トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ327号目次

乳頭山
さとう あきら

山行日 2008年3月22日
メンバー (L)佐藤、山沢、他 計10名

 秋田県と岩手県の県境にたおやかな山容を広げる乳頭山。全体的に傾斜がゆるく、登下降の尾根も広い。そしてブナの疎林を下れば温泉が待っている、ということで例会を企画したのだが、当方の準備が悪く参加者が少ない。交流のある青森の山岳会パーティにお願いしてご一緒させてもらうことにした。
田代平山荘と大白森  今回は新幹線で盛岡に入り、レンタカーでの移動である。朝9時、大釜温泉着。山スキー入門コースということもあり、連休の登山口は大混雑だ。隣のガイドツアーパーティが出発前の雪崩ビーコンの使用説明をしているのだが、動作がおかしいと大騒ぎしている。こちらだってもうビーコンのスイッチは入っているんだから、他人の混信のないところでやったら、とそっと教えてあげる。
 東北も寡雪のようだ。泥道のアプローチをたどり、孫六温泉から尾根に取りつく。9時半。わずかな登りで尾根上に出ると、あとはもう快適。美しいブナ林の中をたどり、1178m標高点に出ると、急に周囲の展望が開ける。沢をはさんだ対岸は真っ白の秋田駒ヶ岳。ドーム型の頂上は火山地形として特徴的であり、こちらもスキー適地のようだ。
 さらにひと登りで田代平山荘に到着だ。11時半。雪原にひっそりとたたずむ雰囲気がすばらしい、東北の象徴的山小屋である。
 最後の大斜面をこらえ、12時半乳頭山頂上着。西には鏡面のように光り輝く湖水をたたえる田沢湖が、そして東には岩手山がどっしりと鎮座する。感激である。来て良かったとつくづく思う大展望である。
 スキーでの下りは予想以上に快適だ。大斜面での爽快滑降で高揚したテンションは、そのまま小屋前での大宴会で過熱ぎみに。その後のブナ林の滑降も申し分なく、白濁酸性泉として名高い大釜温泉で大満足の締めくくりとなった。

乳頭山頂直下の大斜面

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ327号目次