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薬師岳~三ノ宿山
鈴木 章子

山行日 2008年6月8日
メンバー (L)鈴木(章)、勝部、箭内、山口、澁谷

 私は、猿とはどうも相性が合わない?
 数年前も、茶ノ木平に行くのに、猿のバリケードが突破できずロープウェイを利用してしまった。実に悔しい思い出がある。
 その為に、猿避けとして男性参加希望。『ビールを付ける』と言う好条件付き。更に、参加者には猿避けの持参をお願いする。計画の段階では、各々、「俺は、犬を連れて行く」、「俺は、雉を連れて行く」等々。勇ましい案は出たものの、当日、駅で出会えば皆スッカリ忘れている。只一人私は、薬師岳山頂まで、背中を冷やし、ビールを運んだのに。
 中禅寺湖畔から登山口を目指す。登山口から20分位は急登だが、尾根近くになるとゆったりとした登りに変わる。50分で茶ノ木平。が、誰もいない。ロープウェイも外されていた。そして、猿も一匹もいない。景色は何も変わっていないのに、我々以外、誰も、何もいない。鳥の声がうるさいくらいだ。しばらく休んで、イヨイヨ修験道へと向かう。力が入り過ぎルート間違い。半月山方面に向かってしまい修正。20分ロス。
 明智平分岐から細尾峠までは、ゆったりした下りが続く。前半が満開の「シロヤシロ」、後半は「アカヤシロ」の花の下、春蝉の声に包まれ、言いたい事を言って歩く。途中で写真を撮った記憶もあるけれど。
細尾峠少し手前のヤシオツツジ  とにかく、蝉よりうるさい5人組。雑木の下、低い笹を分けるように続く登山道を辿る。
 細尾峠で道路を横切るが、暗くて休む気になれず、そのまま薬師岳山頂を目指す。気持ちの良い登りを40分位続けると山頂。それまで曇っていた空にも日差しが出てきた。
 山頂に着くなり、いきなりビールコール。ここで宴会となる。これから地図読みが始まるというのに・・・
薬師岳のしあわせな人達  40分ほど騒いだ後、修験者5名?ルート探しに掛かるが、道は先ほどと同じように、笹を分けるようにヤセ尾根上に続く。ゴールまで同じ状態で繋がっていた。下りと平らな道が4/5、登りは、各ピークに立つ1/5のみ。全て雑木の中。もう2週間早ければ、花街道だったのでは。
 スタート時刻が遅いのが難点だが、本当に良いコースだった。道すがら、木に打ちつけたお札や祠に出会う。かつての修験者に思いがいく。絶対、我々ほどうるさくはなかっただろう。
 ブナの木に『昭和26年』と彫られていた。私の生まれた年。自分も含め、歴史を感じる。ブナは大きく育っているのに。
 三ノ宿山からやしおの湯への指導標に出会える。滝原峠分岐(最後の三角点)から下りがきつくなり、足場も悪い。少し注意が必要。踏み跡を辿ると、鉄塔に出会う。その辺りから眼下に、やしおの湯の屋根が見え出す。後一息、後一息。気合が入る。
 車道に着くと全員で、お疲れの握手。5分後には、バス時間を確かめ入浴。忙しかったけど、得た物の多い山行だった。日が長い時期でなければ歩けないコース。是非、お勧めしたい。花の時期に。一日中歩いても、人にも出会わなかった。
 更に、猿、鹿などの動物にも一切出会わなかった。餌が無くなったのだろうか。普段は嫌っていても、違う心配をしてしまう。
 やしおの湯からバスで駅に向かう。私は初めての経験(何時もは駅まで歩き)。思いの外、遠回り。しかも、バスは列車の時間はお構いなく。駅に着いた時、既に列車は5分前に出た後。不親切さは拭えなかった。
 しかし、列車を待つ30分程の間、駅前の酒屋探しに?名歩き回っていた。上り19:25発の列車に乗ったのは我々5名のみだった。列車に乗った後は、いつもの正しい三峰のスタイルが始まる。飲めない私は、付き合いは程ほどに、車内で一人ウトウトする。
 しばらくして、気が付くと「ギョッ」何と!目の前に!赤い顔をした、箭猿、勝猿、山猿、渋猿が・・・
『麦酒』片手に、入れ歯のような歯を出して、笑っているではないか?進化??最近の猿は、電車も乗れるようになったのか?
クワバラ、クワバラ

〈コースタイム〉
東武日光駅(9:26)発バス~中禅寺湖~茶ノ木平登山口(10:15) → 茶ノ木平(11:00~11:10) → 明智平方面分岐(11:25) → 細尾峠(12:30) → 薬師岳(13:15~14:00) → 1590mピーク(14:40) → 1242mピーク(15:00) → 大木戸山(15:35) → 三ノ宿山(16:05) → 1158mピーク滝原峠分岐(16:45~17:00) → やしおの湯(18:00) → 東武日光駅


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