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奥秩父 奥千丈
平林 学

山行日 2009年1月23日~26日
メンバー (L)別所、成田、宮野、平林

 勤務の都合でなかなか、泊まりの山行に参加できなかったが、今回は前から一度行ってみたいと思っていた、厳冬期の奥秩父西部ということもあり、思い切って休暇を取り参加することにした。

1月23日(金) 天気 快晴
 初日は新幹線で佐久平から小海線に乗り換え、信濃川上へ。そこからタクシーで登山口となる金峰山荘へ入る。この段階でもうワカンをつけてもいいくらいの積雪があった。気温は3月から4月位の陽気で暑いくらいだ。砂防堤までは単調な林道歩きで、砂防堤からワカンをつけ尾根道に入る。積雪1m弱といったところか。初日はテント一式を持たされ、きついところだ。途中、中間地点で周辺の山々の眺めがすばらしかった。4時過ぎまでラッセルしようやく2300mくらいのところにいい幕場があり露営となる。別所氏のおいしいカレーを頂き元気がでる。夜は暖かかった。

シニア隊の出発

1月24日(土) 天気 快晴
 2日目もラッセルに始まり、金峰小屋まで苦労した。森林限界からも、ワカンをつけたままケルンをめざしてのラッセルだ。すばらしい展望を見ながら待望の頂上へ。ダイヤモンドダストが舞ってとてもきれいだ。雪もちらつき、前線が通過したことを知る。しばし稜線漫歩ののち、縦走路の入り口を探すのにみんなで苦労する。ようやく、成田さんが小さな表示プレートを発見。そこからが今回の山行の核心で難儀した。道は主脈縦走路なのだが、樹林帯のラッセルは応えがなく苦しい。5~10分おきに交代しながらのラッセルだ。みんな不平不満をもらしながら進む。リーダーは大荷物のため遅れはじめる。
 この時点で、早くも予定変更も視野にいれての行動となりつつあり、大弛峠までがいいところか。しかし結果はそれにも及ばず。途中朝日岳までは比較的暖かかったが、そこからの下りが北側の斜面で積雪も多く、また急激に気温が下がってきたようで、強烈な寒さがおそってきた。疲労困ぱいで雪の上にへたりこむ。しかし、なんとか朝日峠まで下り、露営となる。気温はリーダーの温度計ではマイナス18℃、かつて経験したことのない寒さだ。がんばって整地してテント設営、辛い。今回の山行の主役はなんといっても、リーダー持参の旧式のホエーブスで、ポンプもついていない。しかし、これのおかげで4日間雪のなかでがんばれたといっても過言ではなく、やはり雪山には、ガソリンコンロだ。火力も強く、あっというまにテントが暖かくなった。しかしガソリンを入れる時が寒くてつらかった。夕食は成田氏の酢豚で、再び元気を取り戻し就寝。

1月25日(日) 天気 快晴
 今日はまず大弛峠をめざし、2、3のピークを越えるが、今日も天気が良く富士山の眺めが最高だ。大弛からは美しいシラビソの樹林帯を、みんなでラッセルだ。前国師、三繋平、北奥千丈岳と快調に歩を進めるが、がぜん積雪は多く、このペースでは残りの日数で石楠花新道を下山するのは無理とリーダーの判断で、牧丘川上線でエスケープすることに。

朝日岳山頂のシニア隊快晴の前国師岳山頂

北奥千丈岳にてリーダー  奥秩父随一の大展望とリーダー持参のお弁当を満喫し、後ろ髪をひかれる思いで、下山開始。しかし、ここからがまた長かった。林道の上には木がないから、結構雪が積もっているもので、ヘトヘトになって4時近くまで下り、林道脇の小平地に露営。最後の晩餐とあいなりました。私のガソリンとガスボンベはほぼ使い切り、お役御免といったところか。
 最終日も天気は快晴。林道をひたすらラッセルしてなんとかゲートに辿りついた。宮野氏のパワフルなラッセルには頭がさがります。無事下山。リーダーの携帯で行きと同じ川上タクシーを呼んでもらい、別所氏おすすめのそば屋で、おいしいそばとビールで打ち上げとあいなりました。
 それから、事前のトレーニングにご協力頂いた森田氏にもスペシャルサンクスです。

〈コースタイム〉
1月23日(金) 金峰山荘(10:40) → 砂防堤(12:30) → 中間地点(14:50) → 2300m付近(16:20)
1月24日(土) 幕場(07:20) → 金峰山荘(08:20) → 金峰山(09:40) → 鉄山(11:55) → 朝日岳(14:05) → 朝日峠(15:20)
1月25日(日) 朝日峠(07:15) → 大弛峠(08:10) → 前国師岳(10:30) → 北奥千丈岳(11:30) → 大弛峠(13:10) → 幕場(15:35)
1月26日(月) 幕場(07:20) → ゲート(11:10)

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