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鳳凰二山
渡辺 守

山行日 2010年3月6日~7日
メンバー (L)渡辺(守)、森田(温)、成田、大田、権

 天気が悪そうだ。中止も考えたが上は雪だろうからひどくなければ行こうというのが結論。もともと鳳凰三山で夜叉神峠から夜行一泊二日の縦走を計画したが、それは夏の行程で早々と御座石鉱泉ピストンの鳳凰二山に変更していた。私は初めてなので勝手が分からないが二山なら楽勝と思っていたが、天気が悪いのなら地蔵岳だけだなという気持ちで家を出た。生ぬるい風で地下鉄の駅まで行くと汗ばんでしまう。東京駅で温さん、権さん、立川で大田さんと合流。成田さんは各駅電車の旅で先行していた。その夜は穴山駅ホームの待合室で就寝。
 翌朝6時にタクシーが迎えにくるが、そこで雨が降り始める。御座石鉱泉を7時過ぎに出発するが、雪は全くない。高度を上げても雪に変わる気配なく、5人とも無口だ。11時に燕頭山へ到着するが、依然として雨のままで夜が気になる。なんと温さんがフライを持ってこなかった。今年の冬山雨被害は周知の話だが、気も大きな温さんの「稜線は雪という」見解を信じてきたが、流石に不安だ。被害者1名がぶつぶつ文句を続けているが、今さら仕方ない。ツェルトがあるし、たぶん冬季小屋が使えるだろう(リーダーはいい加減で下調べ不十分)。それでも、なだらかな道を進む。ぼつぼつ足もとに雪が見え始める、一気に雪山の気配に変りやや痩せた稜線になる。樹林帯を抜けると平地が広がり鳳凰小屋が見えてくる。14時到着。
 夜もしばらく雨が続くが、被害なく済んだ。翌朝には雪に変わっていて、視界は良くないが地蔵岳に行けないこともない。ここはメンバーで腹の探り合いだが「行った事実を作るだけだなぁ」なんて、気の抜けた話をしながら、リーダー権限で下山を決定。せめて鳳凰一山だけでもと思ったが、また三山でリベンジすることにした。
 雪の中を7時前出発、下山途中の燕頭山でパーティーに会うが、彼らも登頂を諦め昨日は早々ここで泊まったとのこと。下山口まであと30分の10時半に携帯が繋がりタクシーを呼ぶ。11時の下山と同時にタクシーが到着して、韮崎駅近辺の温泉まで送ってもらう。再び同じタクシーにピックアップしてもらった。
 なんか気の抜けた山行だったが、雨の被害は最小限で雪の尾根も楽しめたのは良かった。リベンジは晴れ渡る晩秋の空の下で三山縦走としたい。


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