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神室山~火打山
高木 敦子

山行日 2009年5月15~17日
メンバー (L)高木、土肥、飯塚、深谷、森田(純)、三澤

 このところ恒例化している東北のブナの新緑ツアー、今年は昨年のリベンジである神室山にいざ出発。山形県と秋田県の境にある遠い山なので2泊で挑むが・・・。
 ぎょえ~、出だしでアクシデント発生!柏で集合だが、もたもたしているうちに財布の中からクレジットカードが紛失しているのが判明。家と駅前を2度も往復したが分からない。仕方なくカード会社に電話して停止してもらった。
 その後、毎度お馴染みの国見SAで仮眠後、土内の登山口で、再度ぎょえ~!!、くっ・・・靴がなぁ~い!!!。ここは土肥ちゃんが登山靴を2足持ってたので、ありがたく借りる事ができた。この時ばかりは土肥ちゃんが菩薩様に見えましたデス。
 こんな調子で大丈夫かいな?と少々気分がブルーになったが、回りを見渡せばブナの新緑で心が癒された。お目当ての山菜も、ウド・ウルイ・コシアブラ、おまけに斜面を見下ろせば倒木になにやら付いていそうなので、行ってみると見事なヒラタケの群落。やっぱりブナの森は良いですねぇ~。
 今年は雪が少ないはずなのに、稜線に上がると一面の雪である。去年も結構あったが、もっとずっと先からだったが、今年はすぐに出てきた。やはり雨が少ないので思ったより残雪量が多いようだ。陽子ちゃんお目当てのユキザサは採れるか心配になったが、雪の消えた所にちゃんと出ていました。おまけにエノキダケまでゲット、皆の顔が思わずほころんでいて、今夜の夕食が楽しみとなった。
 神室山避難小屋までは去年すでに確認済み、雪が消えた稜線の登山道にはカタクリの花が迎えてくれるのも同じ、小屋までの最後の急登もやっぱりきつかった。小屋は去年よりさらに傷んでいたが、やっぱり地震の影響だろう。小屋脇にテントを張るが、今週末は寒波の影響でかなり冷えるのと、天ぷらを作るのとで、小屋の土間を使わせてもらった。とりあえず雨風は凌げるし、テーブルもあるのでテントよりも楽でありがたい。天気は悪くないが、ガスが出てきたので、鳥海山に落ちる夕日は残念ながら見られなかった。でも山菜が沢山採れたので、皆ご機嫌である。早速天ぷら、お浸し、炒め物とたっぷり堪能できた。
 16日朝4時起床、外は見事な雲海になっていて、月山や鳥海山がまさに島の様。昨日の夕日はダメだったが、去年より景色が良く見える。6時に出発、しかし頂上直下にかなりの残雪で進めない。やむなく小屋まで戻り、そこから少し下り、トラバースして進んだ。
 その後は心配するほどの雪ではなかったので天狗森に向かった。登山道はどこもかしこもカタクリの花で埋め尽くされている。まさにカタクリロードだ。こんな光景はこの時期ならではだろう。可哀想だけど踏まないで行く事は無理なので、ごめんなさいねと呟いて先に進んだ。
 天狗森から小又山・火打山が結構なアップダウンと長い距離が見てとれる。山の大きさからいくと北アルプスのほうがもっとずっと大きいだろうが、景色が雄大なせいかとても長く大きく感じる。東北の山も捨てたもんじゃないですね。小又山からの稜線は両脇とも結構切れていて左右の傾斜もきつく、その分迫力ある風景となっている。砂利押沢口は地図よりももっと火打山に寄ったところにあった。火打山への登りは一気に登るので、一見道が無さそうなのに近くで見るとちゃんとある、そんな登りである。
 火打山から来た道を見渡すと、やっぱり神室山は遠いです。でもずっと歩いてきた景色を見るのは縦走の醍醐味ですね。満足感が湧いてきていい気持ちになって・・・。しか~し、こっから下山も長かった。途中雪でルートを見失ったり、違う道に引っ張られて、東北のワンダーな空間に導かれたり。楽しかったけれど、車に着いたときは結構ヘロヘロ状態になってしまった。
 2泊の予定だったけど、明日の天気予報は良くないから、山の中では泊まりたくないので頑張ったがこれが大正解だった。若あゆ温泉にあるあゆっこ村のコテージを借りて泊まったが、温泉はあるし、コテージは綺麗だし、料金も一人2千円くらい(?)で快適そのもの。朝になったらしっかり雨が降っていたので、最後まで楽しい山行になった。それと最後に、温泉でまた別の人がぎょえ~!!!!状態が勃発したが、またもや菩薩様のご利益で事なきを得た、と記そう。ありがたや、であるがサイズに少々難があった事は秘する事にしよう。
 PS. この後、約1名ご利益あやかれずに、後遺症で暫く山に行かれなくなってしまったのは残念である。やっぱ、東北の山はあなどれませんね。


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