トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ330号目次

西丹沢・樹下の二人
五十嵐 めぐみ

山行日 2009年6月7日
メンバー (L)峯川、前野、石川、渡辺、五十嵐(め)

 ここ数年、陽気が不順なこの季節になると持病のアトピー性皮膚炎が悪化するようになってしまった。今回の山行も計画が出た当初から、「花見(サンショウバラ)」に「樹下の二人」とその魅力的なタイトルから、是非参加したいと思っていたけれど、回復しかけの体調が気がかりで「どーしよ」と参加を決めかねていたところ、あっこさんと会う機会があり「メグもどう?」と声を掛けてくれた。ポンと背中を押された思い。
 ぎりぎりになっての参加表明をリーダーの峯川くんが快諾して下さり、サンショウバラに、おもしろくも芸術的な手作り道標観賞と嬉しい予想外の野点を満喫することができた。やっぱり行って良かった。
 残念ながら、雨により山行日が翌7日に変更となったため、あっこさんを含め参加することが出来なくなってしまったみなさま。来年、参りましょうね。

6月7日、晴れ
 新松田駅改札に8時集合。目の前の御殿場線松田駅から駿河小山駅へ。ここで、早速、リーダーから今回の山行記録の依頼。テンション急降下!(嘘!)
 強い日差しの中、歩き始め富士見橋を渡ると、最初の道標発見。色彩豊かな富士山の絵に「不老山に登り若さを保とう!」の文字。
 これを皮切りにこの先、何枚もの凝りに凝ったユニークな手作り道標にお目見えすることになる。
 興味のある方は是非HP三峰写真館を覗いてみて下さいね。
若さの秘訣は不老山登山!?  久しぶりのハイキング、山の緑と鳥の声に癒されながら最後尾を歩く。
 途中、一本休憩を取り、しばらく進むと、先頭を行くリーダー峯川くんの歓声!そう!今回の、山行のメインでもある、サンショウバラを見つけたのだーっ。実は、今年の開花は例年より早く、もう、終わってしまっているかも・・・との事前情報を得ていて、ほとんど諦めモードの中での発見だった。「日頃の行いが良いからよね」と、石川さんとにんまり。みな、喜びもひとしおだ。初めて見るその花は薄いピンク色、葉は名前の由来になった山椒によく似ていた。調べると分布は富士、箱根、丹沢周辺に限られているらしい。更に、絶滅危惧II類に指定されている日本原産の原種バラということもわかった。ふむふむ。
サンショウバラ よくぞ、残っていてくれました!  いったいいくつあるのかしら?とその数の多さと凝りに凝った素晴らしい道標に足を止め感心しながら不老山南峰山頂付近に辿り着くと、終盤を迎えたサンショウバラが迎えてくれた。
 少し先の開けた所、サンショウバラの木の下を陣取り休憩。各々、持参したものを食し終えたころ、峯川くんがごそごそとザックから取り出した物!茶道具じゃな~い!!サンショウバラの木陰で野点なんて風情あり過ぎっ!!!自作というステキな器と美味しいお抹茶に和菓子♪茶花はもちろん、サンショウバラ♪誠に結構なお点前でございました。ありがと~。サンショウバラの下で集合写真を撮り、出発。

三峰千利休の後ろに二日酔いの方(笑)はい、チーズ

 気になっていた千恵子抄の「樹下の二人」という名のついた眺めの良い丘上のピークに向かう。そこには、「樹下の二人」の一節と、それを真似た詩が書かれた道標、趣のある一本の樹があった。もともと、その場所は「蘇峰台」と呼ばれているようだけれど、個性豊かな道標の影響力か、地図には「樹下の二人」とも記されている。

高村光太郎 千恵子抄「樹木の下」の一節道標作者、岩田翁による真似た詩

 世附峠から浅瀬ゲートまでは、日差しに映える山の緑が気持ちよい。つり橋には冷や汗だったけど、みな無事に下山。
 そうそう、浅瀬の番人、ももひき姿の翁からヤマメの燻製を頂いた。こういうコトって結構嬉しい。みなで、ひと口ずつ堪能。美味!
 呼んだタクシーに乗り込み、谷峨駅へ。新松田の呑み屋で至福の一杯を済ませ帰路に着く。はー、楽しかった。

樹下の二人!?(笑)

〈コースタイム〉
駿河小山駅(08:45) → 富士見橋(08:55) → 生土林道入口(09:10) → 不老の活路入口(09:16) → 454m点(09:50) → 525.9m三角点横(10:17) → 半次郎分岐【林道合流】(10:55) → 鉄塔(11:15) → 最初のサンショウバラ(11:30) → 不老山南峰(12:10) → 不老山北峰(12:20~13:25) → 世附峠(13:57) → 樹下の二人(14:05~14:20) → 世附峠(14:25) → 吊橋(14:55) → 浅瀬ゲート(15:10) =【タクシー】= 谷峨駅


トップページ > 岩つばめ一覧 > 岩つばめ330号目次