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安倍奥・十枚山 ~オジサンたちは元気です!~
小堀 憲夫

山行日 2009年11月14日~15日
メンバー (L)小堀、藤井、江村(皦)、原口、田原、山崎

 昔の『岳人』のページをめくっていたら、<安倍奥>という表題が目に付いた。
「『あべおく』地元静岡の岳人は親しみをこめて、安倍川流域の山をそう呼ぶ・・・。」
 周辺には梅ヶ島温泉やコンヤ温泉という温泉もある。ちょうど紅葉狩り&温泉に手ごろな山を探していたので、早速例会に上げた。
 久しぶりに上げた例会だったが、ルームで募集をかけてもらうと、参加希望はその少し前に一過性脳梗塞で入院した酒豪・田原さんただ一人。
 「ふむ、面倒に巻き込まれたくない皆の気持ちも分からないでは無い・・・。」
 しかし、例会の決まりで1人でも参加希望者がいれば実施しなくてはならない。そこで、とても自分1人では田原さんの相手はできないと焦り、「誰か助けてよ~。他に行く人いないの~?」と周りに声をかると、原口さん、山崎さん、藤井さん、江村さんの順で奇特な参加者が増えた。なぜか、この味わい深いメンバー構成は、図らずも西荻同窓会の雰囲気になったのであった。
 集合は西荻窪駅、金曜夜10時とした。週末の天気予報は今一。それでも、土日のどちらかでも晴れることを期待して案の定降り出した小雨の中、金曜夜、駅前のマンションに住む会友の冨岡さんに見送られ、差し入れのたこ焼きの匂いでいっぱいの車は西荻窪駅前を予定どおり出発した。途中、本厚木で原口さんをピックアップ。いつもの通り宴会用のお重を片手に原口さん登場。
 その夜は早めに富士川SAの東屋でビバークを決めた。雨は盛んに降り始めたが、かまわずミニ宴会(ちなみにここは夜景も綺麗でなかなかGoodなビバーク地だった)。しばしの歓談の後、車とテントに分かれて仮眠した。ただし、意地っ張りの田原さんは、1人東屋のベンチでビバークを決めた(朝ビショヌレで目が覚めたとのこと)。
 翌朝、SAで朝食を済ませ、雨は相変わらず降っていたが、とりあえず現地まで行ってみようと、安倍奥入りするもはやり雨。翌日は晴れとの天気予報を信じ、十枚山登山は翌日に延期とした。
 早速、梅ヶ島温泉日帰り温泉施設「黄金の湯」に直行した。ちょうど営業開始時間だったので、早速ドカドカと入場。施設も泉質もよろしく、寒い夜を過ごしたメンバーは全員ご機嫌。
雨上がりの駐車場でランチ宴会!  しかも、温泉から出ると雨もあがっており、辺りの紅葉も雨に洗われてより美しく、雨上がりの山の匂いも清々しい。
 これまたちょうど昼メシ時だったので、広い駐車場のこと、銀マットを大きく広げてのランチ宴会となった。原口さんのお重が綺麗に片付いた。ご馳走さま。
 食後、近所の観光散歩を楽しんだあと予約してあった民宿「孫佐島」へ向かった。宿に着いた時に車の右前輪のパンクに気がつくハプニングがあったが、JAFに来てもらい無事解決。その時ちょっと感激したのはタイヤ交換の時に見せたオジサンたちの頼もしさ。オレにやらせろとばかりに、皆進んで手伝ってくれた。やはり、いざという時に頼りになるのは人生経験豊かなオジサンたちだ!
 宿は一家総出でのもてなしで、なかなか好印象。露天風呂などもあり十分寛げた。メンバー中ただ一人の女性の山崎さんは終始愛想よくオジサン達の相手をしてくれた。酒も飲まずに静かにヨッパライどもに合わせてくれる藤井さんにも毎回頭が下がる。
 翌朝、好天に恵まれイザ十枚山登山へ!道はお茶の段々畑の中を車でかなり上まで登れる。歩き始めからオジサンパワー全開で田原さんが常にトップを勤め、結構な急登にもかかわらず順調に高度を稼いだ。リハビリ山行のはずの江村さんもペラペラの運動靴でヒョイヒョイと登って行く。峠で一休みの後、広い山頂へ到着。風は強かったがそこには360°の大パノラマが広がっていた。富士山、駿河湾、南アルプスなどを望みながら、明るい日差しと初冬の山の清々しい空気に包まれて、のんびりランチを楽しんだ。

素晴らしい展望 十枚山からの富士山素晴らしい天気の十枚山にて

 下りは登りよりさらに急坂で、膝痛の小堀はかなり往生した。それでも原口さんにやさしく付き添われて無事帰還。帰りに温泉に入って汗を流して帰ろうと思ったが、適当なものが見つからず、そのまま帰京した。
 帰りの車でもコンビニで仕入れた『ガソリン』で終始ご機嫌だった田原さん。オジサンは確かに元気だった。あの一過性脳梗塞、ホンマだったんかいな!?

〈コースタイム〉
関の沢・十枚山登山口(08:20) → 分岐(08:45) → 十枚峠(10:20) → 十枚山山頂着(10:50) → 山頂発(11:35) → 分岐(13:25) → 登山口(13:35)


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