前情報で3ピッチとなっていましたが、結果的には4ピッチを要しました。土肥さんがトップをいきました。
 私は本番での懸垂下降が始めてでした。1ピッチ目がヤブの中の下降となり、不安を感じたのでしょう、サブリーダー高木さんの判断により私は確保で降ろされる事に、情けない...。
 2ピッチ目で初の懸垂チャレンジとなりましたが、緊張からか家で確認したハズのセットの仕方を思い出すのに時間がかかってしまいました(ごめんなさい!)。しかしアドバイスを受けながら下降。3、4ピッチと続けていくうちにコツもつかめました。
いよいよナイフリッジへ  下方がスラブとなっている4ピッチ目の先に赤テープを発見し、ルートが正しいことを確認。しかしここで2本のロープをつないだ結び目が途中のヤブに引っ掛かり、ロープが回収出来なくなるアクシデントが発生!ここで温泉クライマー深谷さん(本人はハイカーと謙遜されていましたが...)のプルージックによる登り返しで、引っ掛かった結び目を回収可能位置までずらし、無事に回収。素晴らしいです。
 懸垂終了後も急な滑りやすく踏み跡もわずかしかない下りの道が続きましたが、慎重に下りました。下山出来たのは当初の予定時間より少し遅め。
 最後は大滝温泉で汗を流して、軽く食事をした後、解散となりました。
 すっかり西上州のとりこになった私は帰ってから連日昭文社の西上州の地図を眺めては次に登りたい山を構想しています。そのためにはトレーニングが必要ですので頑張らないと。
 が、ここで大事な発見、2003年版両神山エリアに書かれていた点線は2005年版西上州エリアの地図には点線がなくなっていました。入山前に感じていた疑問がとけました。荒廃してしまったのですね、懸垂した所もかつてはクライムダウン出来たのでしょう。
 今回の山行では、三峰女性陣のパワーの凄さも感じました。今回お世話になった皆様のように、私も強くなりたいと思いました。

懸垂4ピッチ目はダブルで

〈コースタイム〉
山吹沢出合(07:20) → 南天山(08:50~09:20) → 1468mピーク(10:15~35) → 1380mピーク(11:00) → 1348mピーク(11:25~12:00) → 懸垂下降(4ピッチ)(12:10~14:30) → ザイル回収終了(15:00) → 六助沢出合(16:15)


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