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鳥屋待沢
河野 恵

山行日 2008年6月1日
メンバー (L)飯塚、金子、別所、土肥、平、平林、森田(温)、森田(純)、渡辺、河野、(宮野)

 この会に入ろうと思ったのは、沢に行きたいから、そしてその沢でリーダーがきちんと出来るようになりたいと思っています。今年度は特に沢の例会については、なるべく参加しようと思っています。そのことから迷わず参加を決めました。 ガイドブックによると1級上、ネット情報によると、悪い所があるとのこと。著名な丹沢の沢とは一味違うものになりそうな予感です。
 しかし、この時期の東丹沢では、どんなにマイナーなところでも忘れてはならないのがヒル! 対策としてヒルファイターを持って行こうとも考えたが、塩が有効と聞き持っていくことに決める。が、忘れてしまった。これが災いしてかめでたく(な訳無い)ヒル噛まれデビューを果たしてしまうことになりました。
 朝7時30分に本厚木駅に集合し、50分発のバスに乗り、煤が谷のバス停で下車。20分程歩いた所で支度を整え、堰堤を越えた所から沢に入りました。最初は平凡でしたが、徐々に登りがいのある滝がいくつも出て来ました。前日まで降り続いた雨の影響で水量が多く、滝の登攀や巻きにはかなり時間がかかってしまいました。
 特に時間がかかってしまったのは、10m大滝の巻き、左俣に入った後のCSの滝、5mハングの滝でした。大滝の巻きは下からではわかりませんでしたが、登りながらなぜ苦労するかがわかりました。飯塚さん、別所さん、土肥さんの3人がかりでフィックスロープを張って後続メンバーが続きました。取付きこそ普通に登れますが、途中からは張られたロープをつかまないと滑ってしまうくらいの悪さ。ここの通過には金子さんから、ロープマンを貸して頂きました。プルージックのように自分で引き上げる必要がなく、かつ落ちると止まってくれる。スピーディーな通過にはあると便利です。しかし、こんなに悪いのにトップで、しかもフリーでスイスイ通過してしまった森田(旦那)さんのパワーってスゴイ...。
丹沢とは思えない苔むした側壁  5mCSの滝は残置シュリンゲがありましたが、荷物を背負った状態でのチムニーの通過が難しかったと思います。足を支えてもらって登りましたが、こっそり練習しているクライミングの成果が少し出ているようで、空身であれば支えなくても登れると思いました。個人的には1番面白い滝だと思いました。
 5mハングの滝は金子さんがトップで登って下さいました。本来なら枯れ滝なのですが、水量が多く上部のハング部分での直登が出来ません。草つきへトラバースし、フィックスロープを張りました。2年前に作成した4mmのロープスリングを始めて使って、プルージックで登りました。4mmは見た目頼りないですが、よく効きます。しかし、プルージック結びに戸惑ってしまい諸先輩方に手伝ってもらうことに...。ごめんなさい、練習し直します。前半は割とすんなり登れましたが、草つきはロープをつかまりながらよじ登りました。このように時間がかかってしまった為、5mハングの滝を越えたところで、丹沢三峰山頂に直接つながる尾根に上がることにしました。途中のピークで休みを入れながら、約1時間。山頂に15時20分頃着きました。入渓から6時間かかっていました。
三峰山山頂にて  後は登山道を下るだけですが、記憶にないアップダウン(1月にハイキングで歩いてるはずでしたが)と一応記憶にはあったヤセた尾根道で楽々下山とは行きませんでした。そして、そして、1番(?)核心とも懸念されていた、ヒルの魔の手が...。物見峠との分岐を越えた頃、チクッと痛みが。慌てて手でその部分を払うとヒルがすっ飛んで行きました。気がついた時には遅く、靴下と靴には血が滲んでいました。
 噛まれた個所と場所はそれぞれですが、平さんとお試しの宮野さんも仲良く(?)ヒルの犠牲者になりました。これだけ高確率でヒルにやられてしまうこと、下界に持ち込まないための対策として、下山口には箱に入った塩が用意されていました。各自入念に塩をかけ、煤が谷のバス停に。別所温泉に寄る人、まっすぐ帰る人、本厚木駅で一杯やる人に分かれ解散しました。

〈コースタイム〉
権現橋(9:20) → 二股(12:20) → 三峰山山頂(15:20) → 煤が谷(17:40)


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