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集中山行・祖母谷温泉
その2-1 唐松岳~剱・立山縦走
アルプス 別所

山行日 2009年9月21日~26日
メンバー (L)別所、(天城)

 集中に合わせて単独で唐松岳から餓鬼山経由祖母谷に入り、みなさんと宴会。集中解散後に天城さんと北方稜線から剱岳に登り、次にまた一人になって、立山経由室堂行きの山行をしました。
 祖母谷から水平歩道-阿曽原温泉、雲切新道-池ノ平小屋、北方稜線-劒嶽-剱沢キャンプ場の疲労困憊の三日間の報告は天城さんにお願いし、その間で感じたことと単独行の部分を記しました。

9月21日(月)
 新宿発の夜行バスは途中2回のトイレ休息があり、眠れたのかが分からない内に白馬に到着。設備の整ったターミナルでサンドイッチとコーヒーの朝食を済まし、7時半発のゴンドラリフトに乗るべく15分ほど歩く。
 19日から始まったこの5連休前半は晴天続きで、仲間の山からの快晴写真入メールに羨んで、後半はどうなると考えヤキモキしていたが、好天は続く様子で今日も良い天気である。
 ゴンドラとリフトの乗り継ぎがスムーズに済んで、8時半には歩き出すことができた。するといきなりキレットと白馬三山のお出迎えで、昨日までの仕事のバタバタがトークに霞んで行ってしまいました。
「しばらくは仕事したくない」が本音にあり、どうやらヤットコサ、そこにたどり着いたと言う嬉しい感触がじわじわと沸いて来ているのである。

晴のアルプスはいつも感激ハットの紳士とフレア・スカートの踊り子の構図

寝袋をザックに入れ90cmのマットを砂地に直接敷いて寝床とした 9月22日(火)
 4時半過ぎにパラリと雨が来たので起き出し、スープを沸かして、行動食のスパムとキュウカンバをはさんだ自家製パンのサンドイッチで朝食とした。
 天気はどうやら持ち直し、雨にはならない様子。元気を出して餓鬼山の登りに入っていくが調子はイマイチ。
 餓鬼山山頂手前で今日5:00時に山荘を出発した50代の夫婦に追いつかれた。3日前に蓮華温泉から入って、今日は、祖母谷温泉経由富山に抜ける予定と、奥さんは"こういうセワシナイ山行はもういやだ"と旦那に牽制語を発してた。私はそのような時間と追いかけっこの山登りをサンザンやってきたので、旦那の急ぐ気持ちも理解するが、今はのんびり行きたい、今後は自分の体力に合わせ余裕を持ってやって行くんだと自分に言い聞かせている。
 コメツガの大木がある南越峠12:00時着、餓鬼ノ田圃の標識があるが、マップの表示と違っていた。ここまで来ると、ずいぶん標高が下がったと感じた。それからは荒れた歩きにくい道であった。
 午後3時、トラス橋越に祖母谷温泉キャンプ場のテントが見えた。

ブルーベリー、レッドベリー、苔桃食いに奔る仲間と再会し、ビールを飲み、温泉に入るぞ!

野天の阿曽原温泉は人も少なくゆっくりでき、景色さながら気持も解放された 9月23日(水)・・・水平歩道と阿曽原温泉
 欅平から水平歩道に達する険しい上りと5時間に及ぶ水平歩道は、道を外さないよう常に神経を使うので疲れた。今回の山行の中で唯一雨に降られた日であったが、大峡谷と紅葉に移りつつある風景を楽しむことができた。

16時 仙人峠にて 9月24日(木)・・・雲切新道の梯子のぼり
 ステンレスの梯子がコレでもかと立て続けて現れ、登行意欲を殺いでゆく。どの位あったのか、また、どのようにやり過ごしたか記憶にない、つらかったことは頭から消えてしまったみたいだ。

長次郎の頭を巻いてコルに出る分かりにくい岩棚 9月25日(金)・・・・劒岳本峰
 池ノ平小屋からは仙人新道を下り真砂沢ロッジ経由劒沢小屋に出るルートがあるが、天城さんに「私にとってはコレが最後の劒になるかもしれないので、ぜひ北方稜線ルートで劒を越したい」とお願いした。夏山で1回、残雪期に3回、今度で5回目の劒岳本峰登頂になる。

9月26日(土)
 昨日の12時間行動で疲労度は高いが、今日は別山-真砂岳-立山三山をやって室堂に下ることにする。劒沢キャンプ場からしばらく南に登ると別山と別山乗越の分岐に出る。そこで乗越方面へ行く天城さんと別れ、別山に向かう。
 別山頂上より派生している2880mピークに足を延ばしそこからの大観望を得る。後方に毛勝山を配した劒本峯とそこに立ち上がる源次郎、八ツ峰の岩尾根を北に、越えてきた唐松岳が遠い後立山連峰そして針ノ木岳から裏銀座の山々が南東にあった。
 草紅葉に囲まれた硯ヶ池に立ち寄り、内蔵助カールを左に見下して立山方面に向かう。今日は土曜日、昨日までの静かさと打って変わって、人また人で縦走路はニギヤカである。富士の折立、大汝山と超えて雄山では立山頂上登拝を500円で受ける。1時半一ノ越で大休息をし、いつか行きたい読売新道の赤牛、水晶岳のラインを探す。2時半に室堂に着き、5泊6日の山旅を終えた。

紅葉真っ盛りの真砂尾根と後立山を背にして雄山3003mからは下るだけ

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