トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ328号目次

小川山
平林 学

山行日 2008年7月26日~27日
メンバー (L)坪松、平、斎藤(吉)、平林

 今年の夏は、いつになく雨が多い。お盆あたりまでは、猛暑で暑い日が続いたが、近頃は毎日大雨が続き、8/9には富士山で観測史上、最も早い初冠雪を記録。全国的に大変なことになっているようだ。当然、雨が多いということは、岩登りをする機会も少ないということで、例会等が何度も中止になった。だが、この2日間は梅雨明け10日の好天に恵まれて、おおむね2日間ともゲレンデを楽しむことができました。
 さて、我々は金曜日の夜に八王子に集合し、一路現地へ向かったわけですが、この日のメンバーはだれも廻目平に車でいったことがなく、ましてや夜中なので目印になるものが少ない川上村はわかりづらく、野辺山付近を徘徊してしまいました。したがってキャンプ場についたのが2時近くになってしまいましたが、リーダーに持参して頂いた3人用テントは快適で、翌朝7時近くまでとりあえず仮眠とあいなりました。
 翌日もいい天気だが廻目平は涼しく真夏の青空が気持ちいい。さて、我々はまず、トポにのっているスラブ状岩壁というところにいこうとしたのですが、なにせメンバーはだれもここへ来たことがなく、リーダーも数年前の記憶で曖昧な部分が多く、またまた西股沢沿いの林道を徘徊し、ようやっと踏み跡を見つけ入っていったものの、そこはトポでいうところの八幡沢左岸スラブで左岸沿いの踏み跡は悪く、リーダーが左岸を登ってゲレンデを探しにいってくれましたが、むずかしそうなので、もうちょっと沢を辿ることに。すると堰堤を越したすぐの明るい河原につきだしているピナクルを発見。ここは「トムといっしょ 10a」で、よく個人のブログにもでてくるので、みんなが登っているようだ。斎藤さんも都岳連の岩登り講習で登ったことがあるというので、まずはここからスタートすることに。河原で装備を装着し、まず、リーダーにリ-ドでトップロープをセットして頂きました。下から見ると、中段から上が多少ハングぎみに見え、斎藤さんいわくそこが核心のようだ。リーダーも直上するかとおもいきや、どうやら後ろから回り込んで登っているようだ。普段ゲレンデやインドアで鍛えている、平氏、斎藤氏は無難に上っていく。ゲレンデの経験の少ない私は、しょっぱなからかなり苦労し、なんとか岩のでっぱりの部分をつかんで、膝までついて体をもちあげることに。早くも、腕がパンプぎみ。
 さて、そのピナクルはちょうど"くの字"状に奥へスラブになってつづいており、次はちょうどその"くの字"のへこみの部分へリーダーがトップロープを掛け替えてくれて、そこに挑戦することに。そこはちょっとしたクラックルートで、本来ジャミングをきめながら登っていくのでしょうが、私、テキストのクラック登りの部分をよく読まなかったので後悔。ヌンチャクをかけながら、チョンボしてなんとか登る。みんなも、ワイドクラックで決めづらいらしく足はクラックの外へ出して、カウンターぎみにして登っているようだ。
 そして、次はさらにそのとなりにトップロープを掛け替えて頂き「チャンス 11b」に挑戦。いくらトップロープといえども、さすがにイレブンのルートは難しく、本来ルートは直上するのだが、斜上するバンド伝いに登ることに。フットホールドも乏しく、何回か落ちながら、しかし落ち着いてホールドをさがすと結構ガバがあってこの辺が外岩の醍醐味と申しましょうか、自分でホールドをさがしながら登るのが、インドアと違って楽しい。最後はかなり右にずれて、ほんの小さなホールドに指をひっかけて、登ることができました。思わず、下から拍手が・・・ そうとう長い時間テンパっていたのだろう。普段ボルダーで鍛えている平氏は安定した登りでスムーズにクリア。リーダーも核心をなんなく越えていく。
 しかし、メンバーは小川山はじめてなので、午後はもうちょっと簡単なルートで練習するほうが、効果的なのではということで、「春の戻り雪 4P」へ移動することに。がれた斜面を登っていくと、まるでモルタルを吹き付けたようなきれいなスラブが現れるが、すでに先客がとりついており、「今から、登りますんで時間がかかります。」とのこと。この人達は午前中いったいどこにいたのだろうか?我々の横を通り過ぎていった気配はなかったようだが。
 待っていてもしょうがないので、さらに上まで運動靴でルートを探しにいったが、危ないのでいったん戻ろうということになり、こんどは西股沢の対岸に渡ったが、リーダーが数年前に登ったというルートが発見できず、そのうち雨がぽつぽつふりはじめ、買出しもあるので本日は終了となりました。
 そのうち、雨が強くなりましたが、リーダーが焼きそばをふるまってくださり、水場の屋根下に移動してささやかな宴となりました。
 翌日も快晴で、今日はスラブ状岩壁へ行こうということになり、6時過ぎに早々に出発。トポにも載っている。目印のケルンを右折すると、間もなく「ガマスラブ」の1P目が現れる。岩はもう乾いているようだ。そのすぐ上が2P目の取りつきになっていて、そこからもスタートできるようだ。さらに藪の不安定な踏み跡を上へ上へと行くと、小川山らしくない脆岩でできた、妙に威圧感のある岩場に到着。おそらく以前は、練習で登られていたのだろう、古いスリングがハング下にぶらさがっている。いったん、ザックを下ろしてみたものの、ピンも古くなっていて、ちょっと・・・ すると斎藤さんがすぐ上にいい場所をみつけてくれたようだ。そこがトポでいう、「スラブ状岩壁群」でデジマルで5.7や8のルートも集中している。やっとスタートだ。まずは「ウルトラセブ 5.7」で全員でリ-ドで登ることに。どうも私、逆クリップで覚えていたようで、下からみんなに「逆、逆」と言われましたが、これはあとから聞いた話ですが(三峰ではない)クリップの覚え方として「○○○○○のところのロープをたぐる」と覚えるといいということで、女性はどうかわかりませんが、わたくし、これ非常に効果的でした。失礼(*^_^*) さてさて、お次はそのとなり「Song Of Pine 5.8」に挑戦。リードに慣れてない私はちょっと苦労し、途中一回テンションを交えてなんとか完登。フレーク伝いに登るのですが、それがなくなるとトップロープなら思いきり行けるのですが、目の前にロープがないと怖いもんだ。そのうち、だんだん人が増えてきて、ガマスラブを登ろうということで、行ってみると、おそらくガイドの講習会だとおもわれますが、すでに多数の人がはりついていて、予定時間も過ぎていたので、ここで撤収となりました。
 今回、私でも登れそうなところをさがしてくれた坪松氏、斎藤氏、ロープを貸して頂いた平氏にスペシャルサンクスです。いろいろな所に最近顔を出して練習していますが、三峰のみんなと行った岩登りが、一番印象に残っています。リラックスした雰囲気で岩と対峙できるのがいいのでしょう。今後もより精進?し来年こそはアルパインに挑戦してみたいと思っているこのごろです。はなはだ簡単ではありますが、例会報告とさせていただきます。


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ328号目次