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滝川豆焼沢
野宮 一泰

山行日 2008年6月28日~29日
メンバー (L)小幡、橋岡、成田、平林、渡辺、森田(温)、河野、宮野

 夜、仮眠場所の「出会いの丘」駐車場へ車で向かっている途中、小雨が降りだした。天気予報だと、明日からの2日間は、曇りと曇りのち雨だったので、この雨はよけいな雨だと思いました。しかし、「出会いの丘」駐車場は、雨を避けるところにテントを張れたし、トイレはきれいで申し分ありませんでした。
 すぐにメンバー8人が揃い、テントで飲みながら豆焼の名の由来は、足のマメを焼いたから?とか、珈琲の焙煎みたいだ、などと話が盛り上がりながら、しばし歓談の後、明日に備えました。
 翌朝、雨はあがっていましたが、曇天の中、7時前に出発し、15分位、堰堤の脇を下って豆焼沢に入渓しました。左手上方に豆焼橋を見上げてからの遡行開始です。そして、すぐに水の流れが強く、滝の上でロープが必要となる所となりました。この時期(梅雨)なので、夜中に雨が降ったこともあり、水量の多い沢登りとなりました。その後、頭上に雁坂大橋のある、2段25mのホチの滝では、左側の軟弱な斜面を登り、そしてここから、さらに奥深く、沢に入って行きました。
 高巻き、懸垂もしながら進み、3ピッチ位のガレ場での懸垂もありました。全員がカッパを着用していることで、水量が多いことがわかります。15時40分頃、4段24mの滝の先にある目標としていたテン場に着くと、誰か野営した痕跡がありましたが、Kさんが、『ネットに、ここでテントを張った人が、30分くらい先にもっと良いテン場があった、と書いてあった』と言ったので、さらに進んでいくと、確かにその様な所があり、私達は今晩、そこにテントを張ることにしました。みんなで薪を集め、ビリー缶の名前は、昔ビリー・ザ・キッドが使っていたから?いや、ビリー・ザ・ブート・キャンプに関係があるのかもと、ここでもこんな会話をしながら食事の支度を開始しました。夕食の餅入りうどんは、体が温まりました。
 そして、焚き火もゴゥゴゥと燃え出し、酔いが、まわったところで、小幡さんのリードで、歌会になりました。古き良き70年代の歌も歌いましたが、みんな酔っているせいか、歌詞がうまく出てきません。歌が一段落したところで、就寝となりました。
小雨の中での焚き火  次の日は、夜中から、テントを打つ雨の音がしていました。しかし、たいした降りではないようです。風も無かったのでよかったです。予定通り、4時起床、6時出発で、叉焼入りラーメンを食べて元気をつけてから、小雨の中、出発しました。この日も、直登、高巻きを繰り返しましたが、1時間40分位の遡行で私達は登山道に出ることが出来ました。
8m二条の滝  最後の二俣では、水しぶきが上がっている左沢か、ガレ場の右沢か迷いましたが、右沢を行きたいという声もありましたが、リーダーは、左沢を選択し、これが正解でした。水しぶきの滝は、階段状で思いのほか登り易く、そして、登りつめると目の前に、雁坂小屋に水を送っているのであろう貯水槽が目に入ってきました。遂に登りつめました。また、貯水槽の手前には、登山道があり、私たちはこの道をたどり、30分程小雨の中を雁坂小屋まで歩きました。そして、ここで装備を整えてから、あとは出会いの丘駐車場まで、8.2キロの道のりを関東随一の原生林を見る余裕も無く下山しました。先頭を歩くHさんから、時々植物の名前を教えていただきました。駐車場に着いてからは、2台の車は、それぞれの帰りのコースに別れ、私たちは、大滝温泉で温まってから帰途につきました。
 今回の沢も、全身を使った沢で、雨には降られましたが、そのため、より自然を感じることが出来ました。また、8人のグループで楽しい沢登りでした。翌日、職場でふと今回の沢のことを回想していましたけれど、つくづく、自然の中に入り、身を置くことは楽しく、気持ちが良いことだと思いました。


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