トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ327号目次

蓼科山
藤谷 伸一

山行日 2008年3月1日~2日
メンバー (L)高木、山崎、平林、大田、河野、藤谷

 それにしても今は便利な世の中になったもんだ。残業してもスーパーマーケットはちゃーんとやっていて。なんせ明日は三峰入会後初の泊り山行にして、人生初の雪山。ましてやチーズフォンデュの食当を仰せ付かっている。ここでの失敗は許されない。食にはかなりウルサ方の集団とのことで帰宅後夜中のキッチンに佇み下ごしらえ。
 3/1は7:00新宿駅を2台の車に分乗して出発。今日は足慣らしを兼ねてピラタスロープウェイを使って北横岳へ。 昼食はスノーテーブルを作ってチーズフォンデュの予定。
・・・・・・が。
 渋滞もなく順調に10:00にロープウェイ乗り場に到着したものの天候がヨロシクない。風が強く、頂上はブ厚い雪雲に覆われている。 おそらくホワイトアウト・・・・ということでしばし様子見停滞。
 11:00。ほどなくしてやや風が弱まり、時々青空ものぞいてきたのでそそくさと準備し、とりあえず出発!! ロープウェイを降り、11:30とりあえず北横岳を目指して歩く。コースタイム的には夏道で1時間強。明日の蓼科山の足慣らしだ。トレースはバッチリついていて皆は軽快に歩くが、ワタクシは本格的雪山はこれが人生初!! 足を取られて上手く歩けない!! 靴底全体で雪を押さえつけるように!との高木リーダーの教育的指導で少しコツがつかめてきたもののふくらはぎパンパン!息もヒーヒーゼーゼー。 しばらく歩くとクラスト気味(っていうんですか?)な個所となり、アイゼン歩行の練習を。12本アイゼンでの本格歩行もこれが初!!いや、これもなかなか難しい。
 結局頂上まであと20分程度の北横岳ヒュッテまで歩いたところでチーズフォンデュの時間が少なくなるためサスペンド。胃袋優先の判断のようだ。スノーテーブルを作れる樹林帯まで戻り掘削作業開始。まあ、段取りの早いこと早いこと。ブロックを削りだし、風除けのツエルトを張り。あっという間に雪中レストラン開店準備の完了。そしてシアワセのランチタイム!!ロマンチックな雰囲気は最初だけで、すぐに熾烈な競争へと。強いものだけが生き残れる弱肉強食のサバンナ状態だ。
箸を入れるタイミングが核心です  これが三峰山岳会というものか。新入りだからと遠慮なんてしてられない!生き残るためには他人を押しのけ、パンでチーズをからめ捕るのだぁ!!!そしてあっという間に焼け野原。本日の野外行動はここでおしまい。 下に降り蓼科山の登山口女神茶屋まで車移動、テン泊。リーダー特製のあったかい鍋に我を忘れて猛烈アタック!冬のテント内でのお作法を習う。なるほどなー!と眼ウロコの連続だった。この日は早めに就寝。
 3/2 5:00起床、大田さん特製の超絶具沢山雑煮を食べて7:00出発。全員でビーコンのチェック。初雪山に緊張感が高まる。 まずは小高い丘を越え、蓼科山の取り付きへ。ここから頂上までは直登!!この山は女性にたとえられるそうだが、う~ん、容赦ないなあ。まあ、キライじゃないけど・・・・。(三峰的?すみません。)
 ピッケルワークや汗をかかない歩き方など、教わりながら3時間、登りに登る。頂上直下、森林限界の少し手前でアイゼンを装着、さらにガシガシ上る。森林限界を超えると風が強まり、ピッケルが心強い!一歩一歩確実にアイゼンの歯を利かせ、ゆっくりあがる。
 そしてついに!! 11:00!!登頂!!頂上の360°パノラマのすごいこと!! みんなで握手を交わししばし景色に見とれる!!もう、ただただひたすら「キレイ!!」の一言に尽きる。人生で初めての雪山だ。思わず涙ぐんでしまった。
サイコーの天気でした  頂上の神社の鳥居をくぐったり、方位盤などを見たりして11:30、下山開始。これからが本当の雪山訓練だ。樹林帯に入るまではとにかくおっかなびっくり慎重に下る。樹林帯からの急降下、アイゼンを蹴り込むが、なかなか効かず数度コケる。そのうちに足が疲れて蹴り込む力も弱くなり、爪をスパッツに引っ掛け前のめりにコケることも。笑いごとじゃあない。これを頂上稜線でやったら危険だ。ピッケルワーク・アイゼンワークを教わりながら2時間弱13:20、女神茶屋に帰着。疲れたが何より無事に帰ってこられたことでハイテンション状態だった。
 最初に比べればもちろん少しは慣れたワケだが、本格的に雪山へは、もっとみっちりと基礎訓練、場数を踏んで経験を積むことが肝要だと痛感した。
 SL山崎さんはじめ、同行の皆さんには足を引っ張って大変ご迷惑をおかけしました。高木リーダーにはつきっきりで面倒を見ていただき、感謝の一言です。今後ともよろしくお願いいたします。

〈コース〉
3/1 蓼科ピラタスロープウェイ~北横岳ヒュッテ~チーズフォンデュ
3/1 女神茶屋~蓼科山(2,530.1m)~女神茶屋ピストン

トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ327号目次