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山スキー・放山
斎藤 吉夫

山行日 2010年2月6日~7日
メンバー (L)佐藤、山沢、斎藤(吉)

 2月5日(金)22時、国立駅で明さん、23時に分倍河原で山沢さんと待ち合わせて中央道経由でシャルマンスキー場に向けて出発した。その日の日本海側の天気は荒れ模様とのことであったが、松本の辺りまでは星もきれいに見え快適な深夜のドライブだった。しかし、北に進むにつれて雪が強く降るようになり、何と、妙高から先は通行止めにはまってしまった。そこからは一般道に降ろされ、一寸先も見えないと言っては大げさだが、時には車を停止させなければいけないほどの猛吹雪の中を走り続けた。
 途中、休憩しようとした道の駅でハプニングは起きた。道の駅の視界の利かない中で駐車スペースを探していると、除雪車が横切った所で前に進めなくなった。しかたなくバックしたら、何と、吹き溜まりに突っ込んでしまい、私の二輪駆動の車では前にも後ろにも進めなくなってしまった。少々スコップで除雪したぐらいではどうしようもない。ここで夜明かしかと思いかけていたところで、ハプニングの原因とも言える除雪車が車の前に来た。これはチャンスと思い、頼み込んで、引っ張ってもらうことにした。ワイヤーを車に取り付け合図を送ると、1.8トン近くある車は、まるでプラモデルの車ように軽々と引きずり出されてしまった。これで、ここで夜明かししないで済むと思うと気が楽になって、結局、休憩もせずに道の駅を出発した。途中、目的地直前の道の駅で1時間ほど仮眠を取り、宿泊予定の宿には7時半頃に到着した。
 風呂場で着替えを済ませ、風呂でゆっくりしたい衝動を振り切りシャルマンスキー場に向かった。吹雪で視界の利かない道を20分ほどでスキー場に着いた。今日は、一日券で深雪滑降の練習なので天気が荒れても安心して滑ることができるのだが、強風のためリフトが動かない。3本しかないリフトのうち一番下が動き出したのは9時になったころであった。しかし、乗って直ぐに止まってしまい、10分間くらい、強風にさらされたままリフト上で寒さに耐えなくてはならなかった。
 そのような最悪の状態で滑ったのだが、このスキー場は木があまり濃くなく、何処でも滑ることができる。これが本当に良かった。正に、リフト付の山スキーと言うべきで、内容の濃い深雪滑りの練習になった。とは言っても、強風は相変わらずなので、14時半には切り上げて早めの宴会となった。
 風呂に入ってからそれぞれ持ち寄ったビールと日本酒を酌み交わした。18時の夕食までには大分出来上がり、夕食の席でも日本酒を飲んだため、部屋に戻った後は、寝不足のせいもあり、8時ころには皆寝てしまった。
 翌7日、日曜日、昨日よりは良いが、相変わらず風が強い。今日は上のリフトが動いているので、一回券を2枚ずつ買い、一度ゲレンデを下まで滑り、その後、放山の頂上へのツアーに向かうことにした。ゲレンデも、まだ朝が早いせいか、ふかふかの雪を楽しめた。
 さて、いよいよシールを着けてツアーの開始だ。しかし、リフトを降りると、また、雪が強くなってきた。迷った末、やはり出発することにした。リフト降り場から一旦下った後、所々に赤布をつけた棒を立てながら、南西方向に延びる尾根沿いを進んだ。

山頂駅からツアーに出発迷いやすい所は印を付けながら

 この赤布の目印は、谷川の雪訓で使うはずだったもので、私の車に置きっぱなしになっていたものを使わせてもらったものである。
 ルートは特に危険な所もなく、2時間ほどで放山の頂上に着いた。頂上は結構広くなだらかだ。ビールで乾杯したあと、食事を取っていると、4人組みのスキーヤーが上ってきた。ラッセルをしてもらったと礼を言っている。せっかくなので、写真を撮ってもらった。
よく見えませんが頂上です  さて、いよいよ、待ちに待った深雪滑降である。強風と雪が治まったばかりの、まっさらの深雪である。適度な傾斜の斜面に板が良く浮く。実に気持ちいい。途中、設置してきた赤布の目印を回収しながら下っていった。皆、満足そうに滑っている。スキー場には30分ほどで到着。ここからは深雪を探しながらの滑りだが、距離も結構あり、今日最後のスキーを楽しんだ。
 帰り道で、またアクシデントが起きた。宿で湯船に浸かってから帰ろうと思い、車を宿に向けて走らせていると、車がスリップ。何とか立て直そうとしたがうまくいかず、車は一回転して、車の右前部を雪の壁に接触させてようやく止まった。対向車が来なくて本当に良かったが、お二人には驚かせてしまい、また、経済的な負担もかけ、大変申し訳ないことをしてしまった。
 行きも帰りもアクシデント続きだったが、明さん、山沢さん、これまで同様お付き合いください。宜しくお願いします。


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