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金木戸川打込谷
箭内 忠義

山行日 2008年8月14日~16日
メンバー (L)箭内、金子、佐藤、飯塚、藤井、高木、成田

8月14日 快晴
 昨年は双六谷、小倉谷を遡行した。夏でも虫に襲われないというのが大変よろしい。快適に沢を登れる。詰め上げた笠ヶ岳ではブロッケン現象の出迎えさえあった。そこで今年も、北アルプス第二弾として同じく双六谷、打込谷へと突入した。参加メンバーも昨年と似ている。ちなみに、来年は、北アルプス第三弾として、双六谷を詰め、黒部源流を下降し、赤木沢を遡行する計画がもうすでに考えられています。リーダーは金子さんだ。
 さて、金木戸林道、ゲートに車を置き、歩きます。天気がよく暑かったです。
 林道の終点は、小倉谷の出合となります。打込谷に行くには林道終点から右岸についている登山道を登っていきます。所々に軌道の跡があります。大昔は荷物を運ぶトロッコが走っていたようです。所々道が崩れており危険なところもあります。

長い林道なので一休み危険な所はロープがはってあります

 軌道の終点で、壊れたつり橋が架かっている川原に出ます。川原に降り立つと、右岸の崖の、かなり高い所から4、5人のパーティーが降りてきました。帰る道を探しているようでした。そこで「そこですよ。」と指差し、教えると、ホットした表情になっていました。いよいよ本流の遡行です。今日は天気がよく、水量も多くは無いのでちょっとだけ安心です。しかし、岩の大きさ、水量など流石、北アルプスだなと思います。
 前回来たときは天気でしたが、水量がおおく壊れたつり橋の下で一日停滞しました。水量が多いと渡渉ができなくなってしまうからです。また、振り子渡渉という方法がとても優れものであることを認識したりもしました。何度も振り子で渡渉を繰り返しました。しかし、今回は大丈夫です。渡渉箇所を選び、慎重に渡れば安全に渡れます。雨の増水がなく助かりました。
水は透き通るほど綺麗です  リーダーとして今回の一番の悩ましい問題はテン場でした。パーティーの人数が7人なので、タープとテントの二つを張らなくてはなりません。別々に離れて張ってはバラバラになってしまいます。たから適当なテン場があったらその日の行動終了地点と決めていました。そして、テン場として可能か、良いテン場かどうかの決定は全て金子さんの判断にお任せしました。
 初日、打込谷にはいり、F1、15mのナメを越え、F2、2段18mの滝を越えると程なく、金子さんが高々と宣言しました。
「今日の幕場はここがいいのだ!」
時間は午後2時30分。なるほど、タープとテントが張れそうです。

8月15日 快晴
 昨日の初日は思ったより先まで行けませんでした。何しろ適当な幕場があったら終了としたからです。今日は「がんばるぞお」と気合いが入ります。
 沢はきれいです。滝もいくつも出てきて楽しませてくれます。仙ノ淵はよくわからないまま通過しました。金子さんや高木さん、陽子ちゃんなどは分かっていたのだろうけど。

笑顔がいいですなあ丸太の上を歩きます。らくちんです

 途中、倒木帯に何度か出会いました。大木が倒れています。ですから大木の上を歩きます。滑って落ちたら痛いです。
 滝を越え、丸太を越えて進んでいくと、右岸のちょっとした高台に平なところがありました。草を刈ればテントとタープは張れそうです。時間はまだ午後1時過ぎ、笠ヶ岳の稜線まで高度にしてまだ1000mもあります。高度のまだこんな低いところに、こんな時間にもうテントを張っていいものか、ちょっと迷いましたが、金子さんの「いいんじゃないの」の一言で決定です。
 草を刈り、焚火の場所をきめ、そこまでの道を作ったりしました。

沢ではやはり焚火です焚火を前に宴会は続きます

8月16日 快晴 夕方から雨
 今日は高度1000mを登り、稜線に行き、次に高度1000m以上笠新道を下ります。気合いが入ります。高度が上がるにつれて景色がすこぶる良くなります。前方に稜線も見えてきます。とても気持ちよく登れます。奥の二股は空の色、水のしぶき、空気の光がまばゆいくらい綺麗でした。

奥の二股です 大休止ですあまりの景色の良さにハイポーズ水あくまで白く、空あくまで青く 気分よし

 稜線が前方に見えますが、急登が続きます。体はきついのですが、気分は爽やかです。1000m上り、1000m下る、それも一日でやるなんて、出来るのかと思っていましたがなんとかなりそうだという気分になっていました。  急登を詰めていくと、笠ヶ岳のテント場の直下にテントがひっくり返っていました。風で飛ばされてしまったのでしょう。有り難くゲットです。

テントが飛ばされていました最後の詰めです 余裕の表情です

 最後のルート判断は藤井パパがやってくれました。1000mの登りも思いのほか早い時間に稜線、笠ヶ岳のテント場に着くことができました。
 ここからは二手に分かれます。このまま笠新道を下るグループと笠ヶ岳の頂上にいくグループです。昨年も小倉谷へ来た人たちはそのまま下りました。新穂高温泉で合流です。

テント場です、1000m登りました。ここから頂上組と直接下山組の二手に分かれました。笠ヶ岳の頂上です

 新穂高温泉からタクシーで車を取りに行きました。帰りは平湯の温泉に入りました。遅くまでやっているのです。途中みどり湖PAで泊まり、次の日に帰りました。お疲れ様でした。

時折出会う花の美しさに慰められます
〈コースタイム〉
8月14日 林道ゲート(07:30) → 広河原(09:50~10:10) → 軌道跡終点(11:50)~入渓(12:15) → 打込谷出合 → 5mナメ滝 → 2段18m滝 → テン場(14:30)
8月15日 起床(04:45)~出発(06:50) → 仙ノ淵(08:40) → 10mなめ滝 → 15m大釜 → 35mなめ滝(13:30) → テン場(13:40)
8月16日 起床(04:30)~出発(06:40) → 二股(07:30) → 奥の二股(08:30) → 笠ヶ岳テント場(10:50) → 笠ヶ岳頂上(11:30) → 笠ヶ岳山荘(12:10) → 抜戸岳(13:40) → 杓子平(14:55) → 笠新道口(17:25) → 新穂高温泉(18:30) → ひらゆの森(21:00) → みどり湖PA(23:00)

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